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アオハル of the Dead End! ~平凡女子高生、顔面チートで頭赤ちゃんな超雑男子とラブコメ(ほぼコメ)する~  作者: 節トキ
LESSON 17 体育祭でアオハルしよう!

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17-15 落書きの中に本物のモナリザが混じってる状態


「仲間外れにしたわけじゃなくて、明日香ちゃんはそういうのに興味なさそうだったから敢えて言わなかっただけだよ」


「今はすごくあるの! 柊さんと吉良さんにいろいろ借りて勉強中なの! 私、ヒロイン達を陰ながら支えて応援するモブ女子になりたいの!」



 城咲さんの主張を聞いて、私と茉絢は目を合わせて揃って溜息を吐いた。


 いや、あなた思いっ切りヒロイン枠でしょ……。

 確かに平凡女子ヒロインを応援する友達の中には、クラス一の美少女だとかモデルやってる可愛い子だとかってパターンもあるけど、あなたはそんなレベル突き抜けてんじゃん……。

 モブにしようとしても、あなただけ異様に作画に気合入りすぎてて、ストーリーが全く頭に入ってこなくなるわ……。


 以上を踏まえて、異世界悪役令嬢もののヒロインがピッタリだと思うんだよね……。



「えっと、つまり明日香ちゃんは八重樫の恋を応援したい、と」



 気圧されて、久月くんが顔を引き攣らせる。



「そういうこと! 最近、留佳と柊さんのサポートをうまくできてなくて、自分には何が足りないのかと悩んでいたのよね……考えた結果、やっぱり経験不足が原因なんじゃないかと思い至ったのよ。そんな時にちょうど良く、八重樫くんの話を聞いたの。八重樫くんの恋を成就させれば、私も自信に繋がるわ。八重樫くんも幸せになるし、いいこと尽くしでしょ?」



 ああ、八重樫くん、泣いてる……。


 本当にごめん、うっかり口を滑らせた私が悪かったよ……。でもまさか、こんなことになるなんて、想像もしてなかったんだよ……。



「那由多、ボタン押して。パフェ注文する」



 隣から有瀬くんがメニューを眺めながらのんびり言う。さすがKY代表。まぁ赤ちゃんには理解できなくても仕方ないかぁ。



「あー……今お取り込み中だから、少し待とうか」


「待つのか、面倒臭ぇな。おい八重樫、それ食わないのか? 食わないならもらう」



 八重樫くんの前で手付かずで置かれていたプリンに目を付けたようだ。



「誰がお前なんかにくれてやるか! しばくぞ、てめえ!?」



 泣きながら八重樫くんが吠える。



「キレられる意味がわからねぇ。てか八重樫、何で泣いてんだ? 泣くポイント、どこにあった?」



 めちゃあったよ。むしろ泣くポイントしかなかったよ……なんて有瀬くんに言っても通じないのはわかっていたので、ドリンクバーで取ってきたキャラメルラテにガムシロぶち込んで激甘にした飲み物を与えて、取り敢えず黙らせた。



「んー……そうだなぁ。八重樫は恥ずかしがって教えたくないみたいだから、知ってても言うわけにはいかないよ。代わりに明日香ちゃんには、ヒントあげるね」


「何よ、ケチね。いいわ、ヒントから当てるわよ」



 城咲さんの言葉を受けて、にっこりと久月くんが笑う。


 あ、これ悪いこと企んでる感じだ。



「じゃあヒントその一。八重樫の好きな人は、この場にいます」


「ちょちょちょお!? 久月ぃぃぃ!?」


「ええ……店の中、結構混み合ってるじゃない。範囲が広すぎるわ。そんなんじゃわかるわけないでしょ。もっと絞ってよ」



 茉絢と私は、また顔を見合わせて肩を落とした。

 これ、最終ヒントまでいってもわかんないんじゃない……?



「ヒントその二。その人は僕達と同じサラチュー出身の同級生です」


「久月ぃぃぃ! もうやめてぇぇぇ!?」


「私達の同級生? サラチューの子が今この店にいるの? ほとんど顔を覚えてないから、わからないわ……あの辺の女子高生達の中にいるのかしら?」



 やはり二つのヒントでもわからないらしい。


 茉絢と私は、揃って額を押さえた。

 有瀬くんはこの隙に、八重樫くんのプリンを奪って食べ始めた。



「ヒントその三。八重樫は中学の時から、ずっとその人のことを見ていました」


「いやぁ! もういやぁ! らめぇぇぇ! らめなのぉぉぉ!」


「ずっと見て……? あ、そういえば」



 城咲さんがはっとしたように口を押さえる。


 茉絢と私は、落とした肩を期待にぐっと上げた。

 有瀬くんは、食べ終えたプリンの器を何食わぬ顔で八重樫くんの元に戻した。



「言われてみると……中学の時、八重樫くんとやたら目が合った気がするわ……」



 城咲さんが記憶の糸を辿り始める。


 茉絢と私は、高まる期待に向かい合わせの席で手を握り合った。

 有瀬くんは、私のジャージのポケットに手を入れて青飴を取り出して食べ始めた。



「わ、わかったわ! 八重樫くんの好きな人!」



 城咲さんが声を上げる。


 茉絢と私は両手を固く握り合い、笑顔を浮かべた。

 有瀬くんは、私のジャージの反対側のポケットを漁り始めた。腕伸ばして頑張ってるけど、残念ながらそっちには何もないよ。



「八重樫くんは、留佳のことが好きだったのね! だからいつもそばにいた私とよく目が合ったんだわ!」



 城咲さんが高らかに答える。


 茉絢と私は、がっくりと項垂れた。

 有瀬くんは、ついに私のズボンのポケットにまで手を突っ込み始めた。いい加減にしとけよ、尻ポケットまで漁ったらさすがに殴るぞ。



「違ぇぇぇよ! 何で俺が有瀬を好きにならなきゃなんねぇんだよ!?」


「俺がどうかしたか?」



 ここで初めて有瀬くんは、サラチューグループの会話に参加した。


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