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金曜日〜準備〜


(ーーさて)


俺は部屋着に着替えると、いそいそと明日の準備に取り掛かった。

料理本とメモ帳を手に、明日の買い出しに必要なものを次々と書いていく。


「えーっと…卵と砂糖とサラダ油と…」


ぶつぶつと呟きながらメモを取る。

レベル2のページの確認だ。


「だし?粉末?なんだこれは…」


書いた文字を見て自問する。

まだレベル2に入ったばかりだが、料理とは奥が深い。

材料もそうだが、料理1つするのにこんなにも道具が必要だとは…


『ヘラとかお玉も必要だし〜』


佐々木さんから聞き出した情報も思い出す。


「ヘラとお玉…と」


『あとはボウルとか軽量カップとか軽量スプーンとか』


「ボウル…軽量カップとスプーン、だと?」


何が違うのか、俺にはさっぱり分からん!

ボウルは一体どんなのがいいのかも俺にはさっぱりだ。


「ふぅ…」


俺は溜め息を1つ吐くと、料理本に書いてある道具も確認する。



『用意するもの

・四角いフライパン

・菜箸

・フライ返し(あれば楽になります)

・キッチンペーパー又はティッシュペーパー』



疑問だったのだが、この四角いフライパンとは何だ?

佐々木さんに聞けば良かったのだがいかんせん、聞く理由を尋ねられては元も子もない。


「…四角いフライパン、と」


とりあえずメモを取る。

菜箸は一応ある。次は…


「…フライ返し?ヘラとは違うのか?いや、そもそも名前が…」


混乱してきた。

名前が横文字過ぎて、どうも俺にはついていけん!

言っておくがこの料理本、挿絵がある。出来上がり写真もある。が…


「佐々木さんの言うヘラがどんなものかがわからん…っ!」


なので、比較出来ない。

そもそも道具の写真がないということは、これくらい当たり前に知っていなければならんという事か?

こんな子供向けのような挿絵だけじゃ…っ。

もう少し、俺のような中年のおっさんにも分かりやすい料理本を出して欲しいものだ。


「ふむ。ティッシュはあるから、このキッチンペーパーというものはいらないな」


トン…トン…と、持っているペンでメモ帳を突つく。


「いや、待てよ…?」


無意識の内に頬杖を付いていたようだ。


「今後レベルが上がっていくのと比例して、更に必要なものが増えてくに違いない!」


何の根拠もなかったが、俺は何故かそう思った。

そうだ。俺の最終目標は何だ?

嫁の手料理を食べたいが故のレベル10超えだろう。

ならーー


「今の内に買っておくのもあり、か」


そう呟くと、メモ帳に【キッチンペーパー】と力強く書き加えた。




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