<3-9> 「観察される年季奴隷 (中編)」
最新の本文修正日は2014年12月11日です。
何時もの日課を終わらせて農作業の果実の収穫をする予定であった俺ですが、とんだ邪魔が入り一時中断されてしまう。何処かの偉い公爵様が俺を見物しにやって来たとジョルジョネ大尉は話していた。
彼らの目的は召喚者であるこの俺がどんな人物だか確認したようだ。そういえばこんな事が前にもあったことを思い出す。それはジョルジョネ大尉の上司と言われている人物達の事であった。
まったく魔素術もろくに使えない俺を観察したって無駄なのに‥‥‥。自分で言ってて情けなくなる。
唐突に訪問したイケメンと美女は俺を舐めるように見ていった後にこれまた唐突に去って行く。その後に大尉から色々聞いたのだが、問題はあの魔獣だけではないと分り困惑してしまう俺であった。
ジョルジョネ大尉の指揮車から外に出ると、一号馬車の皆は昼の休憩をしていた。俺もその中に入り、道具袋からパンを出して食べ始める。
今日の果実はミカンのようなオレンジのような外見だが、中身は柑橘系特有の見た目にすっぱい粒粒に思わず吐き出しそうになる。しかし、最初のそのすっぱさに慣れると意外に後味を引いて何度も食べたくなる。
さすがにプイホンさんは皮の匂いを嗅いでフレーメン反応をする。こんな物は食い物じゃないよと、俺の目に訴えかけるような仕草をして俺に食えとその蜜柑を渡してくる。嗚呼、猫だもの!!
まあ、ありがたく貰って、俺はすっぱい顔をしながら全部食べてしまう。皆も同じようにすっぱい顔をするのだが、止められない様で自分の分を平らげる。
名前を聞くと「蜜柑」と聞えたのは気のせいであろうか。いやいや、蜜柑ってもっと甘いよ? これはどっちかというとレモンのすっぱさに後味はグレープフルーツだ。でも、そう聞えたのだから仕方がない。
冬の果実でアラレスティ大陸の北の方では定番の果実らしい。この前の赤梨と並ぶ人気の果物と教えてくれる。これよりすっぱくない蜜柑は無いかと聞くと南に行くとあるらしい。南ではこれは秋に取れるらしく、それだけ気温が低いのであろう。
何時ものように木箱一箱を猫車に乗せて護衛隊員の皆さんの所に差し入れに行く。人族の護衛隊員は手にとって食べていたが森人の3人はそんな物食えるかというような表情をしていらないと言われてしまう。
しかし、ラグルートさんとバールートさんは喜んで残りの蜜柑を貰ってくれる。特に熊のラグルートさんは皮ごとぱくりと丸々口の中に入れてしまう。あっという間に30個を間食してしまい、まだ欲しそうな感じであった。
空き箱を頭に乗せてプイホンさんは先に戻る。俺は猫車を押してついでに馬車の所に積んである空き箱を載せて皆の所に戻る。
この前の時と同じように空き箱が無くなると、奴隷組合の倉庫に転送する。転送が終わると空箱がドンドン帰ってくる。結局、空が赤くなりかける前に作業終了の合図で片付けをして、荷馬車に乗って30分程して宿泊所の方に戻る。
車庫に入ると皆が宿泊所に入る中、俺は新たな日課の厩舎に行ってここの岩猫を少し観察する。すると、何故か何時もより馬の数が多いように感じてしまう。
厩舎が満杯のようで、ネコさん達が忙しそうに走り回っているではないか。応援が途中で着たようで10人だったネコさんが20人に増える。あの鯖模様のネコさんもいて、近所に居た猫さん大集合で俺もあの中に混じって手伝いしたい!! いやいや、彼らのお仕事奪っちゃ駄目でしょ。
本当に上手く二足歩行で走り回っているよね~。バランスも人と変わらない。ここのネコさん達は身長が120cmから150cm位で体格は様々である。
見てて飽きないのだが、余り遅くなると晩飯を食いそびれてしまうので、車庫に戻って壁際に干して置いた紙と木の板を回収する。若干枚数が減っていたのは気のせいであろうか? 40枚ほど壁に立てかけてあったのだが、35枚になっていた。
何処の世界にも手癖が悪い者はいるもので、出しっぱなしにした俺にも非があるので追求はしないけどね。木の板も収納し終わって、今度は馬車の天井上の紙を回収する。
