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アオハル of the Dead End! ~平凡女子高生、顔面チートで頭赤ちゃんな超雑男子とラブコメ(ほぼコメ)する~  作者: 節トキ
LESSON 16 ハロウィンに仮装しよう!

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16-3 プレデターのアレ、髪じゃなくて管なんだってよ


 有瀬くんの雑極まりないコスに心を打ち砕かれたけれど、しかし私にはまだ城咲さんという希望が残されている。


 かなり時間かけてるっぽいけど、どんな仮装してるんだろ? 豪華絢爛な花魁とか? もしかしたら、ゴージャスなドレスを着たプリンセスかも!?

 やだー、ママもきっと見たがるよー!

 一緒に撮影させてほしいな、ピンでも百枚はほしいところよね!


 撮影予定の写真のためにスマホの容量を確認していたら、ついに待人が到来した。



「ごめんなさい、お待たせしちゃったわね。あら、もしかして柊さん? どこのクソガキがデカいツラして留佳の隣を陣取ってやがるのかと思ったら……へえ、セーラー服になると雰囲気変わるわね。髪型も違うから別人に見えるわ。本当に中学生みたい」



 想像をブチ超えてきた城咲さんの姿に、私は血の気が失せた唇を何とか動かして声を発した。



「…………城咲さん、どこから喋ってる? 本体どっち?」


「こっちよ。プレデターの方」



 空気で膨らむタイプのエイリアンの胸元で、鈍い輝きを放つマスクを被ったプレデターが手を振る。



「ええと、随分遅かったけど何してたの?」


「見ればわかるでしょ、この髪のせいよ。編み込んでドレッドっぽくするのに時間がかかっちゃって」


「あっ、地毛だったんだ、これー。うわー、完成度高いなー。チョースゴーイ!」


「え、そう? 嬉しいわ、柊さんにそう言ってもらえて。頑張った甲斐があるってものよ。今日はたくさん写真撮りましょ! 紅(こう)くん達に送るの!」



 空気で膨らむタイプのエイリアンに背後からぎゅっと抱っこされたプレデターと手を取り合い、私は顔で笑って心で泣いた。それはもう、涙で心が沈没するほど大号泣した。


 違うだろ……こうじゃないだろ……。


 何でどいつもこいつも、顔面の良さを活かさない!? 今こそ二次元レベルの美貌を最大限に駆使する時でしょ!? どうしてこうも美形を湯水のように無駄遣いするかなあ!? 減るもんじゃないからか!?

 だったら一時間でいいから私に貸してよ!

 有瀬くんの体で執事コスするし、城咲さんの体でプリンセスコスするから! 写真撮りまくったらすぐお返しするから!



「ふぇー那由多ちゃん、お待たせー! あ、明日香も支度できたんだ。おー、見事にカスタムしてきたね。風船人間が立派なプレデターになってるじゃない! そのマスクの内側はやっぱ蟹面?」



 ギリギリ歯を食いしばってコレジャナイ仮装の二人を睨んでいたら、黒布魔女の志貴さんが戻ってきた。ただ被っていただけの先程までと違って、首を覆うように肩と脇をしっかり縫い留められている。きっと家庭科の先生だという真央さんが急遽仕上げたんだろう。


 ズルリ事故はこれで完全に防げるけど、こんだけ首周りに余裕ないと、脱ぐ時には切り裂かなきゃいけないのでは?



「残念ながら、下はプレデターじゃなくて私の素顔よ。プレデターの素顔はゴムマスクしかなくて、肌荒れが不安だったから。あら、志貴、シャワーしてたの? 今から出かけるのに?」


「あー、これは真央がおっきして」


「黙れ! 何も言うな、志貴! 留佳、お前も菓子ばっか食ってないでとっとと着替えてこい!」



 高速ですっ飛んできた真央さんは志貴さんの口を塞ぐと、ぼけーっとクッキーを齧っていた有瀬くんを怒鳴り付けた。


 うわ怖ぁ、何をそんなに慌ててんだか。ハロウィンは逃げやしないのにね。……って待って。城咲さん、今から出かけるって言わなかった?



「あの出かけるって」


「これが仮装だ」


「仮装だとしても、んなだらしねえカッコで外出せるか! 何でもいいから着替えろ!」


「あ、じゃあ那由多ちゃんとオソロで中学の制服にしたら!? 中学生カッポーになれちゃうじゃーん!」


「それだと吸血鬼設定が薄くならないか?」


「だったら私があげたマスク被ったらどうかしら? ほら、こないだのイタリア土産の。柊さんにはフルフェイスバージョンを買ったけど、留佳のはハーフタイプだからそこまで邪魔にならないでしょ?」


「あ、あれか。あれならこっそり日光防いでる感じが吸血鬼っぽい気がする。わかった、着替えてくる」


「私も行くわ! 柊さん、この衣装だと階段が登りにくいからサポートお願いするわね!」



 わやわや盛り上がる皆様に、私の質問は綺麗に流されてしまった。ついでに何故か城咲さんに引っ立てられて、あの頭が歪みそうな部屋に連行された。


 ねえ……私、いらないじゃん……?

 期待した美形のコスに夢破れたわけだし、もう帰りたいんだけど……?


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