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14話

 俺たちは何とか噴水のあるところまで引き返すと、そこでひとまず休憩していた。


「見た感じはね、金髪長身…すごーく美人だからすぐわかると思うんだけどね〜。まあ、中身はアレなんだけど…」


「金髪長身…」


 どうしよう…すごく見覚えがあるんだけど。

 俺はまさかね…と思いながらも、セリーヌさんのことを考えていた。今ここにくるまでにエレナが自分からその探している人のことを何度か話していたのだが、見事その特徴が全てセリーヌさんに当てはまっていたのだ。

 でも、だからってセリーヌさんだと決まったわけでもないし…。

 俺はうん…と悩んでいたが、エレナはそんな俺のことを考えてるのか考えていないのか、笑顔で俺の方へ顔を向ける。


「あ、言ってなかったけど、その人私のお姉ちゃんでね!セリーヌって言うんだけど…」


 そして、その笑顔のままこう言った。


「え…あ…」


 あってたんかいっ!!

俺は、心の中でそう叫ぶとガクッと肩が下がった。そんな様子を見てセリーヌさんは「ザッくん!?」と心配そうな顔つきで猛スピードで体を支えてくる。

 まさか、エレナが探している人が俺の知り合いだったなんて…世間は狭いなぁ…。

 それに今思えばセリーヌさんが話していた妹の話とエレナの雰囲気がかなり似てる気もする。

 うーん……、そう考えてみると、絶対エレナがそのセリーヌさんの言ってた妹だよね。


「で、私がその妹なんだけどねっ、お姉ちゃん…いろいろと危なっかしいから心配で心配で…」


 やっぱり…と思いながら俺はまた肩をガクッと落とすと、またエレナが俺の身体を猛スピードで支えてきた。

 それに、正直俺はエレナもかなり危なっかしいと思うよ…、多分方向音痴だし、小さい子が相手だったら簡単に騙されそうだし…いや、それはないか。

 とりあえずフランたちを見たところまで戻ってみようかな。フランたちのところにもしかしたらセリーヌさんもいるかもしれないし、いや、家で待ってるとは思うけどさ、一応ね。


「ガレアが荷物持ちされてたところまで戻らないと」


「ザッくん帰り道わかるの?」


「わ、わかりますから!少なくともエレナさんよりは」


すると、エレナは不満そうな顔をしながら俺の顔を覗き込んでくる。


「お姉ちゃん!だよ!ザッくん!」


 あまりのドヤ顔に俺は少し苦笑いをすると、そのまま先へと進んだ。最初は勢いで言ってしまったけど、さすがにもう言わないよ…。

 そんな俺の様子を見たエレナは「ぶー」と口をタコの口のような形にして、不機嫌な態度をとったまま、俺の後を追ってきた。


 そんなこんなで歩いていくと、遠くでまだ荷物持ちをさせられているガレアと荷物持ちをさせているフランの姿が徐々に見えてきた。最初見たときと比べると、ガレアの持っている荷物の量がかなり多くなっている…。ほんと、あれが俺じゃなくてよかったよ…。

 しかし、その近くを見てみてもセリーヌさんらしき人物の気配はなかった。恐らくやっぱり俺の家でまだ留守番をしているのだろう。


「フランー。一応聞くけどセリーヌさんみてないよね?」


 フランのもとまで近づいて、そう問いかけると、フランも俺に気づいたようで俺の方へ振り返った。


「あ、お兄ちゃんいたんだ。セリーヌさん?セリーヌさんは見てないけど…」


「そっか。じゃあやっぱり家かー。うん、ありがとフラン。じゃ、また後で!」


 俺はフランに手を振ると、そのまま俺の家の方向へ向かって歩きはじめた。後ろの方で「あの後ろにいる人誰だろ」と言っているフランの声が聞こえてきたけど、説明するの面倒臭いし…、あ、あとででいいよね!


 俺とエレナはそのまま街の外へ出ると、大草原の中へと一歩踏み出した。

 ここから家までが遠いんだよなぁ…。どうしてこんなに遠くに家を建てたんだろうか…、いや、理由は一応あるんだけどさ、なんだったかは忘れたけど。まあ、忘れたってことは大して大事なことでもないんでしょ。

 俺とエレナはそのまま大草原の中をゆっくりと進んでいった。すると、だんだん俺の家が姿をみせてくる。


「あ、あれがザッくんの家なの!?お、大きいね…まるででっかい特大プリンみたいだね!」


「なんでそこでの例えが特大プリン!?」


 俺の手のひらがエレナのおでこに直撃し、エレナの口から「あぅっ!」とよろけながらそんな声が発せられた。俺は、やってしまった…と、両手をあわせてごめんなさいのポーズをとる。

 が、エレナはそんな俺の様子は無視して何故か勝負を挑もうとでも思ったのか、ヘンテコな構えをとってドヤ顔を見せてきた。


「フッ…、お姉ちゃんに勝負を挑もうなんて…3日早いよザッくん!」


「3日ってそれじゃ大して変わんないよっ!!」


 すると、エレナはなんとなく納得したのか首を上下に頷かせると、「むむむ…」と何故か少し考えこんだ。


「じゃあ5日だよ!」


「日にち単位じゃ意味ないからっ!!」


 俺は息をきらしながらつっこむと、もういいや…と、家の方へ体を向き直して、エレナに早く行こうと家の方を指差した。





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