それを道具袋に入れて肩に担いで食堂まで歩いていくと、配膳の列に見た事があるような人物がいる。それに配膳をしている女性の中にも今日の昼頃に見かけた人物を見つけてしまう。首を傾げながら何時ものようにお盆に晩飯と薬を貰いテーブルに着く。
すると、あのイケメンが俺の向かいの席に座ってくる。あ~、何なんだよと言いたいが確かこの人は公爵で偉い人だよね? 意識せずに自分の晩飯に手をつける。
「え~、何で君にだけ美味しそうなものがお盆に載っているの?」
唐突にそんな事を言って来る。返答に困ったが、俺に聞かれても困るよね? 俺の意思とは関係なくこれを飲めといわれているし‥‥‥。
「あの~、私にも良く分からないのですが。ここの医務長にここの環境に慣れる為に出されているので、文句はその医務長に言ってください」
「へ~、そうなんだ。あっ、そうだ。私はハルーツンという。呼び捨てで良いよ。あれはミラニエって言うんだ。妹でね」
「はあ、それで。ハルーツン様はどうしてこんな私に会いに来たのですか? 何の取り柄も無いこの私に‥‥‥」
「え~、私はそんな報告は聞いていないけどな~。君は偉く賢いそうじゃないか。あの算盤も出来るようだし、独力で紙を作ったそうじゃないか。この紙は安価に生産できて王都では評判らしいよ?」
そういって懐からわら半紙を取り出して、俺の目の前に出して見せる。こいつが俺の紙を取ったらしい。偉い人の考える事は良く分らない。
「はあ、でもそれは殆どここのガルボルテ工作長が手助けしてくれて作れたもので、私は紙を漉いただけですよ?」
「またまた~、そんな謙遜を! それにこのエンピッツは中々出来が良くて、私も気に入って使っているよ!」
またもや、懐から鉛筆を取り出して、俺の前に置くではないか。それこそ、俺は何もしていないのだが‥‥‥。
「あ~、それこそ私は何もしていませんよ。作ったのは王都の工房って聞いています」
「ふ~ん、君は謙遜が好きだね~。なるほどね‥‥‥」
そういって、彼は今まで出した物を懐に仕舞う。良く見たら服装はジョルジョネ大尉と同じような軍服のような服装で、色は深緑であった。そして、俺に微笑んで、美味い美味いといって晩飯を食べ始める。
良く分らない人だが、黙ってくれたので自分の晩飯を平らげて薬を飲む。「お先に失礼」と、言ってまだ食べていた彼にお辞儀をして食器を下げる。
お嬢様だと思っていた彼女は忙しそうに女性年季奴隷の混じって働いていたが、俺が通ると横目でちらりと視線を動かす。俺は思わずお辞儀をしてその場から立去る。
部屋に戻って道具袋を置いて着替えを持って浴室に入る。先程の会話を反芻しながら、体を洗って湯船につかると、立派な体をした人物が同じように湯船に浸かってくる。顔もイケメンだと思ったら体もイケメンなようで見事な肉体美であった。
そこはポーカーフェイスで嫌な顔一つせずにこやかに彼を迎える。心の中で動画サイトでよく聞くあの曲が流れていた‥‥‥。爆発すれば良いのにと。
「湯船はいいものだね~。ここまで来るのに風呂に入っていなかったから、これでスッキリするよ」
「はあ、そうですか」
「昔の勇者がね、人と仲良くするのに裸の付き合いが良いと言っていてね。何も見に着けていない姿で御互い接すると、腹の中を割って話す事が出来るとよく言っていたのを聞いてね。私もやってみたけど‥‥‥」
「はあ、初対面の人にそういう事はしなかったと思いますが?」
「ひどいな~、もうこれで三回目じゃないか~」
「あっ、いや、そのですね。会った初日でそういう事を言われましてもこちらが困るというか、困惑してしまってですね。別に害意はありません」
「そうだよね~。突然の訪問に一緒に食事をして、それに一緒に湯浴みしても困惑するだけか~‥‥‥。嗚呼、別に深い意味はないよ」
「はあ、そうですか」
まあ、何を言って良いのか分らないが大体の目的はジョルジョネ大尉から聞いているので、ここは無能っぷりをアピールして相手を絶望させれば良いのか?
