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第43話 奇襲

インダス帝国軍 将軍リービッヒ・ランジェス

────────────────────────

私は今回のホワイト帝国の侵攻を阻止するための作戦を現場指揮官の任を与えられていた。


ここを突破されればおそらく敵を帝都で迎え撃つほか無くなる。


なんとしてでもこの場で敵を食い止めなくてはならない。


「将軍。ダウダ領が敵の手に落ちました。ダウダ伯爵は敵将との一騎討ちで戦死したとの事です。」


「そうか。いよいよで有るな。」


ダウダ伯爵家は代々優秀な騎士を排出し、今の当主もこの国でも上位の実力を持つ男だった。


私も何度か彼と戦場を共にしたことも有るが、その実力は相当なものだった。


その彼を一騎討ちで打ち負かした者が敵将をしているとは。


この戦場には帝国軍の全軍が揃っているが、この世界では1人の英雄で戦況が大きく変わる事もある。


「浮かない顔ですな、将軍殿。」


そう声をかけてきたのは帝国騎士団に所属する騎士の1人だ。


と言ってもこいつは戦う為にここに来たのでは無い。


いわゆる督戦隊としてここに来ている。


こいつの剣が向けられているのは敵では無く私たちなのだ。


「厳しい戦いになりそうだと思いましてね。もしよろしけれあなた方も兵士として作戦に加わってくれませんかな。」


「ご冗談を。我々は我々の任務を遂行するまでです。」


いけ好かない奴らだ。


私は苛立ちと不安に包まれながら一夜を過ごした。


翌朝、まだ日も昇っていないような時間だが、私は目覚めた。


いや、起こされたと言った方が正しいだろうか。


「どうなっているッ!何が起きたのだッ!」


「それが、先程突如敵が現れたのです。正面に配置していた訓練兵と予備役で構成された囮は敵の最初の攻撃で半壊。また敵が来た方向にも問題が。」


「囮が半壊状態だとッ!それに敵が来た方向に問題とはどういうことだッ!」


「そ、それが、敵は3手に別れてきたのですが、いとつは前方から、そして残りは第4師団と第5師団が潜んでいるはずの左右の山「なんだとッ!」か」


私は報告をしている途中であった部下の胸ぐらを思わず掴んでしまった。


信じられない。


もし報告が正しいのならば第4師団と第5師団の生存は絶望的だ。


それに敵が突然現れたとはどういう事だ。


そう思いっていた時私がいたテントの中に何が投げ込まれた。


それは先程まで報告していた部下に直撃していた。


見れば首が明後日の方を向いている。


そしてその何かはよく見れば見覚えのある顔だった。


督戦隊として派遣された帝国騎士団の騎士である。


昨日と違う点があるとすればその顔が恐怖に歪んでいることと、下半身が無いことだろう。


私は腰に差していた剣を抜き、飛んできた方を見た。



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