第19話 告白の真実(後編)
いつも読んでいただきありがとうございます。
「先生!私お茶入れます。」
齋藤が立ち上がり、席を外した。
「ごめんなさいね…あかりさん
話しが長くなってしまって…私も手伝うわ」
池田も齋藤とリビングを出て行ってしまった。
ひろえが美織を見つめて…
「何か…思ってた感じと違ってて…
私…ついて行けてなかったかも…」
美織も少し寂しそうな顔をして、
「今…話しが切れて良かった…
正直情報量がパンクしてるかも…」
「谷本くんと先生の関係は、
もの凄くよくわかったんだけど…まだ、何かあるの?…」
ひろえがソワソワしてて…その落ち着きの無さが、
美織にも伝染し始めた頃
齋藤あかりと池田先生が、
珈琲を入れて入って来た…
「ごめんなさいね…
何だか自分の話しになってしまって、」
そう言って、池田は
珈琲を2人の前に置いた。
齋藤は、黙ってお茶菓子にと
バームクーヘンを机に並べた。
「ありがとうございます。」
二人は一口珈琲をすすり、池田を見ていた。
池田は少し落ち着いたようだった
「えっと〜、話しの続き聞きたい?…」
美織とひろえは少しびっくりして。
「聞きたいです…これで終わったら
眠れなくなりそう…」
と、話の続きを聞かせて欲しいと懇願した。
池田は少し微笑んで、
「そう…じゃあ…」
「まずは、谷本くんが送ってくれるようになったって、
さっきは言ったけど、実際は2〜3度駅まで送ってくれた…」
「その後は、私が他の男性教員と帰るようになったから…」
「えっ…」意外…と、美織は思った。
「それは、お付き合いをはじめたって事ですか?」
池田はニコっと笑い
「そうね…ダミーってやつかな。」
「生徒に送ってもらうなんて、健全とは言えないからね…
その先生にも事情を説明してお願いしたの。」
「でもね…それが裏目に出てしまった…」
「どうゆう意味ですか…」
「私が一緒に帰っていた先生と噂が、
学校に広まってしまったの…」
美織が
「国枝先生…ですよね…」
池田が落ち着いて、
「私は全然気にしなかったんですけど…
学校内が少し騒がしくなってしまって。」
「ほら…学校って閉鎖社会でしょ…
だから、噂に群がりやすいのよね…」
「確かに…私…思い出しました。
その時の事…先生その後、しばらく学校に来なくなりましたよね…」
「よく覚えてるわね、美織さん…」
「それにも、理由があるんだけど、
それは少し後で話すわ、」
「そんな噂は、谷本くんに余計な気を使わせてしまう事になって、
ちょっと谷本くんを事件に巻き込んでしまったの…」
「丁度その頃…DVシェルターの保護プログラムで、
違う街に移動する話しが提案され、私もそのつもりで考えていた。…」
「その問題の彼…籠原元彌が、
同じ街に居るかもしれない…そう思うと他の街に引っ越す事が適当だと…」
「でも、それが必要無くなった…」
「噂になった事で、学校側から国枝先生と距離を取る様に注意が入って、
結局1人で帰るしかなくなった…そんなある日、
谷本くんと偶然帰り時間が鉢合わせてしまった。」
「その日に限って、朝出かける時に私の家のポストに、
籠原からの手紙が入っていて、警察に連絡したの…」
「家がバレてるって怖くて…その事をうっかり、谷本くんに口を滑らして
しまって…ホントに馬鹿だった…」
「谷本くんは、その日…ウチのマンションまで送ってくれたんだけど…
マンションのドアの前で妙な違和感があって、
鍵を差し込むと…鍵が空いてたの…」
「怖くなって、直ぐに警察に通報した。」
「谷本くんを巻き込むわけにはいかないから、
警察が来る前に帰るように促して、
1Fのエントランスで警察を待った…」
「それほど時間は経っていないと思う…
警察が来て部屋に入ると…」
「嫌な予感は的中した。…」
「扉を開けて中に入ると、中に籠原元彌がいたわ…」
「…自殺していたの…」
「谷本くんは部屋には入れてなかったから、
籠原の遺体は見て無い、警察が来ていろいろ聞かれて…
私も精神的に参ってしまって…」
「その日からしばらく、DVシェルターに泊まった…
もちろん学校にも行けなかった…」
「それが、休んだ理由…」
「その後、谷本くんに余計な心配を掛けてないか不安になって連絡して、
近くのレストランで事件の詳細を、説明できる範囲で伝えた。」
「でもそれは、谷本くんの為では無く、
私自身を正当化したかっただけ…」
「今の谷本くんには、私の記憶も籠原の事件の記憶も何も無かった…」
美織とひろえ、あかりも完全に言葉を失っていた…
そして核心に触れた…
「その日よ、谷本くんに告白されたのは…」
今回のストーリーはいかがでしたか?
池田先生の距離感に注意して書きました…
やさしさ、とは?どんな人間関係なんでしょうね、
これからのストーリー展開もご期待ください。
また次回読んでいただけると嬉しいです。




