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記喪転我意 〜美織Side〜  break my memory  作者: Spumante Rock


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第26話  美織にしか出来ない事

いつも読んでいただきありがとうございます。

永野と齋藤の結婚式の翌週

「お姉ちゃん、いる?」と、

愛が美織の部屋をノックして来た。


「どうしたの?休日のこんな早い時間に…」

愛の後ろに、荒木の姿が見えた。


「荒木さん…」


「早い時間にごめんなさい…どうしても話したい事があって…」


「どうぞ…入って」

美織は荒木と愛を部屋に招き入れた。


「美織さん、早い時間にごめんなさい…

お店を、人に任せて来ててこの時間しか動けなかったの…」


「全然大丈夫、気にしないで…

荒木さん、私の方こそ…ごめんなさい…」


「美織さん、私はもう谷本の事は忘れて、

次の恋に向かっているので、安心して…昔の事を蒸し返すつもりは無いから…」


美織は少し気まずそうに

「ごめんなさい…」


荒木は小さく頷いて

「本題に入るからね…今更なんだけど、

谷本の記憶について話したくて…」


「寸くんの?…」


「5年前に、齋藤さんの絵画教室に一緒に行ったよね?覚えてる…?」


「ハイ、もちろん。」


「もう、今が幸せで…記憶の事はもういい…

のなら今日はこのまま帰るけど…

ただ、私が誰かに話したくて…」


美織はニッコリ笑って…

「聞きたい!」と、荒木に言った。


「なんだか、久しぶり…だよね…この感じ、

じゃあ…話すね…」と、荒木がにんまり笑った。


「先週のあかりさんと永野くんの結婚式に参加して、

あかりさんの両親への手紙…聞いててさ…」


「お母さんへの、反発心が母を遠ざけたって…

話し聞いたでしょ…」


美織は小さく頷いた…

「それが、谷本から事故の後に…まだ意識があって、

『あかり』って、自分の名前を読んでくれたって聞いて、

母への思い出を鮮明に蘇ったって話し…」


「あったね…その話し…」


「普通さ、嫌な事を忘れたいと思うよね…」


「そうだね…」


「そうしたらさ…谷本が覚えてた3人

罪悪感がトリガーって変じゃない?」


「えっ!」美織は少しキョトンとした。


荒木は少し誇らしい表情で、

「私の推測は、忘れた人達に共通のトリガーがあった…

それは忘れたい嫌な気持ち…」


「まずは齋藤さんのお母さんやあかりさんを忘れたのは、

事故前のあかりさんとのトラブルや事故事態忘れたいって事なんじゃないかな…

それがトリガー」


「池田先生は、告白した事は間違いないわけだから…

恋愛感情からくる失恋がトリガー」


「そして同級生達…これは小学4年の時、

谷本が東堂美津子さんを怪我させた事で、

周囲から孤立したでしょ…その誰からも避けられている状況で、

勝手に同級生全員に後ろめたさを感じたんじゃないかな…

その排除感が記憶から消えたトリガー」


「そこで、記憶に残った3人は、

藤田さんは自分に恋心を持ってくれた記憶。」


「美織さんは唯一、孤立していた時期に話しかけてくれた人と言う記憶」


「東堂さんは、被害者で自分を避けたメンバーだと認識しなかったんじゃ無いかな?…」


「…確かに… 凄〜い!荒木さん、

それなら辻褄が合ってますね…

5年前の仮説よりも、しっくり着ます。」


「それで…5年前の美織さんの事故で

一部の記憶を思い出した…

谷本は、タクシーの中で…

美織さんの無事を祈っていたはずなんだ…

絶対に…」


「車に乗って事故に遭った…

同じような境遇で無事を祈った時…

事故の記憶が戻った…」


「かなり良い線を、掴んでると思わない?」

愛と美織は、大きく首を縦に振った。


愛が

「お姉ちゃんが、記憶に残っていたのは、

お姉ちゃんが昔、寸くんに声を掛けたから。」


荒木は頷いた。

「きっと、そうだと思う!」


「…で、今からどうすれば良いの?」

美織が呟くと、


「似たような境遇だから…」


荒木が言った。

「谷本と一緒に、絵を描きに行くってのは…

どうかな…小学4年の白紙で提出した時に、

声を掛けた状況を作りたい…

それは、当事者である美織さんしか出来ない…

それで、昔見たいに谷本に聞いてみてよ、

『谷本くん描けた?』って…」


「そんな簡単に、記憶が戻るとは思わないんだけど…

やってみる価値はあるんじゃないかな?」


愛が付け加えた…

「あと、多分…不安や何かの感情が必要なんじゃないかな…」


美織が自信ありそうに、

「任せて、寸くんの性格よく知ってるから」

そう言って、笑った。

今日も読んでいただきありがとうございました。

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