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奴隷から始まる異世界旅行記  作者: 三之山勝
《 第3章 平穏な日常に飽きてくる年季奴隷 》
62/229

<3-1>  「紙を作るよ何処までも  (前編)」

ここから第3章が始まります。


最新の本文修正日は2014年12月9日です。

 プイホンさんに算術の勉強を教えるというか、算数の問題をわら半紙に書き出して算術を鍛える事になった俺ですが、俺の居た所では紙なんて掃いて捨てるぐらいありふれたものでした。


 しかし、こちらでは紙は貴重品でわら半紙でも大変皆に喜ばれて使われるようです。その為、大量に紙が必要になる羽目になってしまい、大量生産というか、消費に追いつく為の生産計画をガルボルテ工作長に相談する。


 そんな事に頭を悩ませるようになってきて、段々平穏な日常になりつつある今の状態が永遠に続く事を祈る俺であった。






 昨晩の探査術の練習で程よい疲れで寝てしまうが、あれ以来嫌な夢は見ないで済んでいる。まあ、夜中に悪夢で目が覚めて汗だくになるのはもう勘弁して欲しい。


 何時ものように目覚めて早朝の訓練する年季奴隷の皆さんの横で今日も剣の素振りをする。俺は彼らの統率の取れた亀甲隊形という隊形だったかなと、その風景を見て思い出す。


 前の人が盾を正面に構え、次の人が盾を天に構える。その次の人も同じように天に構え前面と上からの攻撃に備える陣形だ。それが横に10人ほど並んで前進する。


 結構威圧される陣形で、あれを責めるには大火力で盾を打ち破るか、後方から騎馬で撫で切りにするしかないだろう。


 しかし、後方に回った途端に円形に陣形を組んで防御するよね? そうそう、あんな感じで大火力で‥‥‥。



 マジで魔素術を盾に向って打つとは思っていなかった。盾の集団から100mぐらい離れた所でジョルジョネ大尉は左手で魔素術の動作をして、軽く火球を打ち放つ。


 それを防ぐように盾を構える集団を見ると、逃げる訳でもなく火球が当たる瞬間まで身構えている。火球が当たると、辺りは炎に包まれるが、薄っすらと結界のような物が見えてそれに弾かれるように爆風と煙がそれて行く。


 次第に火球が飛んでくる合間を見計らってジョルジョネ大尉のほうに近付いていく集団は訓練が終わったようだ。その後方にまた新たな集団が現れ、同じように亀甲隊形でジョルジョネ大尉に向って行く。


 どの人も盾に信頼を置いているのか、身じろぎもしないで整然として前に進んで行く。先程と同じように前に進んでいくが、今度は真ん中から矢印のように少しずつ横の人が下がって行く。あれは楔方? 箱型の亀甲隊形から楔形に変形して隊列を整えて進んで行く。



 楔形に変わった途端、火球が左右に流れて行って、先程とは違う風景が見える。良く見るとその後ろにアミュネス少尉がいるではないか。


 何をするのかと見ていたら、盾の集団に隠れながら投槍を放つ。それがジョルジョネ大尉の立っている場所に飛んで行くと、大尉は素早く火球の形状を変えた炎の槍のようなものを左手から打ち放つ。その打ち放ったものが飛んで来た投槍を打ち落としてしまう。


 まあ、御互い本気では無いと思うが実践さながらの訓練だと思う。アミュネス少尉達の集団がジョルジョネ大尉の場所に到着すると、今度はユロジェン少尉が別の集団の後ろにいるではないか。


 同じようにその集団を率いて大尉の所を目指して亀甲隊形で進んでいく。途中、同じように箱形から楔形に変わって火球を撥ね退けて前進して行く。


 アミュネス少尉と違うのは彼女は遠距離は攻撃できないようであった。ぎりぎりまで近付いて盾をかき分けて前に出るかと思ったが、突然後ろからありえない高さまでジャンプしてジョルジョネ大尉に切り付けるユロジェン少尉。しかし、それを軽くいなすジョルジョネ大尉はもっと凄いのかもしれない。



 三つの集団を相手にしても大尉は疲れた表情をしないで、集まった集団に訓示めいた事を言っていた。大尉はひとつの集団に最低でも10発以上の火球を放っていたと思う。少なくても全部で40発以上は打ったのではないだろうか。それでも平気な感じを見るとあれでも手を抜いていたのだろう。



 俺はお得意の呪文を唱える。「ここは異世界、ここは異世界」



 あの三つの集団が基本らしい。一つの集団が30人位で一人の尉官を守りながら攻撃をするようだ。そういえば、陸ハトゥーに出会う前、あの馬鹿でかい野うさぎの事を思い出す。あの時も二つの集団でお互いに連携して攻撃していたよね?


