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奴隷から始まる異世界旅行記  作者: 三之山勝
《 第3章 平穏な日常に飽きてくる年季奴隷 》
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<3-13> 「読書する年季奴隷  (前編)」

最新の本文修正日は2014年12月17日です。

 向うでは女性に翻弄される事など皆無であった俺ですが、まさか異世界で女性に翻弄されるとは思ってもいなかった。


 新たにジョルジョネ大尉の奴隷旅団所属中隊に配属された三人の女性中尉は俺が他の貴族に会って不都合な事をされるのを防ぐという名目で配属されたようです。


 不都合にも色々あるようで、俺と親戚になるように嫁を勧めたり賄賂や過大な贈り物を防ぐ目的と言っていた。まあ、確かに贈り物を貰って悪い気はしないのだがさすがに嫁となると困ってしまうよね?


 普通ならハーレムを思い浮かべて、ドンっと来い状態だと思う。しかし、現実の俺は年季奴隷、そんな自由がある訳も無かった。そんな訳で甘んじて彼女達の監視を受けるしかない俺であった。






 プイホンさんの答案を添削して花丸をつけた後にさりげなく彼の頭を撫でながら、これから俺を見物に来るという貴族がどんな奴なのかと考える。まあ、考えた所で答えは出ない事は分っているのだが‥‥‥。多分彼女らと大した代わり映えの無い人達だよね?


 プイホンさんの横顔を見ていたらそんな奴等の事などどうでもよくなる。ふと、この前の馬車村で買った本の事を思い出して魔技箱から本を出してどれから読むか考える。


 「奴隷王物語」と「アラレスティ王国建国正史」は何となくお堅い感じなので「大陸回廊消失事件」にする。中身を開くとトリが羽ばたく感じのアラレスティ大陸の見た目左側の翼の半島が書いてあり、かつてはその上にある暗黒大陸から飛び出た半島へと繫がる回廊のような細長い廊下状の大陸が描かれている。


 幅は100kmぐらいで長さは約1000kmほどの大きさであろうか。そのぐらいの回廊が点線で描かれている挿絵が描いてあった。(本文下段に概略地図を乗せました)



 俺は何気なくその本を読み始める‥‥‥。王国歴399年ごろの話らしい。すると、今は1548年。今から1149年前の話か‥‥‥。






☆  ☆  ☆






 アラレスティ王国歴399年、アラレスティ王国は順調にこの新大陸の開拓を進めることが出来ていた。



 この頃、若干北に有ったゴルムディアという都市の前身の開拓村は順調にその周辺に同じような開拓村を作る事が出来たようである。


 50年程経つと人口も順調に増えていき、派遣された開拓団騎士に代わって王都からこの地を治める為にゴルムディア伯爵がこの地に封ぜられて領主となる。


 その際、開拓団騎士は伯爵の配下に吸収される。いよいよ、新たな開拓団を編成して、また新たな土地を求めて進める時が来た様だ。


 物資や人、それに奴隷などが東方から集まってくる。商人は金の匂いを嗅ぎつけて、創世大陸からやってきた人々は新たに開拓した土地が自分の物になると信じてやってきた者も居る。


 その中には開拓団の傭兵などを請け負う無宿者もいる。様々な人々が東から西へと流れていくようだが、実際にはアラレスティ大陸全土を目指していた。




 アラレスティ大陸全土を目指していた者の中で、ゴルムディア伯爵領に向う集団に所属する我輩は王都で、そのゴルムディア伯爵家書記官補佐として雇われていた。そう我こそはゴルバンティス、ここから起こった事を後世の諸兄の為にここに書き残す。



 その村に至るまでには王都から1年余りの旅の道のりを有する事になる。旅の途中は山の様に大きな獣が現れたり、不思議な生き物等。どれも創世大陸ではお目にかかれるものではなかった。


 幼き頃から文字を覚え、創世大陸での戦乱に嫌気を差した我輩はこの新天地にやって来て職を探していた。この地で一番大きなアラレスティ王国に来れば職にありつけるかと考えていたからだ。


 案の定、これから領地に赴任するゴルムディア伯爵家の書記官募集を聞きつけ何十倍の倍率の難関を突破するはずであったが、実際は西の地の果てへ行く旅になる為に我輩の他には競合する相手はいなかった。直ぐに契約する書類に記入すると書記官補佐の肩書きと年アラレスティ王国金貨2枚という報酬で死ぬまでその地で仕事を全うしなければならなくなってしまう。




