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15話(フラン目線)

 私とガレアは今、ほとんどの買い物を終え、家の方へ向かって歩いていた。

 因みにガレアからはさん付けで呼ぶなと言われたのでガレアと呼ばせてもらっている。そして…なぜかガレアからは…


「これは流石に多くねえか?フラっぺ」


 なぜかこう呼ばれているのだ…。

 なんでフラっぺなんだろ…。お兄ちゃんからも友達からもそんな風に呼ばれたことないのに、なんだか呼ばれ慣れないなぁ。


「仕方ないじゃん。あと、やっぱりやめよ?フラっぺって呼ぶの…」


「いいじゃねーかぁ。俺は気に入ってるぜ?フラっぺ」


「私は気に入ってないよ!」


 私は両手を力いっぱい握りしめながらそう言うと、プイッとガレアから目線を逸らした。

 まあ、もう何をしたところでフラっぺって呼ばれるのは変わらないだろうけど…。


「そう怒んなってフラっぺ。可愛い顔が台無しだぜ〜?」


 …ほらね。

 私は「はいはい」と適当に返事を返すと、ついさっき近くのお店で買ったパフェに罠魔法をかけると、そのかけた方のパフェをガレアのほうへ手渡した。

 なーにが可愛い顔ですよーだっ!私をおちょくったらどうなるか思い知らせてやるんだから…。

 私はニヒヒ…といやらしい笑みを浮かべると、目の前にあるベンチを指差しながらガレアの方へ顔を向けた。


「ねえねえガレア。ちょっと疲れてきたしそこのベンチで休憩しようよ」


「んー?あぁ…そうだなぁ」


 私にとってイタズラを仕掛けるのはとっても簡単なことなのですよ。今、このガレアも何もわかってない様子でベンチの方へ腰掛けているしね。

 ちなみに、ガレアのパフェに仕掛けた魔法は前にお兄ちゃんに仕掛けた魔法と同じ…クリームや果物が口の中に入った途端爆発するという魔法である。これでガレアもお兄ちゃんと同じ刺激的な味を楽しむことになるんだよ…。ムフフ…。

 そして、そんなことは全く知らないガレアは笑顔でスプーンを口の中へと運んでいた。もうこの時点で私のイタズラは成功確定である。

 ガレアもお兄ちゃんと同じ苦しみを味わっちゃえ!


「んー、フムフム…。なかなか刺激的な味だなー、これ」


 ガレアはそんなことを呟くと何事もなかったように二口目を口の中へ入れていた。

 …あれ?おかしいな。私が思ってた反応と違うんだけど…、それに、二口目いっちゃうんだ。

 そんな普通に美味しそうに食べるガレアを見ていると、ガレアが私の方へ目線を向けてくる。


「ん?フラっぺ食べねーの?食べねーんなら俺もらうけど」


「ふぇ!?いや、た…食べるからっ!あげないよっ!」


「そっかぁ、いらねーなら欲しかったんだけどなぁ」


 え!?なんでなんで!?どうしてガレアはこんなにも平気な顔でパフェ食べてるの!?

 お兄ちゃんはあんなにも効いていたし…ガレアにも効くって思ってたのに…。

 私は混乱している頭を抑えながら、手に持っているパフェを口の中へと一口入れた。

 うん、やっぱりパフェは美味しい。


「ところでよぉフラっぺ。1つ聞きてーことがかるんだけど、ザックってもともとあんなに強かったのか?あの年齢であれほどの実力をもってる奴なんて見たことねぇ」


 ガレアは疑問そうな表情をし、そしてその表情のまま、また一口パフェを口へ運んだ。

 そして、ガレアが私に質問してきたことに対し、私は少しの間黙り込んだ。これはお兄ちゃんも知らないことで、私以外誰も知らない秘密のようなものだからである。

 そう、お兄ちゃんは1人修行を続けてきただけで強くなったわけではない。お兄ちゃんがここまで強くなったのにはちゃんとした理由がある。…お兄ちゃんはそれを覚えていないけど。


「ガレアはさ、自分の命を引き換えに相手に自分の生命力と能力を分け与える禁術があるの知ってる?」


「あ?あぁ…まあ、聞いたことはあるけどよ。その禁術は生命力がバカみたいに高いやつしか使えないはずだろ?そんなやついたのか?」


「うん、いたんだ。1人だけ。お兄ちゃんが剣士で一番になるまえそこにいた、私たちの恩人が」


 私は1人の男性の顔を思いながらそう呟き空を見上げた。あの人は今お兄ちゃんの中にいる。お兄ちゃんの心の中にも。


「まあ、それでね。お兄ちゃんはその人から超がつくほどの身体能力を分けてもらってるの。もともとお兄ちゃんは反射神経は良かったけど運動はできてなかったんだ」


 ガレアもそのあとその人がどうなったかは理解したらしく、それについては何も言ってこなかった。


「まあ、やっぱり思ってた通りワケありだったんだな。それでも剣の腕はあるし、そこまで変わらねー気もするけどよ」


 ガレアはそう言うと、もうパフェは食べ終わっていたのか、その場から立ち上がった。

 …お兄ちゃんは覚えてないだろうけど、私はあの日の悲劇を鮮明と覚えている。お兄ちゃんとあの人が死んだあの日のことを。


「だからもう戦わないで、自分が責任を負おうとしないでお兄ちゃん…」


突如頬を流れた涙を右腕で擦ると、私もガレアについていくように立ち上がった。

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