 それにしても頑丈に出来ているのか結界のお陰なのか、あの大きな盾も気になってくる。多分軍機だよね?


 予備の盾が置いてあったので持ってみると拍子抜けしたように軽かった。俺は20kgぐらいはあると思ってその腹積もりで持ったのだが、余りの軽さで驚いてしまう。


 ところが理由は分らないが、突然重量が増してきて地面に置くと重そうな音がする。一体何が有ったのか分らないが、ふと尉官が持つ携帯用魔技箱の事を思い出す。ああ、関係者以外が触ると重くなる仕掛けなのかな? 俺はそんな事を思いつく。


 盾の内側を覗くと、持ち手の所に何かのスイッチのようなものがある。二種類で赤と青色がある。首を傾げて、思わずそれに触ってしまう。


 俺が離した事でまた軽くなったようで再び盾を構えてスイッチを順番に押してみると、赤は急に重くなって内側の魔素陣が光ったように見えて薄っすらと前の方に結界のような物が出現する。赤は前面で構えるのに使うスイッチらしい。


 次に青色のスイッチを押すと魔素陣が青く光、急に軽くなる。上に持ち上げて亀甲隊形の二列目のように構えると、安定して天に向けることが出来る。中にジャイロが入っているように傾けても直ぐに水平になる感じがして上部の防御に適した盾になる。


 当然、上部に向けた時も結界が出るのだがドームのように薄っすらと半円に結界が見える。凄いよこれ?! どれくらい持つものなのか気になってくるが、これも軍機だよね?



 そんな事を考えているとまた同じように重くなってきて支えられなくなり地面に落としてしまう。その様子を見ていたジョルジョネ大尉が呆れて俺に話しかけてくる。




 「君ね。一回学んだら大抵はやめるよね? 二回も盾を落としてなにやってんだか。早く片付けないと朝飯を食い損ねるよ?」




 そういって皆も道具を持って野営地の所へ向って行くではないか。俺が落とした盾を他の年季奴隷が軽々と持って行く様を見て、呆然と見ていた俺であった。


 そんな状況を見ていた俺だが、自分で使っていた道具を慌てて手に取って彼らの後を追いかけて行く。


 そんな彼等を見ながら歩く俺は「自分はあの盾を持って戦わなくてもよさそうだ」と、思わず呟いてしまう。




 何時ものように朝食後に指揮車に乗った俺は日記に先程の出来事を書く。そして、日課の計算をこなすと指揮車を追い出される。


 1号馬車に戻ると、待ってましたとばかりにプイホンさんが俺に解いた問題を見せて誉めてアピールをするので、今日は趣向を変えて道具袋に入れてあった白木の箱を出す。中からそれを取り出してプイホンさんの頭をそれで撫でる。


 プイホンさんは気持ちよさそうにそれに身を委ねるが、そこで皆の視線が俺に釘付けなのに気付いてしまう。


 大抵の事は皆さん無関心なのだが。今日はどうしてなのかは分からない。俺がプイホンさんにブラシッングする風景が珍しいのか?


 それとも‥‥‥。俺はここの風習を知らない。


 もしかしたら皆が驚く事を知らないでやってしまったのかもしれない。何時ものようにドルバン車長に教えて目線を送るが、彼は何か気まずそうな目で俺を見ている。




 「ったく。仕様がないな~。お前は今こいつにを取った風に見えたのさ」




 えええええっ!! なんていうことだ。ここではそんな常識なのか? そんな事とは露知らず。俺は慌てて言い訳を始めてしまう。


 「いやいや、私の国では違いますよ?! これは『コミニ‥‥‥』。あ、う、なんと言うか親愛、あっ、違う。その友達としてこうやるのが常識というか。愛情とは違いますよ?!」




 「分った、分った。まあ、そういう事にしておこう。まあ、俺は別にかまわないよ。男同士でそんな事をしてもな。最近では王都でもそんな事が流行っているというし。ああ、男同士なら子供ができないからな!!」




 やっと、皆が白い目で見た理由が分った俺であるが、この雰囲気にいたたまれなくなってブラシッングを止めてしまう。すると、プイホンさんは何で止めちゃうの視線を俺に送ってくるが今はそれどころじゃない。また今度と言って、今日の分の問題を書いてプイホンさんにそれを渡して誤魔化してしまう。



