表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/111

第100話 馬場って何者?

記念すべき100話目ですが、特に何が起こる訳でもありません。

いつも通りの、こちらのお話を楽しんでいただけると嬉しいです!!!!!

「それで、どうして有希ちゃんが来海くるみに石を渡したのか、その辺りについて、あの人、何か言ってなかった?」

 ジョシュア君が真剣な表情で尋ねてきた。


「明確には言ってなかったけど、変な話だとは言ってたね。」


「そうだよね、やっぱり、変だよね。」

 そう言って、ジョシュア君が少し考え込むような表情をした。


「子どもに石を渡せなんて…そんなこと指示されたことないもんな。でも、自分以外で受けたものがいないとも限らないけど。」

 他の実行者がどんな指示を出されてるかなんて知らない。自分から人に話してはいけないし、聞き出すのもご法度。


「有希ちゃんは何って言ってたの?何か聞いたんだろう?」


「エデンの入口まで行って神使から指示を受けたとは言った。」


「エデンの入口?…メリンナ島のことだよね?それ以外は使われてないし、僕たちは立ち入れないはず。」


「普通ならば使わないけど、逆に誰も管理してないから、誰かが使おうと思ったら、結構簡単に使えるんじゃないの?」


「そうかもね…でも、有希ちゃんに具体的にどこで、誰に指示を受けたかなんて聞けないもんなあ。」


「…もし、聞いたら?」


「え?まだ聞く気?」


「他に確かめる方法がない場合は聞いてみようかなって。」


「止めてよ、もし有希ちゃんが答えたことが誰かに知れたら、有希ちゃんまで処罰されるかもしれない。有希ちゃん新人だから即刻辞めさせられる可能性だってあるし、そんなの可哀想だよ。」


「だから、他に方法がない場合って言ってるんだよ。」


 ヒオスはエシャ絡みの事になると少し非道になる節がある。有希ちゃんを、ジャスミンちゃんを巻き込んで欲しくない。


「駄目だよ。もし、お前が有希ちゃんに酷いことするようなことがあれば、僕は、お前の敵に回る。」


「やっぱり、有希ちゃんのこと好きなの?」


 面と向かって聞かれると恥ずかしい。


「…うん。」

 でも、素直に答えた。だって、彼女は可愛いし、本当はいい子だ。


「親友の好きな人に酷いことはできないからね…どうしたもんかね。」

 そう言うとジョシュア君は、頬杖を付いて考え込んだ。





「馬場って何者?」

 話題を変えて、とても気になっていたことを尋ねた。

 ほかの人には見えないユーリーが、馬場には見えている。


「わからない。どうしてあかりにはユーリーが見えるのか、本当に謎だよ。はじめのうちは僕たちの仲間かなとも思ったけど、そうじゃないらしい。」


「それも、あの人が言ってたの?」


「いや、それはヌアが言っていた。」


「へぇ…ヌアも馬場の事を知ってるんだ…」


 馬場ってすごいな、エデンで一目置かれた存在なのか…本当に何者だ?


「そうなんだよ。でさあ、彼女から見たら、ユーリーは神社にいる白いジャージを着たただの美青年だからね…あの見た目と、穏やかさだもん、まあ、好きになるのも分からなくもないけど…よりによって神使とは…」


「え?馬場ってユーリーが好きなの?…彼はどこかの神社にいるの?」


「うん、明はユーリーに夢中だよ。彼はうちの近所の八幡宮にいる、って言うか、そこでしか自分の姿に戻れないんだよ。あとは猫のギンちゃんの体を借りて生活してる。こないだ家に来た時にいたでしょう?立ち耳の可愛い白猫ちゃんが。」