 この頃、我輩がこの開拓村に到着した当時は貿易都市ゴルムディアの前身で小さな名も無き開拓村であった。その後、小さな開拓村は順調に大きくなって行き、我輩は日々それを書き記す作業に没頭する。部下も出来て15でこの大陸にやってきてから20年の月日が経っていたある日の出来事である。



 この時、王国歴475年。順調に育った開拓村に新たな開拓団を形成する余裕が生まれ初め、物や人が集まりだす。それと同時にその場所から北進する開拓団と南進する開拓団の拠点として伯爵家の目標はこの地を北進と南進の重要拠点にして発展させる事になる。海上からの輸送は古から不可能であった為、物資の集積は周辺開拓村からの租税からで成り立っていた。



 人に関しては創世大陸からの避難民や無宿者が仕事を求めて多数渡ってきていたので事欠く事は無い。奴隷も順調に集まっており、荷物を運ぶ人員もある程度確保できていた。


 主に獣人(けものびとであるが隷属の首輪のお陰で抵抗する者はいなかった。これはアラレスティ王国が建国した当初から作られたものである。一部こんなものが無くても隷属する種族がいたが叛乱を恐れた各領主によって当時も脈々と使われていた。



 その頃から領主様が開く会議には、配下の者と開拓団の長が集まり南進するべきか北進するべきか議論する事度々あり、その度に意見が真っ二つに分かれて領主であるゴルムディア家の当主ガルムソン様はいい加減嫌気を差していたようだ。


 我輩も会議に参加して双方の意見を聞くが、どちらの意見も納得する意見であってどちらが正しいとは判断がつかなかった。


 北進派を糾弾する南進派の理由が現地先住民の禁忌の地への侵略は災いを招くという話を根拠としたもので、あろうことか隷属の首輪をした獣人共まで恐れをなして首輪に対して必死に抵抗してしまう。そういう事なので獣人の奴隷無しになってしまうという話である。


 一方南進派を糾弾する北進派は海岸沿いに大陸を開拓するのは理にかなっていて、向うの大陸に新天地が待っている。それに、もしかしたら創世大陸と繫がっていて創世大陸側から他の国が攻めてくる可能性が在ると強固に主張していた。


 これは主に配下である貴族や騎士共の話で、その騎士達に武具や防具を下ろしている商人達もまるで他国と衝突して戦を望むような話をしているが如く話を誇張して会議で意見をしていた。



 確かに南進すれば順調にアラレスティ大陸を開拓できて王国の版図は広がる。しかし、万が一あの細長い回廊を創世大陸からの侵略者がやってくると考えると北進派の意見も分かる。


 長い会議が数度行われようやく腹を決めた当主ガルムソン様は北進派を納得させる為に回廊のよな大陸を北進して大陸が広がる玄関口というかそこに砦を築いてこの地と同じような重要拠点を築く事を決断する。


 しかし、最初に開拓団を送るのは南端の方で万が一創世大陸側の他国が攻めてきて開拓団に被害が合わないような布陣を決める。なんと言うか良いとこ取りのような気がするがどっち付かずの方策であった。


 北進する集団には10以上の斥候部隊に5個の騎士団、それに輜重部隊と砦築城や道路整備用の人族の奴隷を編成して総勢1万もの大部隊である。道なき道を切り開いて進む為、比較的通りやすい海岸沿いを進む事になっている。


 南進する開拓団には最低限の防御用の騎士団と名ばかりの傭兵部隊に獣人の奴隷をつける。開拓団と併せるとこちらも1万人程の大規模な開拓団であった。



 この時、王国歴476年であった。



 両方から上がってくる報告書に目を通す事ができる我輩はどちらも順調に事が進んでいる事が手に取るように見て取れた。南は徐々に開拓村を点在させていく事ができて、次の拠点まで順調に進んでいるようだ。


 しかし、森近くになると近隣の先住民や森人族との軋轢が生じて度々被害が出るようであった。特に森人族とは揉め事が起きないよう細心の注意を喚起していたが、所詮寄せ集めの傭兵集団では心もとないようだ。



 最初我輩も驚いたが、開拓団の一部に森人族用の酒樽を運ぶ一団を見つけて不思議に思ったものだ。それまで接する事が無かった森人族の話を半信半疑で聞いていた。彼らの許しを請わないで森を切り開くと攻撃されるらしいのだ。