それとも俺に期待しても無駄ですよアピールのほうがいいのか? そんな事を考える。俺が口を開こうとすると、先に向うの方がまた口を開く。
「いやね、召喚者が来たらしいって聞いたものでどんな人物なのか見に来ただけだから。そう、身構えなくて良いよ。あの大尉さんから何を聞いたか知らないけど、どうせリョウジ殿とあれを婚約させに来たとか、そんな事でも吹き込まれたのでしょ? 今の所そんなつもりは無いから安心して良いよ。
ただね、男性の目線と女性の目線は違うからね。あれの意見を聞こうと思って連れてきただけだから。それにあれは許婚がいてね、近々婚約が決っているからね。そういう事だから」
ですよね~。自意識過剰にも程があるよね? まさか身も知らずなこの俺を親戚になんかにしないよね?
「嗚呼、だけど。これからのリョウジ殿の活躍によっては内の父上も考えを変えちゃうかもしれないよ?」
「はあ、それではさぞ当てが外れて気落ちした事でしょう。しかし、昔の勇者はあなた方の思うようになったのですか? 私がそのように聞いていませんが‥‥‥」
少し反撃をして見たが彼は笑って湯船から出て行ってしまう。あ~、嫌だ嫌だ。こんな腹の探り合いは初めての業者との打ち合わせ以来だ。お互いの出方を探って有利な言葉を引き出す感じがして嫌気が差す。
そんな昔というか、つい3ヶ月前までの出来事を思い出してしまった為、一旦湯船から出る。すると、今日のアワアワタイムを諦めていたのにゴナベル奴隷長が真っ黒になったプイホンさんを連れてくる。
一体何があったのか分らないが彼らに歩み寄り聞いてみる。
「あれ~、今頃風呂ですか、ゴナベル奴隷長?」
「嗚呼、こいつ厩舎に隠れていやがって。他の奴等と一緒に馬の世話していやがった」
「へっ? 何で仕事以外の事をするのですかプイホンさん?」
「えっと‥‥‥。手伝ったらプイを分けてくれるって言ってたから‥‥‥」
彼は明らかに目が泳いだ。
「その、休憩の時に焼いて食べたいな~っと、思ってね」
嗚呼、あの蜜柑が嫌なのとパンだけでは物足りないという事か。ついでに風呂を放棄しようと考えたのか。そんな事を考えていると、俺の目の前でゴナベル奴隷長がプイホンさんに樽のお湯を手桶でかけ始める。
かぶり付きの目の前でのアワアワタイムである。俺は思わず、一緒にゴシゴシしてしまう。ゴナベル奴隷長も特に何も言っていなかったので、一緒に洗ってあげて最後にゴナベル奴隷長が手桶でお湯をかける。次はプイホンさんがゴナベル奴隷長の背中を流す番である。俺はそれを恨めしそうに眺めて我慢する。
折角湯船から上がったのに、俺はまた彼らと共に湯船に入る。ふと、手の感触にあったあるものの事を思い出して、やっぱりプイホンさんは男の子であった事を思い知る。この前は唯単に見えなかっただけのようだ。
それに俺も彼のアワアワタイムに参加した為に今日の嫌なことなどすっかり忘れてしまう。風呂から上がった後に彼らの後を付いていくように一緒に食堂に行って彼を観察しながらジョッキに入れて貰った水を飲む。
美味しそうに晩飯を食べて、最後にゴナベル奴隷長からお酒を貰ってぶっ倒れるプイホンさんは何時ものように可愛かった。
まあ、その俺を観察するような視線が多数厨房の方から感じたが、彼女達の視線は無視する。先程まで厨房の方に居たあのイケメン様の連れの彼女はもうそこには居なかった。
