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記喪転我意 〜美織Side〜  break my memory  作者: Spumante Rock


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第5話  すれ違いの図書館

いつも読んでいただきありがとうございます。

谷本を電車で見かけた日から

何も変わらない日々が続いていた。


美織は小説ノートを開き、

文字を書いた…


《 忘れられない初恋… 》


美織にとって、忘れられない初恋とは

谷本の事だった。


でも、その恋を終わらせたのも

美織、本人だった。


高校3年の5月5日

美織は図書館に行っていた…

図書館前の駅を下車し、

谷本の元に向かおうとした時

美織は急に、罪悪感が意識の中に現れた。


努力している人の隣に、

立つ資格がないんじゃないかと…


寸君は一生懸命に生きている、

バレーボールも、絵画についても

他を圧倒する、実力を付けていた…


美術館で寸君の絵を見た時、

あまりにも自分との距離感を感じてしまい、

絵の前から動けなかった…


小学校の廊下に貼り出された絵はいつも素敵で、

大人びた構図やペンタッチが今でも忘れられない…


多分、小学4年の白紙から、

注目してきた私には、美術展の絵画はまさに手が届かない存在に思えた。


私は何も頑張っていない…

人を評価できる、人間では無いと…


図書館で寸君の近くまで行ったが、

声を掛けられなかった。


結局、寸君が帰宅するまで、

声を掛ける事ができず、

勝手に終止符を打っていた。


その日から、

寸君の名前は家でも出さなかった、

愛も母も、お父さんでさえ谷本君の名前を出さなかった…


それから

寸君からLINEが来る事もなく、

今に至っている。


わかっていた。

それでも、家族のぎこちない会話は、

誰が見ても明らかだった。


ひろえちゃんに言えた様に、

家族にも、

寸君の名前を出してみよう…。


美織が、晩御飯を食べている時

美織は唐突に名前を出してみた。


「来ないだ、電車で寸君を見かけたよ…」


愛と母は、

真剣な顔で、睨み合い…

少しの沈黙の後…


母がかろうじて返した。

「そう…良かったわね、元気だった?」


美織は小さく頷いて、

「身長が少し伸びているように見えたよ…」


母は

「そう…良かったわね…」

と、困ったように切り返した。


愛が感情なく、

「寸君、今何してるか知ってる?」


「えっ!?…知らないけど、」


愛は横目で、美織を見て

「七菱重工で働きながら、実業団バレーやってるんだって…」


美織は愛の情報網は、

戸陽高校デザイン課の荒木からだと、

すぐにわかった。


美織は少し嬉しそうに

「へーそうなんだ…」と、

嬉しそうに微笑んだが…


愛の顔は笑っていなかった。

美織はその反応を見て、

もう話すのを辞めた。、


静まり返る夕食時間、

しばらくして、

愛が口を開いた。

「私、お姉ちゃんに聞きたい事があるんだけど…」


「去年の5月5日どこで何してたの?」


あまりにも真剣な顔で、美織を見ているので、

美織も素直に答えた。

「図書館に行ってた…」


「それは寸君と、会ってお別れしたって事?」


美織は横に首を振った…

「会えなかった…」


「寸君が来なかったの?」


「寸君は来てた…私が話しかけられなかった…」


愛は美織を見て、

「私は美術館に行ってた…荒木さんと一緒に

一日中寸君の絵の前で待っていたの。」


「寸君も来ないし、お姉ちゃんも来なかった…

私達は、お姉ちゃんと寸君に元に戻って欲しい!」


涙目で言われて、美織も動揺してしまった。


「ありがとう愛…

私は勝手に壁を作って…

寸君を遠ざけてしまった。ごめんね…」


「寸君に連絡してくれる?」

愛が不安そうに訴える。


「今はちょっと待って…私…自信無いよ。」


「お姉ちゃんはもう、寸君の事好きじゃ無いの?」


「お姉ちゃんだけが、寸君を好きなんじゃ無いよ、

私だって好きだし、荒木さんだって、寸君の事が大好き…」


「荒木さんは卒業式の日」

「寸君に告白したらしいよ…」

また次回お会いしましょう。


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