 当初、この地に来たアラレスティ王国の開拓団の一部は大規模に森を切り開いて森人族の襲撃に遭って、開拓団丸ごと消滅したと聞いた時にはそんな事はありえないと、話をした者を罵ってしまう。少なくとも開拓団には千人以上の騎士や兵が付き添っており、彼らが目を光らして開拓団を警備しているからだ。


 その開拓団はその森の森人族3人程で蹂躙されたようだ。殆どの死者は騎士や兵であったが、その状況を見た開拓団の村人は当時の状況を王国に報告をする。


 それを聞きつけた王国も兵を3千程かき集め、討伐に向ったそうだが同じように3人程の森人族に打ち破られたそうだ。それ以来、王国の基本姿勢は敵対より懐柔する方向に向っている。


 先ずはその森を治めている森人族に酒樽を持って挨拶に行き、森の木を少し分けて貰う交渉をする。その際にも彼らの好物である酒と森の木材を引換えに交渉するようにしている。乱開発さえしなければ彼ら森人族は怒らない。


 お陰でこのアラレスティ王国では石工の腕が上がって大抵の建物は皆石造りとなっている。



 反対に北進した騎士団は何の障害も無く1年程で大陸の入り口と思われるその地に拠点を作ることに成功したと報告が来ていた。道のりは険しが、順調に街道を整備しながら道を切り開いて何の障害も無かったようで、その地の森には森人族がいないと報告が来ていた。そのお陰で急造ながらも木材で砦の城壁を築く事が出来たという。



 そんな両方の報告書を正式な書簡にして王都に送る準備をしていた王国歴478年の末である。



 最初は北の砦からの伝令がぼろぼろになりながらも報告しに戻ってくる話から始まる。砦を築いて半年程して、大陸と思われる彼の地に斥候部隊を派遣して周辺の探査を行っていた時に起こったようだ。ある部隊が突然消息を絶つ。約束の日を過ぎても斥候部隊は戻ってこなかった。




 「敵襲?」




 誰もが創世大陸からの他国と接触して掴まったか殺されたと思っていたようである。何度かその方面に部隊を派遣したようだが、消息がつかめない日々が過ぎて行く。やがて、その斥候部隊の一部数人が逃げ帰るように戻ってくる。



 報告によれば周囲を探索しながら前進していたある日に、どの部隊かは分らないが半分腐りかけた死体を多数発見する。その周辺を探査していたその部隊は突然異変に気が付いて、バタバタと倒れる仲間を見て恐怖する。


 皆一様に泡を吹いて倒れて、やがて息をしなくなり返事をしなくなる。それでも異常が無かった何人かの兵は周囲を警戒して驚愕したそうだ。赤紫の煙が周囲に充満してきて、その中から黒い影が三つ現れる。その濃い赤紫の煙を吸った兵が次々と倒れていく中をその黒い影を確認した生き残りの兵は命からがらに砦に戻ってきたそうだ。



 その兵の報告を聞いた騎士団長は騎士団所属の魔法術使いにそのような術があるか聞いたようだ。土属性の魔法術に毒魔法術があるが、それほどまで威力があるとは思えないと話していたそうだ。


 対処法も聞き出したそうだが、大規模になると対策がないという事であった。やがて、その危機に周囲に出していた斥候部隊に伝令を出した騎士団長は砦を死守する為に防備を固める。周辺の部隊が続々と集結したある日、それは起こった。



 防備を固めた砦の外に三人の人族らしい影が現れる。その中の一人が砦中に聞えるかと思えるほどの大きな声で砦の中に居る我等騎士団に警告をしてきたのである。


 彼らの言い分はここから先は危険であるという事と、その危険はこちらに向ってくるという話であった。その証拠に砦から遥か向うから赤黒い雲のようなものが迫ってきているのが見える。当時の騎士団長は彼ら? その三人の人影に大して返礼として弓矢で警告した。


 その処遇に三人の中の一人がたいそう立腹したそうで、その後、急激に赤紫の霧が近付いてきたそうだ。それを確認した騎士団長はゴルムディア伯爵に応援部隊を頼む為に伝令を出す。それが最初に戻ってきた人物であった。


 それから続々と騎士団の部隊がぼろぼろになりながらも徐々に戻って来る事になる。彼らから一様に恐ろしい赤紫の霧になすすべ見なく仲間が倒れて死んでいったという話を語り出す。



