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記喪転我意 〜美織Side〜  break my memory  作者: Spumante Rock


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第34話  愛の告白

いつも読んでいただきありがとうございます。


「愛ちゃん、どうしたの?」


谷本が優しく問いかけた…


荒木が

「愛ちゃん、少し落ち着く為に外の空気吸いに行こうか…?」


「えっ?…あっ…はい、」


「すぐに戻るから、2人で飲んでて…」

そう言って、愛を連れて店の外に出て行った。


「愛ちゃんどうしたんだろう」

若林が谷本に問いかけるが…


谷本は何も言わなかった。


店の外で、

「愛ちゃん…大丈夫?」


「なんだか急に、羨ましくなっちゃいました…」


荒木が、

「我慢しなくても良いと思うけど、」


「え?…」


荒木は少し微笑んで…

「私達、恋敵同盟だったでしょ…だから、

わかるの…愛ちゃんもちゃんと谷本に告白した方が良い!」


荒木は愛の肩を抱いて

「告白は成功だけが、利益じゃないから…」


「なんですか…それ…」

と、愛は笑った。


「今日…谷本だけを誘ったのは、

愛ちゃんの為だから…」


荒木は、愛の目を見て…

「私は、美織さんの事を応援してる…

でも、それは愛ちゃんのお姉さんだから、

私は、愛ちゃんの圧倒的な味方だから…」


「私…どうしたら…」

愛が泣きそうな顔で荒木を見る。


荒木は

「今日はお姉さんのことは、忘れて、

ちゃんと話しをしなさい。」


「さあ、戻るよ。」


「ハイ!」


席に戻ると、谷本と若林は楽しそうに話していた…

「愛ちゃん、大丈夫だった?」


若林が聞くと、愛は小さく頷き

谷本の横に座った。


「おかえり愛ちゃん」と、谷本が言うと、

「ただいま」愛は谷本にくっついて座った。


谷本は〝近い”と、思いながら、

愛の身体を支えるように座った。


それから、谷本の記憶について話しを聞いたり、

絵のコンクールやバレーボールの話しで盛り上がった。


荒木が、

「そろそろ帰ろうか…愛ちゃんは未成年だから、

谷本が送って行ってね。」


谷本は

「もちろんだよ、任せて。」


荒木は帰り際、愛を抱きしめて、

「また、明日ね…待ってるから。」


荒木と若林は、もう一件行くらしく

そこで別れた。


家まで帰る電車の中、

谷本と並んで座る…


谷本が、

「なんだか懐かしいよ、

愛ちゃんと並んで座って電車に乗るの…」


愛は谷本の顔をチラッと見て、

「私が小学6年の時、水族館や図書館に行ったよね…

お姉ちゃんの文化祭とか…」


「そうそう…懐かしいな…」


「私あの頃から、身長が10cm以上伸びたんだよ。」


「実はね…」

谷本がカバンの中のファスナーのスライダーに付いているキーホルダーを見せた。


「あっ…それ…」

「ずーっと持っていたんだ、春高バレーで代々木体育館に行った時も、

全日本の遠征でイタリアに行った時も…ずっと一緒だった。」


「愛ちゃんのおかげだよ…、

6年前…図書館で美織に会えなかった時…」


「僕の中で、小さな絶望感が膨らみはじめて…怖くなった…」


「そんな時…このキーホルダーを握り締めて、

歩いて帰った、そしたら〝またね…”って声が聞こえてくる…」


「そうだ…、あの日、言えなかった言葉だ…」


愛がゆっくり立ち上がった…

「次だよ…」


「寸くん、あの日って…お姉ちゃんの文化祭の帰りの電車から家までの…

あの時の事を言ってるんでしょ…あの暗い感情は…

小学生だった私にはキツかったな〜」


二人は電車を降りて、家まで歩く、

「寸くん、昔みたいに手を繋いでよ!」

と、愛は谷本の手を握った。


谷本はそれを拒まなかった。


昔、一緒に歩いた川沿いの道は、

夜でも車が沢山走っている。


「この川沿いの道は、随分と綺麗になったよね。」

と、谷本が言うと…


「綺麗になったのは道だけ?」

愛は谷本に問いかけた。


谷本は、愛を見てハッとした…

「愛ちゃんも綺麗になったね。」


愛は少し赤くなった…

「寸くん…わかってると思うけど…

私、ずっと前から寸くんの事が大好き。」


谷本は愛の顔を見て、

「僕も愛ちゃんの事が、大好きだよ…」


「でもね…お姉ちゃんのことが好きなんだ…」


「それはね…1番とか2番って言う意味じゃない。

僕は愛ちゃんの事は、死ぬまで大好きでいたい。

毎日『またね』って言える関係でいたいから…」


「愛ちゃん…ありがとう

ホントに嬉しいよ。」


「寸くん、ズルいよね…

私は小学生の頃から、ずっと我慢して諦めてきた…

お姉ちゃんの為に頑張ってきたけど…

さっき、居酒屋で隣りに座った時に、

昔の感情がわがままに湧き上がって…

どうしようもなかった…」


「私だってわかるよ…もう無理だって…」


「寸くんごめんね…昔からめんどくさい女で…」


谷本は首を横に振った

「全然。」


家に着いた。

「上がってく?」と、愛が言うと


谷本は

「いや、今日は帰るよ…遅いし」


「そう…今日はご馳走様!」

谷本が手を振って

「愛ちゃん、またね。」そう言って帰って行った。


愛は大きく息を吐いて、

「またね…か、…最強かよ。」

また次回も読んでいただけると嬉しいです。

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