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記喪転我意 〜美織Side〜  break my memory  作者: Spumante Rock


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第41話 技術継承

いつも読んでいただきありがとうございます。

「ごめんなさい、晩御飯までご馳走になってしまって…」


「いいのよ、たくさんで食べる方が美味しいでしょ…私はいつも一人だから…」

池田が少し寂しそうに言った。


「あかりさんと池田先生は…ご姉妹ですか?」

福原が聞くと、


「あら…そう見えるかしら…嬉しいわ」

池田が嬉しそうに呟いた。


「コチラの教室には、綺麗な方ばかりで

血縁関係なのかと…考えてしまいました。」


福原があまりに自然に言ったので、愛は何も感じていなかったが、

あかりが福原に、

「蒼太くんは愛ちゃんが好きなの?」


「ちょっと…あかりさん!」

愛が口を挟んだ。


「好きです…」


「え…」


「良いわね〜羨ましいわ」

池田が嬉しそうに笑っていた。


真っ赤になる愛を無視して…


池田が、

「それ…蒼太さんのスケッチブック?…」


「あぁ…はい、そうです。」


「あら、見たいわ〜」池田は目を輝かせた。


福原は

「もちろんです…光栄です。」

そう言って、スケッチブックを渡した。


「私も見たい…」そう言ってあかりが、

池田の後ろに立って覗き込んだ…


一瞬、池田の顔から笑顔が消えて

スケッチブックに見入った…


「上手いね〜」あかりが声を掛けると、


福原は「ありがとうございます。」

小さな声で、お礼を言った…


池田は笑顔に戻っていた。

「蒼太さん…どうやって絵を学んだのかしら?」


少し福原は不安そうに、

「ほとんど独学に近いと思います…

中学生になった時、近所の絵画教室に1年通いました…

でも、水彩や色鉛筆ばかりで…」


池田は笑顔で

「良く描けてるから…びっくりしてるの、

とくに、これ…今日描いたんでしょ?」

教室の絵を見せた。


「これ凄くない?何時間くらいで描いたのよ…」


「1時間くらいだと思います。」

池田は少し驚いて、

「凄い!私なら1日くらいかかりそうだけど…」


福原は少し苦笑いして、

「何度も描いた絵だったので…」


齋藤あかりが

「だって今日はじめて来たでしょ…」


愛は気が付いた…

「そうか…寸くんの絵を模写してたの?」


福原は頷いた

「中学、高校と多分100枚以上模写したんですが…

やっぱり全然良く見えなくて…」


池田は微笑んで

「ホント凄い子ね…この絵、谷本くんや元彌が描いたんじゃないかって思った…しかも独学なんて…凄い才能。」


「谷本くんとの違いは、線の固さかな?」


福原は聞き返した。

「線の固さですか?…」


「そう…模写はね他人の線を真似るから、どうしても固くなるの…」


「どうすれば良いですか?」


「スケッチブックを見ると、風景画が多いけど人物画が無いわよね、」


「はい、モデルしてくれるような人がいなくて…」


愛が急に

「そう言えば、寸くんも高校時代に人物クロッキーばかり描いてましたよね…」


「そうね、谷本くんも模写ばかりだったから、平行して人物クロッキーは描かせてた…だから人物クロッキーは抵抗なく出来てたみたいね…」


「谷本さんもそんなに人物描いてたんですか?」


齋藤あかりが頷いて、

「私は谷本と同じ戸陽高校のデザイン科で同級生だから分かるんだけど…谷本は人物クロッキーめちゃくちゃ上手かったよ、1年の時からもうレベルが違った…」


池田が嬉しそうに

「そりぁ中学時代に私が叩き込んだもん…

そこら辺の画家より上手いよ…」

と、自慢げだった。


福原は頭を下げて

「池田先生!僕も弟子にして下さい!!」


愛が、

なんかそうなる気がしてたけど…


こうも予想通りだと、なんだか笑える…



〜翌日、愛の通う芸大で


福原はいつものスケッチブックを持って、

絵を描いていた…

「ちょっと蒼太…スケッチブック見せなさい。」


愛がスケッチブックを取り上げると、

ほぼ1冊…愛だらけだった。


「蒼太…極端なんだよ…確かに私は良く寸くん

の人物クロッキーのモデルやったけど…」


「そうだよね…でも、伊東さんしか友達いなくて…」


「だろうね…その人見知りと消極的見てたらわかるよ…」


「谷本さんはどうやってたんだろ…」


「よくスタバのテラスに座って、歩いてる人を描いてたかな…」


「そんな事していいの?」


「もちろんバレないようにやるんだよ…」


「あと…一緒に水族館に行って…魚や白熊なんかも沢山描いてもらったな〜」


「伊東さん一緒に、水族館行こうよ…」


「蒼太…こないだ、絵画教室で私の事が好きって言ったよね…あれはどうゆう意味?」


「そのままだよ、僕は伊東さんが好きです。今まで会った誰よりも大好き。」


「蒼太!そんな事言って、水族館行こうとか言ったら…私勘違いしちゃうよ。」


「勘違いじゃないよ、僕はデートのつもりで誘ってるんだ…」


「え…」

愛は予想してなかった…

子分のつもりだったのに…


ドキドキする自分が中々受け入れられない…


「水族館…行こっか…」

愛はそう答えるのが、精一杯だった。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

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