 伯爵様は戻ってきた騎士団の一部を編成しなおして、これから攻めてくるであろうその謎の三人と赤紫の霧に備える為、新たな防塁を築く事を決意する。急遽、周辺の村々から人族が集められ防塁を築き始める。一応は大部隊が攻めてきても耐えるだけの防塁が出来上がるが、その間にも敗残兵が着の身着のままこの村に戻ってくる。全部で1万近くいた部隊は3千程までに減っていた。



 最初の犠牲になっていたのは奴隷だったらしい。多くの奴隷が騎士団の盾になって赤紫の霧の犠牲になった。その後、それをあざ笑うが如く甲高い笑い声が聞えたという。


 砦は騎士団長が殿しんがりを務めて部下を逃がして落ちた。落ちたといっているが別に敵が攻めてきたわけではない。後に残ったのは無数の屍と無傷の砦だけである。その後は赤紫の霧に包まれて行方は分らないそうだ。



 兵の大半が逃げ帰ってこれた事だけがせめての救いとゴルムディア伯爵様は言っていたが、奴隷の損害のほうが甚大と思うのは書記官である我輩の思い違いであろうか?


 そのお陰で周辺の村々から住民を借り出して防塁を築く事になり、多大な出費となってしまう。書記官である我輩だけがそのことに気付いたようだ。しかし、この地が消し飛べばそのような繊細の事と笑い飛ばされるかもしれない。


 しかし、一向にその謎の3人はやってこないし、赤紫の霧も発生しない。それに防塁から段々城壁に変貌したその石壁は伯爵家の財政を悪化させる一方である。しかし、辛うじて南部の開拓団からの収益が今の伯爵家の財政を支えていたのは皮肉な話である。




 あれから5年の月日が経ち、王国歴483年初頭。ようやく城壁に格上げされた防塁が完成する。万を辞して防御を固めた事に自信を持ったゴルムディア伯爵様は敗残兵であった騎士団を鍛え直し精鋭に変えていた。彼らの中から選抜して斥候部隊を編成してあの砦がどうなったか確認させる為に部隊を出す事を決める。5年前のあのぼろぼろであった兵達とは違う精悍な顔立ちの部隊であった。


 それから、最初の部隊を送って5度目の部隊が旅立っていってしまう。最初の4つの部隊200名の命は無駄に散ったようだ。そんな事は伯爵様にはいえない。


 5度目の部隊が旅立って3日も経たない内に何人かの兵が取り乱して城壁の門を叩く。状況が分らない門番は何が起こったのかと、その逃げ帰った兵に問いただすが要領をえない。半分気がふれたようで聞き出して帰ってくる話が訳が分らないと門番は言っていた。



 やがて、日が暮れて門を閉めた時にそれは起きた。回廊大陸の遥か向うの方からまばゆい光が輝く。まるで昼間のような明るさで、大サラム神がお怒りになったと慌てふためく住民もいる。


 その明るさに驚いた住民が家々に閉じこもって震えていたその時に地響きと轟音、それに衝撃音と共に暴風がこの地を襲う。そのお陰で倒壊する民家が多数。完成した城壁も所々倒壊して崩れだす。



 この地響きと振動、それに衝撃音と暴風が永遠に続くかと思っていたあの時、我輩は書庫の影で書類を整理していた。崩れ行く書庫の中を慌てふためいて外に出る。


 書庫から出たと同時にその書庫の建物は地響きによって倒壊してしまう。ようやく風が収まった時に今度は逆方向から風が吹いてくる。


 その風に飛ばされないように庭木にしがみつく我輩は家々の屋根が飛んで周辺に落ちてくる風景を目の当たりにして背筋が凍りつく。上を見上げて自分の上から物が落ちてこないか確認する。しかし、その心配は無かった。



 ところが今度は城壁の方が騒がしくなってくる。城壁の高さは10メト((m))以上有るが最初はどす黒い水がゆっくり城壁から漏れてくるのが見えた。我輩は慌てて周囲を見回し高い建物がないか確認するが周囲の建物は先程の衝撃で皆崩れていた。


 仕方なく今までしがみついていた庭木の天辺によじ登る。徐々にどす黒い水が城壁を越えてゆっくり流れてくると、もう耐えれれないとばかりに城壁の石が一つまた一つと崩れていきやがて弱い所をみつけて喜ぶようにどす黒い水が流れ出す。もう見渡すと城壁のあちこちでどす黒い水がなだれ込んでいて、徐々にその形が崩れて行く。