「ああ…いた。ちょっと太めで目力強めの白い猫…あれがユーリー?…何だか感慨深いなあ。可愛いけど、なぜにあの猫?」


「ギンちゃんも穏やかだから、ユーリーと一緒にいてもストレスにならないんじゃないかな?だから、あの猫にしたのかも…よく、わかんないけど。」


 自分の意見言った後に、よくわかんないけどって…ヒオスの口癖だ。ああなごむ。


「明から聞いたんだけど、ユーリーが不思議なことを言ってたんだって。エデンでは死ぬことはないけど、突然いなくなることがあるって…」


「え?神使っていなくなることあるの?気づかなかったなあ…まあ、特定の誰かと懇意になることもなかったから、気づかなかったけど。」


「ユーリーは時々会うこともあったし、名前も知ってたけど、ほとんどの神使は名前も知らないし、顔も見分け付かないし、いなくなっても気づかないよなあ。」


 そう言って、ジョシュア君がメニューを眺めて、笑顔で一言。


「そろそろ、パエリア頼まない?」


 いいねえ、ご飯ものも食べたいと思ってたところ。僕たちは見た目も性格も違うけど、なんだか気が合うんだよなあ…



 ジョシュア君ことヒオスは、言い方は悪いけど地方出身の成り上がり系。見た目と努力と人懐っこさを武器に実行者になったタイプ。相当努力もしてきただろうけど、上から引き上げてもらえるタイプ。能力も経験もあり、なんでも卒なくこなせるバランス型。


 僕、丸茂 健二ことノヴァは、典型的なお坊ちゃま系。親の七光りとコネを武器に実行者になった。あの当時、実行者になるっていうのは物凄く誉なことだった。経験は長いけど、能力が高いわけでもなく、ただちょっと人よりも情報収集能力に長けているというか、勝手に情報が入ってくる体質らしく、それが重宝がられている。でも、一人で指示を受けるというよりは、誰かと組むことが多い。


 そして、来海ちゃんことエシャは…わがままお姫様の皮を被った猛獣。以前、黒い狂犬と陰口をたたいているのがばれたときは、烈火のごとくメッチャ怒られて土下座までさせられた…犬に失礼よとかいう理由で…。それからは猛獣と呼んでいる。こっちはそこまで怒らなかった。

 そして昔は本当にド猛獣だった、誰それ構わず何のためらいもなく心身共に滅多刺し、滅多切りにして…今では随分と落ち着いたけど、本当に昔は苦手だった。彼女は力が凄いから、当時は日常業務はさせられないけど、ここぞというときの最終兵器的な位置づけだったんだと思う。


 そして、ヒオスの凄いところはその猛獣を手なずけた、猛獣使いであると言う点である。


 猛獣単独の業務遂行はその後の被害がバカにならない。そこで、猛獣使いであるヒオスと組ませることで被害を最小限に抑え、彼女が伸び伸びと任務を全うできるようにした。最近は、そんな最終兵器が登場するような場面もそうそうないし、彼女もその辺はちゃんとわきまえているみたいで、有能で経験豊富なバランス型と言ってもいいかもしれない。これもヒオスの教育の賜物か?それとも、もともとその素質があったのか?


 まあ、そんなことはどうでもいいや。


 そして、山本 有希ちゃんことジャスミンちゃんは、転生二回目の新人さんで、あの性格だから、きっとプライドと向上心が高いデキル系だと思う…面倒ごとに巻き込まれなければいいのだが…


 そして、馬場 明…地球の普通の大学生。天然だけど、どこか鋭いところがあって、神使が見える。まったくもって、謎の存在。ただ一つ確かなことは、かなりの面食いだってこと。ユーリーなんて顔面偏差値二万越えの男に出会ってしまったことは、ある意味不運だ。見た目だけで言ったら、地球上の生き物であれを超える生き物なんて存在しない。


 そんなことを考えていたら、パエリアが届いた。


「もう一本ワイン頼まない?今度は白でいい?」

 ジョシュア君がそう尋ねてきた。


「ちょうど僕も、白が飲みたかったところ。」

 そう言って、グラスの赤ワインを飲みほした。





今回のお話はいかがでしたでしょうか?

感想や★などいただけると励みになります。

また、ブックマークもよろしかったらお願いします!!

毎週水曜、日曜の14:30更新中です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