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記喪転我意 〜美織Side〜  break my memory  作者: Spumante Rock


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第2話  友達の作り方

いつも読んでいただきありがとうございます。


大学の教室に座り、講義が始まるまで

本でも読んで待とうと、カバンから本を取り出した。


「あの、隣り座って良いですか?」


美織が顔を上げると、

はじめて見る女の子が立っていた。


美織は

「どうぞ…」と、首を傾げた…

沢山席が空いてるのに…?


女の子は隣りに座ると

「私 清水しみず 広恵ひろえって言います。」


「あ…私、伊東 美織って言います」


「美織ちゃん…かわいい名前だね、

私は、ひろえって呼んでね!」


そう言って微笑んだ。

「うん。」そう言って頷いた。


「あ〜…急に話し掛けてごめんね、

それが目に入ってしまって…」と、

美織の読んでいた本を指差した。


「あっこれ!」


ひろえはカバンから本を出して

ブックカバーを外して見せた。


司馬遼太郎の〝燃えよ剣“…


美織は一瞬、「嘘!一緒!?」と、

喜びを隠せなかった…


ひろえはニッコリして

「なかなかいないから…

女の子でカバーも付けず司馬遼太郎 

読んでる子なんて、

すぐに声掛けちゃったよ…嬉しすぎる。」


美織も急に、ひろえとの距離が縮まった感覚になり、

「ひろえちゃんも、司馬遼太郎好きなの?」


「うん!大好きだよ〜」 



2日目の授業も終わり


帰りの電車の中で、

生田由依にLINEを送った。


[由依が初めて声掛けてくれた時の事を覚えてる?]


由依からすぐに返信があった、

[竜馬がゆく]


美織が、クスリと笑った。

ホントあの時と同じ…


美織が思い出したのは、

高校の入学式から1ヶ月が経った頃

初めて学校に行った…記憶。


中学の卒業式に事件に巻き込まれ、

ショックで情緒不安定になってしまい、

引きこもりの様な状況になっていた。


ゴールデンウィークが過ぎて、

初めて高校に行った、転校生のように

前で挨拶して、席に着いた時。


前の席に座っていたのが、

生田由依いくた ゆいだった。


昼休み美織は、

購買でパンを買い

ピロティ横の階段に座ってパンを

食べながら本を読んでいた。


階段横から急に声を掛けられた。

「人の世に道は一つということはない。」

美織は驚いて振り向いた。


「えっ…?」


前の席のかわいい女の子だ

「竜馬がゆく 好きなの?私も好き!」


「席で待ってたんだよ、一緒にお昼食べようと思って

…私は生田由依、宜しくね!」


「あ…伊東美織です」


由依はニコりと笑い、

「隣りで食べてもいい?」


そう言って、隣りに座った。

「あっ、さっきの竜馬がゆくのセリフだよね?」


「そうそう、私も好きなの司馬遼太郎、

人と同じや長いモノに巻かれる…

みたいなのは嫌いなんだよねー」


咄嗟に美織は

「それわかる!!」


由依はとても優しくて、高校生活に馴染むまで時間は掛からなかった。


その時、通知音が鳴った!

1件のLINEを着信…


LINEはひろえからだった。


[ひろえです!今日はありがとうネ

美織ちゃん、私と友達になってね。]


美織は微笑んでLINEを返した。


「もちろん!ありがとう」


美織はゆっくり車窓を眺めた…


今日も2区ほど、駅を乗り過ごしていた…


美織はゆっくり立ち上がり

次の駅で下車して反対側の電車を待った。


待ってる間に、

LINEを1件送信した。

[由依、新しい友達ができたよ]

2話 完


また次回、お会いしましょう。

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