 水に流されて行く何かに目を瞑りながら、やがてこの高さにも押し寄せてくるだろうと、我輩はあのどす黒い水を覚悟して一層強く木にしがみつく。それは徐々に押し寄せてきた。体を持っていかれるかと思って覚悟をしたが首まで水に漬かった所で、今度は逆の方向に水がゆっくり引いて行く。


 安堵するが暫くしてまた同じように城壁のほうから水がやってくる。何度かそれを繰り返したのか分らないが夜が明けた時には、城壁という名の残骸の山に、伯爵が居城する城は半壊した状態でサラム様に照らされていた。


 こわばった手をゆっくり外して樹木から降りようと城壁があった場所に偶然視線が向いてしまう。そこにあったはずの城壁が半壊しているのは良いのだが、その向うにあった陸地がそこにはもう存在していなかった。


 休息日に家族と出かけた砂浜や農民が耕していた耕作地もそこには無く。そこに存在していたのは黒く濁った海原だけで、遥か向うのかつてあった細長い大陸はもう既に存在していなかった。それを呆然としながら眺めていた我輩はようやくこわばった体を地面に下ろす事ができた。



 やはり、先住民の言葉は正しかった。かの地に手を出せば災いが降り注ぐという伝説は存在したようだ。あの謎の3人は何処かで聞いた魔人族まびとぞくなのであろうか?


 創世大陸の最北端ではかの地は暗黒大陸と呼ばれていた。あの地もやはり暗黒大陸と繫がっているのであろうか?


 伯爵様が偶然というか、どうやらご存命のようで。これから復興するために力を振るうのであろうか?


 そんな事を思いながら伯爵様の下に駆け寄り話をする。あの回廊が消滅した事を‥‥‥。






☆  ☆  ☆






 そんな内容に俺は我に帰って唾を飲み込む。幅100kmで長さ1000kmの大陸が海に消えたという話を読んで、何とか大陸の事を思い出す。あれも一夜にして消えたといっていたような。


 それに魔人族ってなんだ?


 そんな種族がいるのかと疑問が募る。結構端折って要約をかいつまんで読んでしまった為にもしかしたら他のページに描かれていたのかと捲って読むが、他のページにはこの作者の自慢話が多数だけで他には大した事は書かれていなかった。


 結局その伯爵がその村を再建して今の貿易都市ゴルムディアの基礎を築いた様なんだが、再建の準備の所でこの話は終わっていた。もしかしたら作者が死亡したのかも知れない。


 だって、半分はこのゴルバンティスさんの日記のようなものであったからだ。最後の方はもうろくしてしまって書くことを忘れてしまったかいきなり死んでしまったかは分らない。



 それにしてもこれから向う所にそんな曰くが有ったのかと感心してしまう。



 気が付くと今日の野営地に着くようで、馬車の速度が遅くなって大きな振動がする。馬車が止まって何時ものように野営の準備をしていると、指揮車が増えている事に気が付く。ああ、あれは3人の中尉の指揮車かな? 多分そうだと思いながら、野営の準備の後に紙漉きの準備をする。


 その後に配膳の列に並んで夕食を済ます。順調に紙を漉くことに慣れた近頃は順調にわら半紙を生産できていた。今度はこれを使ってノートのようなものを作れないかなと考えながら紙を漉いた後の片づけを済ませる。



 簡易ベットに横になりながら、こちらの製本は確か何かの糸を縫って紙を止めていたなと思い出し、糊付けで製本は出来ないのかと色々妄想を掻き立てる。しかし、こちらで使っている接着剤で知っているのはニカワである。合成樹脂の糊なんてある分けないのでニカワにそんな融通が利く接着剤だったとか考えるが、答えは出ない。



 そういえばガルボルテ工作長が何かの本を偶に読んでいるのを見かけた事を思い出して、彼に素材の事を詳しく書かれた本がないか聞いて見れば良いじゃね? 


 そんな事を思うが、簡単に貸してくれるかな?


 ‥‥‥。まあ、明日聞いてみよう。



 目を瞑って今日の探査の練習を始めるが、一向に時間が延びないことに少しイライラ来ていた。これも何が悪いのか分らない。夜中起きて誰もいない時に魔素術の練習をした時もそうであったが‥‥‥。使えない俺であった。




 次話へつづく



挿絵(By みてみん)

次話は1/28の夕方に投稿する予定です。

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