ジョッキを返しに行く時に厨房を覗いたが奥の方にも居なかった。一段落付いたギムネーヤ料理長に聞いてみたら、貴族様の社会勉強の一環で厨房をぜひ手伝わせて欲しいと頼まれて、仕方なく手伝って貰ったそうだ。そこに居た皆も首を傾げて、良く働くお嬢様だったわねと教えてくれる。
それを聞いた俺も首を傾げる。公爵という地位から考えると普通は食事の支度などはしないよね? 妹? それにあれって物の様に話していたし、ちょっと考えてしまう。
その俺の考えていた仕草がどうやら違うように勘違いされてしまって、ネコちゃんと上手くいっていないの? と、見当違いの事を聞かれてしまう。
その場はそんな事ではないですよと誤魔化したが、若干一名が舌打ちしたのは気のせいであろうか? ギムネーヤ料理長のお弟子さんであった。黒いよ! 真っ黒いよ!! その歳でそれはありえないですよとはいえなかった。
部屋に戻って一番上のベットに横になると天井を見上げて一人考える。あのハルーツンって人、なんだか胡散臭い奴であった。あのお嬢様も最初は好奇な視線であったが、途中でこれがってな感じなって、少し嫌な印象しか残っていなかった。
勝手に期待してガッカリするのは構わないのだが、変に期待されてしまうと困るのだけど‥‥‥。嫌みったらしく俺の今後の活躍によってはだと! イケメンは皆死ねば良いのにと心の中で毒づく。
寝る前の探査の練習をしていつの間にか眠ってしまう俺であった。
☆ ☆ ☆
ジョルジョネ大尉の個室にはお客様が二人椅子に座って大尉と話をしていた。
「それで、どうでしたかハルーツン閣下」
「え~、どうって言われても。なんか素直じゃないというか、謙遜なのかな? あれって。最後に嫌み言われちゃったよ」
「へ~、珍しいですねリョウジがそんな事を言うなんて。なんか変な事吹き込んだのではないのですか、閣下。ザルツベ大佐の時はそんな事は無かったですよ」
「よしてくれよ~、ジョネ。もう私は将軍では無いのだよ。まあ、これは乗馬するのに便利だからこれを着用しているだけだよ」
「何を仰る。辞めたといっても予備役ではないですか。それに今は非常時ですから復職していると聞いていますよ? それにリョウジからなんていわれたのですか?」
「いやね、これの事を話してね。これは許婚が居るのだけど「リョウジ殿の働きによっては私の父上が考えを変えるかもよ」と、ごく普通の事を言っただけなんだけど。彼は昔の勇者の話を持ち出してね。「私達の思い道理に勇者は動いたのですか」と、私に投げかけて来たよ」
「まったく、貴方という人は一体何を考えているのか。あれは自分の能力を隠す傾向がある人物ですよ? 報酬に目が眩む人間ではないと報告書に書いた記憶がありますが。それに彼は住んでいた元の場所に帰りたがっていますから、その事を餌にしないと動きません。技術にしたって我々の手に余る物を持っているようですし、変に突いて薮蛇でしたかそんな言葉を勇者が残したはずですよ?」
「あ~、そんな格言も有ったね。私は嫌われちゃったかな? まあ、嫌われるのも上司の役目だから仕方がないか‥‥‥」
「それで、明日は王都にお戻りになられるのですか?」
「もう少し観察したいけどな~、駄目? 彼の仕事の状況を見たいのだけど」
「はあ、それは構わないですが、嫌われたのでは?」
「え~、だってどんな表情をするのか面白そうじゃん!」
「なっ、なに、何を言っているのですか?」
「私は思うのだけど、そろそろ『王家の血の呪い娘』のくびきに終止符を打っても良いと思うのだけどね~。召喚者に頼らなくても王国はやっていけると思わない?
