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アオハル of the Dead End! ~平凡女子高生、顔面チートで頭赤ちゃんな超雑男子とラブコメ(ほぼコメ)する~  作者: 節トキ
LESSON 17 体育祭でアオハルしよう!

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17-5 友達の友達と友達になる友達の輪


 絶望の大縄跳びの後は、昼休憩だ。


 ちょうど良かったよ……折れた心を癒やす時間がものすごくほしかったから。



「うわー、真央さんのお料理、どれもこれもすっごい美味しそー! こうやって色とりどりのおかずをレジャーシートに広げて食べるの、憧れだったんだー!」


「柊さんの主食も美味しそうよ。サンドイッチにロールパンサンド、どれも可愛いわ。並べたらさらに行楽感が増すわね。そうだ、写真撮りましょうよ。紅(こう)くんにも見せたいもの」


「明日香、勝手に食うなよ。那由多が作ったのは俺のだ」



 有瀬くんの言葉を無視して、私と城咲さんはお料理の撮影をした。

 まだ撮影中なのに食べようと有瀬くんが手を伸ばしてきたから、ぺしっと叩いてシャーッて歯を剥いて威嚇してやったよ。大縄跳びを台無しにしてくれた件を、まだ許してなかったし。


 でも、しゅんとして膝を抱えて座ってる姿が何か可哀想だったから、仕方なく許すことにした。ふん、次はないよ!


 我々は旧校舎の踊り場でも因縁の中庭でもなく、グラウンドの応援席の後ろでレジャーシートを広げてランチタイムを満喫している。

 グラウンドが自由解放されるなんて、貴重な機会だもん。乗っとかなきゃだよね。


 それにしても城咲さんの撮影、さすがだったな。

 より美味しそうに見える配置とか光の角度とか、被写体を最高の状態で写すテクを披露してくれたよ。やっぱり、長年の盗撮で鍛えた成果なのかなぁ。



「留佳、写真、ラインに送っといたわよ。万が一もしも気が向いたら、嫌で嫌で仕方ないけど八重樫(やえがし)くんにも送ってあげても良くもなくもないわよ」


「うん、後で見とく」



 お菓子と私の作ったサンドイッチを交互に食べながら、有瀬くんがやる気なく答える。


 城咲さんツンデレだなぁ……ストレートに自分から送ってあげたらいいのに。

 あと有瀬くん、たまごサンドの合間にチョコチップクッキー食べてたらサンドが負ける。

 ちょっとは素材本来の味を楽しんでくれないもんですかね? せっかく早起きして作ったんだからさー。



「それなら私、送っとこうか? バンコーも今は昼休みだと思うから、即返信来るんじゃない?」



 真央さん作の唐揚げを紙皿に取って言うと、二人は固まった。



「え、何? やっぱ八重樫くん、ハブなの? エーセンの烙印は生涯続く感じ? でも私、サラチューじゃないし仲良くしても問題ないかと」


「どうして那由多が八重樫の連絡先を知ってるんだ」


「そ、そうよ。紅くんはわかるけど、八重樫くんとは別に連絡先を交換する必要ないじゃない」



 有瀬くんも城咲さんも、揃って眉間に皺を寄せて凄んでくる。


 な、何か不穏な空気になってるけど、何で?

 私が八重樫くんと連絡先交換するのって、そんなにおかしいこと?


 うん、おかしくないよね。元は二人の友達だけど、今は私の友達でもあるもん。



「だって、八重樫くんとは友達だから。連絡先交換するのは普通でしょ?」


「はああ!? 二人して、私より先に友達になったっていうの!? あいつも柊さんも何を考えてるの!? 私を差し置いて友達になるって、何もかも間違ってるでしょ!?」



 城咲さんが胸元に掴み掛かって怒声を浴びせる。でもごめん……何で怒られてるのかさっぱりわからない。



「私は城咲さんのこと、八重樫くんに出会う前から友達だと思ってたよ? 確認はしなかったけど、わざわざそんなことしなくても通じ合ってるものだとばかり」


「それは俺が恋人になる前か? その後か?」



 ここで有瀬くんが、背後から襟首を掴んで問い質してきた。こちらも明らかにご機嫌斜めだ。


 うわぁ、全身から発する冷気の感じ、真央さんによく似てるなぁ……さすが親子だなぁ……ってのどかに遺伝子の不思議を考察してる場合じゃないって。


 冗談じゃないよ、また噛み付かれでもしたら今度こそ言い訳できなくなる!



「あ、後……だね。有瀬くんは口きくどころか顔見る前から勝手に恋人設定してきたし」


「ひどい! 私を蔑ろにして! あの時は私を友達として認めてくれていなかったのね!」



 今度は前方から非難の声が上がる。



「だーかーらー! 有瀬くんの顔すら見る前だったっつってんじゃん! その時はまだ城咲さんに出会ってもないんだよ!? 友達になりようがないでしょーが!」


「じゃあ八重樫が俺より先に那由多に恋人になれって言ったら、あっちと恋人になったってことか?」



 続いて後方のターンだ。


 ああもう、何なのこいつら!?

 どいつもこいつもそれぞれ好き勝手に意味不明なこと言うから、話がとっ散らかって収拾がつかないじゃないの!



「ならねーよ! なるわけないでしょ! 何でそうなるのよ!? 八重樫くんと恋人になるとか、想像するのもやめてほしいんだけど!? 大体、梨奈ちゃんがエーセンに告ること自体ありえないじゃん!」


「梨奈ちゃんって、もしかして佐川(さがわ)のこと!? ちょっと柊さん、あなたまさか佐川とも友達だっていうんじゃないでしょうね!?」



 はい、前方からの攻撃!



「同じクラスなんだから友達になったっていいでしょ!? 友達だからって、友達の友達を選ぶ権利はないの! でも選ぶ権利はなくても、友達の友達と友達になるのは自由なの! だから有瀬くん達の友達の八重樫くんと私が友達になったっていいの! それに私の友達の茉絢だって、城咲さんの友達なんだからね!? 嘘だと思うなら、今すぐ聞いてみてもいいよ!」


「権利はなくても自由はあると? はっ、言うじゃない! やれるもんならやってごらんなさいよ! 吉良(きら)さんに否定されたら、柊さんにはその場で全友達と縁切りして、私一人だけを友達にしてもらうわよ!」



 高速で茉絢にラインして、こっちは完全に防御できた。


 城咲さん、信じられない……って顔で呆然としてるよ。ちょっと頬赤らめてるから、友達が増えて嬉しいんだね。


 梨奈ちゃんの件もかなり無理矢理だったけど回避できたし、万事解決で何よりだ。


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