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雨の日の桜

あの後も郭汜は何度も俺に勝負を挑んできた。毎日毎日毎日・・・・正直言って彼女が勝負しに来るのが日常茶飯事になるくらいだ。

だが勝負の内容は『腕相撲』だとか『駆けっこ』、『馬術』と、かなり平和な戦い方だ。しかも彼女の得意とする剣術は一切出てこない。


「剣で戦はないのか?」


と聞いたこともあったが


「そんなもんやらなくても勝てる!」


と、粋がってそう言っていたのだが、結果は10試合中10連勝と俺が勝ち続けている。

まあ、馬術に関しては結構ぎりぎりで勝ったけど


それでも彼女はあきらめず俺に勝負を挑んでくる。そして負けるたんびに彼女の取り巻きたちはどんどん減っていった。

それでも彼女は俺に勝負を挑んでくる


いい加減に決着をつけたいと思っていた。だが、それは意外にも早く来ることになった

それはある激しい雨の日のことだ。俺は自室で書類仕事をし、隣では誠華も手伝ってくれていた


「すごい雨ですね」


「ああ、これじゃあ泥棒も外に出て悪さするのは無理だな」


「ですね。私だったら絶対に出ませんね。戦なら好都合ですが」


「ああ、雨に紛れて敵の本陣に奇襲攻撃ってか?まるで桶狭間の戦いだな」


「なんですかそれ?」


「ああ、俺がいた国で400年前。ちょうど俺の国中の武士…まあ武人たちが天下を取ろうと争っていた時代だな。その中で織田信長という俺の国で有名な武将がいたんだ。織田信長は当時は小さい領地の国主だったんだけどその時今川義元っていう当時、一番天下取りに近いと言われた強力な武将がいて、その今川義元が信長の領地を攻めてきたことがあったんだ」



俺の言葉に誠華は静かに耳を傾けていた。その顔は少しキラキラと嬉しそうな顔だった。前に誠華が俺に勝負を挑んで以来彼女は侍とかに興味を持っていたからな


「それで織田信長は夜遅く出陣した。密偵から今川義元の本隊を見つけてな。相手が4万5千に対し、織田の方はわずか5千人だ。そして織田軍は情報で得た今川本陣へたったの二千人で向かった。すると空が曇り大雨が降った。馬のかける音もかき消すぐらいの大雨だ。そして敵本陣にたどり着くと敵の本陣は数々の敵陣へ兵を送っていたため、いたのはたったの五千人だった。そして織田の兵はほかの兵に目もくれず今川義元の首めがけて突撃し、結果、今川義元は討ち死に。数で劣っていた織田軍の勝利に終わったという話だ」


「すごいですね。その織田信長という人は」


「まあな、結構有名な武将だからな」


と、そう言いながら俺と誠華は黙々と書類仕事をする


「それにしても…きょう。彼女は来るのかな?」


「え?」


「いいや、郭汜のことだよ。今日は来ないのかな?」


「こんな大雨です。さすがに来ないと思いますが、周りにいた連中もいなくなっていましたし・・・・・」


そう言い俺と誠華は窓を見てザンザン降ってくる雨を見て。今日は流石に彼女は来ないだろうと思っていた。だが・・・・


「勝負だっ!!」


バンッ!と力強くドアが開き、そこからびしょぬれ状態の郭汜が現れた


「・・・・来た」


「桜花。びしょ濡れじゃないか。この雨の中来たのか?」


「今日は・・・・お前だけなのか?」


「うるせぇー!こうなったらどうやってでもあんたに勝つぜ!」


「でも、この雨だぞ?今日はやめにしないか?」


俺はこの雨だと勝負は無理だから今日はやめにしないかと彼女に提案したのだが・・・・


「逃げるのかてめぇ?」


「ああ、わかったわかった。じゃあ、雨が上がったらでいいか?」


ヤンキー口調で睨む彼女に俺は雨が上がったら勝負すると言ったのだが、彼女は首を横に振り


「こんな雨大した事ねえぜ!勝負しろ!!」


と、そう言った瞬間、雷が鳴り、思わず俺も含め都市と郭汜も驚く


「雷も鳴ってきたな」


「だな。まあ今はこの天気だし、お前もずぶ濡れだから、少し休んでいけ。ああ、そうだちょうど昼飯の時間だから何か食おう」


「メシなんていらねっ!!」


と、そう言った瞬間彼女の腹から大きな音が鳴った。その音に隠しは顔を真っ赤にする


「ほら、腹は正直だ。勝負はこの雨とお前の腹がいっぱいになってからだ」


「うう・・・・わかった」


俺の言葉に彼女は頷き、俺は二人を連れて厨房へ行く。


「今日はそうだな・・・・あれを作るか」


「隊長。料理が作れるんですか?」


「一流とは言い難いが…まあそこそこな。誠華。彼女に毛布を用意してくれるか?このままずぶ濡れでは風邪をひく」


「了解しました」


そう言い、彼女は毛布を取りに行き、俺は鍋に水を入れ火にかける


「さて、この料理をおいしく作るには塩加減と火加減と時間が大事…ああ後ちょっとした愛情っかな」


と、俺は鼻歌交じりに料理を作る。そんな中、誠華が戻ってきて


「ほら、桜花。毛布持ってきたぞ。これで体を拭け」


「・・・・借りとく」


そう言い郭汜は誠華から毛布を受け取り。群れた顔や髪を拭く


「よし!出来たぞ!!」


そう言い俺は料理を彼女の前に置くと誠華と郭汜は不思議そうに首をかしげる


「隊長…なんですかこれ?見たところ麺料理みたいですけど…麵が赤いですよ」


「それにこれ、卵が乗ってるぜ?なんて料理だ?」


「ああ、これは鉄板ナポリタンだよ・・・・鉄板に乗ってないけど」


「「鉄板ナポリタン?」」


俺の言葉に二人は首をかしげる。そう俺が作ったのはこの時代にはない麵料理『ナポリタン』だ。パスタはイタリア生まれだが、このナポリタンは日本生まれのパスタ料理で俺が子供のころ茨城のとある港町の喫茶店で食べたスクランブルエッグの乗ったナポリタンがとても美味しく、それ以来俺はナポリタンやイタリア料理を作るのが趣味になっていた