なんで他人の手を借りなければならないのか最近疑問に思ってね。それに何かが起こる度に王族の巻き添えになって死ぬのは御免被りたい」
「そっ、そ、それ、それは聞かなかったことにします、閣下。確かにそうですが原因があるから結果があるのですよ? 王族を排除しても何も変わらないと思いますが。それに、王族を排除してしまうと後が大変です。これはリョウジから聞いた話ですが、彼はこういってました。
数多の国の王族が排除されたのにヒノモトだけはそれをしなかったようですよ? 寄り添う大樹があると民は安心するものです。難題が降りかかってもその大樹がある事で民と貴族が一丸となってその難題を解決したそうです。その大樹がころころ変わってしまっては本末転倒だと思いますが、変わった所で何一つ解決しませんよ? もしかしたらまた新たに呪い娘が誕生するかもしれないです。その時はどうするのですか?」
「はいはい、分った分った。君には何時も説教されるね。もう王国をひっくり返そうという野心はなくなっているよ。それに俺の変わりにそんな事を考えているのは東辺りに居ると聞いたけど。ジョネ、もうそんな怖い目で私を睨まないでおくれ。
まあ、確かに昔というか少尉候補生の時はそんな事を語った事はあったけど。今はほれ、この通り大人しくしているじゃないか。あの国王陛下の恐ろしさを味わってからはそんな考えは当に捨てたよ。今も隣で凄い剣幕で威圧するお嬢さんに説明してよ。私はふかふかの寝台で最後は孫達に見取られるのが夢なんだ」
「私も貴方を失いたくはないですからね。そういう事は冗談でも慎んでください。ここにはそういう事に聞き耳を立てる者が多数居りますから」
「じゃあ、明日も頼むね」
そういって二人はジョルジョネ大尉の個室から出て行く。額の汗を拭うジョルジョネ大尉はため息をする。
「あの人はああやって俺を玩具のようにいたぶって面白がる癖があって困ったものだ。昔、何かやって。人には言えない事があったそうだが。それ以来まじめに精進してあっという間に俺の階級を飛び越えて少将だからな。俺とは大違いだ。それに同じ同期なんだけどな~‥‥‥。何処が違うのだろう」
そんな事を考えていたジョルジョネ大尉であったが、突然部屋の扉を叩く音がして驚いてしまう。彼は気を取り直して、返事をするとミリクナ医務長が入ってくる。
「お坊ちゃまは自分の部屋に帰ったようね。大変ねジョルジョネ大尉」
「はあ、消さないですよね?」
「それは私の判断じゃないわ。それに前回で懲りているから、多分私への当て付けだわ。私がやった訳じゃないのに‥‥‥。これは軍に頼まれていたリョウジの現状の報告書よ」
「はあ、‥‥‥。態々すいません。それで変化は‥‥‥。ああ、無いようですね。いつも通りか~。お疲れ様でした。明日これを送ります」
「あ、知っていると思うけど。王家八家門の内、七家が必死にリョウジの情報を探っているそうよ。それもそうよね、この前の事件の時に潰れた家は数知れず。彼らも必死よね。あっ、最後の一つは別の事を企んでいるようだけど全然尻尾を掴ませないので上司が愚痴をこぼしていたわ。それに黒装束も以前行方不明という事だって‥‥‥。まあ、そんな所かしら」
「はあ、同じですね。軍もそんな情報でした」
そういうとミリクナ医務長は個室から出て行く。彼女が出て行った後にため息しか出なかったジョルジョネ大尉であった。
☆ ☆ ☆
何時ものようにそんな事が有ったとは知らずに熟睡をしていた俺であった。
後編へつづく
次話は1/21の夕方に投稿する予定です。