「まあ、俺の国の料理かな?誠華の分もあるから食べて見なよ」


「あ、はい・・・」


「・・・・・」


そう言い二人は俺の作ったナポリタンを食べると


「「う、うまい!!」」


と、嬉しそうにそう言う


「隊長!おいしいです!」


「熱っ!?熱いけどうまいぜ!お代わりあるか!?」


「隊長。私もお願いします」


「ああ、あるぞ。ちょっと待ってろ」


そう言い俺は誠華と郭汜のさらに追加のナポリタンを盛ると二人は嬉しそうに食べ始める。いや~見事な食いっぷりでどうやら口にあってもらえたみたいで俺も少し嬉しかった。

すると・・・・


「あっ!・・・・・・もういいや」


「ん?何がもういいんだ?」


急にもういいと言い出した彼女に俺が訊くと


「なんか、勝負とかそう言うのがっすよ。なんか隊長さんの料理食べて考えるうちにどうでもよく感じちゃったんすよ」


「いや、別に迷惑じゃないんだが・・・・・じゃあ、これで俺の勝でいいんだな?」


「ああ、それでいいっす。あ~あ。手下は皆実家に帰っちゃたし、これで一からやり直しか~」


ああ、いないと思ったらみんな実家に帰ったのか


「じゃあさ。郭汜さん。もう一度、警邏隊に入らないか?」


「え?でも私は途中で抜けだしたんすよ?もどれるのか?」


と、そう言うと誠華が


「桜花・・・あなた。退職届出してなかったでしょ?そのため董卓様からは長期休暇の扱いだったのよ。それに今もあなたは長期休暇の扱いよ」


「でも誠華。私には牛泥棒の疑いがあるんだぜ?前科者の警邏隊士なんて嫌だろ?」


と、そう言うと、今度は俺が


「その件なら、あんたの無罪で解決しているぞ」


「え?どういうことっすか?」


「雪風に頼んで、例の事件一から調べ直したんだ。結構時間がかかったけどな。それで調べた結果。牛を盗まれた人物は本当は別のところから馬を盗んだ人物だということが判明で郭汜さん。。あなたはその被害者の盗まれた牛を取り返そうとしたということが分かったんだ。そしてその盗んだ犯人は、以前貴女がもめ事を起こした警邏隊士と武官の身内だとわかり、君はその二人にその盗んだ犯人に自首するように言ってくれと説得しに行って、結果二人はそれを無視し逆に隠蔽しようとしたのを君が止め、乱闘騒動になったということもわかった」


「そこまで調べたんすか?」


「まあ、調べたのは雪風だけどな。まあその後は俺が君の相手をしている間に牛泥棒の犯人は逮捕したよ。それに加担し隠ぺいしようとした二人組も近々、重い処分が下されるよ。よって月と詠には君は無実お咎めなしということになった」


「じゃあ・・・・・」


「ああ、警邏隊に戻ってきてくれないかな?君のことは斗志から聞いたけど。君のように責任感と正義感のある人にはぜひ警邏隊に戻ってきてほしんだよ」


「でも・・・いいんすか?私、隊長に喧嘩を売っていたんすよ」


と、彼女がそう言うのだが・・・・・


「え?あれ喧嘩売っていたの?」


「え?」


「いや~ちょっと年下の子が背伸びしてつかかってほほえましいな~ぐらいにしか思っていなかったんだけどな・・・・」


「隊長。それは少し違うような・・・・」


と、誠華が少し呆れてそう言うと彼は郭汜の肩をポンと叩き


「俺はたいして気にしてないしよ。ま、君が悪いと思っているし、俺も君に対し最初は不利な勝負をしちゃったし。ここはお互いさまでいいだろ」


と、ニコッと笑う彼に郭汜は


「(なんて 器のでっけえ人だ…!)」


と、彼の言葉に惚れる郭汜


「じゃあ、郭汜さん・・・・「桜花です!」・・・え?」


「桜花!桜の花とかいて桜花!私の真名です!どうか私のことを真名で読んでください!吹雪の兄貴!!・・・じゃなかった隊長!!」


と、まさにどこぞのヤンキーみたいに笑顔でそう言う郭汜こと桜花。


「分かった。これからもよろしく桜花」


「おうよ!」


と、返事をする


「よし!じゃあ、誠華。すまないけど俺は月と詠にこのこと報告するから、桜花の入隊手続きお願いできるか?」


「分かりました」


と、そう言うと


「あ、隊長。失礼ながらお願いがあるっす!」


「ん?なんだ?」


「最後に・・・・最期に勝負してほしいんです!」


「ん?構わないけど。勝負は何だ?」


と、吹雪は彼女にそう訊くと彼女は


「最後の勝負は武人としての勝負・・・・・剣術での勝負です!」






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