 やっと、好奇な視線が止んで、なんだか皆が俺から少し距離を置いた気がして、俺が視線を向けると皆が視線を逸らしてしまう。ああ、なんてこった。皆さん勘違いしているよ。


 「あの皆さん!! 私は男色趣味ではないですからね?! そのこれは私の国に居た‥‥‥」


 そこまで言って言葉を濁してしまう。皆まで言ってしまうと獣人けものびとを否定するような気がしたのと、強く否定すればする程、なんというかその通りのように皆が勝手に想像してしまうからだ。


 戦略を練り直さないといけない。グヌヌッ、なんていうことだ。ブラシッングが駄目だとすると、どうすれば良いのだ‥‥‥。銀貨1枚もしたのに~~。


 紙の生産も大事だがこの男色趣味という噂も広がらないようにしないといけない。そんな事を考え始めた俺を見たドルバン車長は俺の肩を叩いて「頑張れ」と、言って自分の席に行ってしまう。いやいや、何を頑張るのですかドルバン車長? と、俺は彼に問い質したい。



 その微妙な雰囲気の中、馬車は今日の野営地に着いたようで大きな振動と共に、大きく揺れ始める。そして、馬車が止まると皆が野営の準備をする為に荷台から降り始める。皆は黙って野営の準備をして周囲に虫除けの煙が漂う。


 晩飯にありつく為に配膳の列に並び何時ものようにテーブルに着くのだが、何か周囲がよそよそしいというか。俺から離れて座る雰囲気というかそういうものが感じられる。


 しかし、自意識過剰な面もあるかもしれない。プイホンさんや1号車の面々は‥‥‥。プイホンさんだけは俺の隣に座って何時ものように美味しそうに晩御飯を食べている。



 まあ、その内皆も普通に接してくれるはずだ。すると、誰かの噂話が聞えてくる。耳を澄ますと俺が最初に皆の食後の不思議がった時に聞いた噂話であった。カルマイネさんの例の毒物テロの話である。


 食事をまずいといった奴が次の食事の時に泡を吹いて倒れたと言う話で、それを新入りの年季奴隷達に講釈している。そして、嫌な予感がしてくる。


 その話を聞いた新しく合流した年季奴隷達はそんな事あるかと馬鹿にしたように笑い飛ばしているではないか。俺はカルマイネさんのほうに視線を向けて彼女の様子を見る。案の定、彼女は何かのメモを取っているではないか。ひょっとして明日朝の犠牲者があの中からでるのか?


 すると、ドルバン車長が席を立って誰かに怒鳴る。




 「おい、ダヅッ!! いい加減にしろ!! おめえは、剣を振れば一流なのに、どうしてそうやって噂話をするのが好きなんだろうな?! 少しは黙って飯食えよ!


 本当に今度はお前の番になるぞ?! ほら見てみろ!! あのカルマイネさんがお前を見て何か書いていたぞ?」




 そういってカルマイネさんのほうを指差すと、慌ててカルマイネさんは姿を隠す。それを見ていたタヅと呼ばれた人はマジに顔が青くなって大人しく晩飯を食べ始める。


 ああ、やっぱりマジに倒れた人が居たらしい。そのやり取りを聞いていた新たに合流した年季奴隷達がその雰囲気に圧倒されて黙って食事を再開する。


 最後になぜか皆と同じように綺麗に食べましたアピールする様子を見る事になる。どうやら信じてしまったらしい。



 あのタヅって人は要注意だ。噂話をがんがんするらしい。あの人は一号車のメンバーではないから大丈夫かもしれないが、油断は出来ない。


 そんな事を考えながら、食事が終わり後片付けを手伝う。テーブルや椅子を畳んで一箇所にまとめ、風で飛ばされないようにロープで縛る。



 昨日の話しがどうなったか気になって会議用のテントの裏に行って話し声が聞えないか聞いてみるがまだ始まっていなかったようだ。


 諦めて、自分の寝床に入ろうとすると、ガルボルテ工作長が尋ねてくる。昨夜に俺と話し終わった後に会議があって、例の話をしてくれたという事であった。答えは一号馬車だけ改造して良いことになり、早速その準備をするとガルボルテ工作長は張り切っていた。



 これで何とか紙の生産が移動日でも出来るようになると、本格的に大量生産が出来るようになる。もしかしたら、余った紙とか売れるかな? いやいや、殆どの原料はガルボルテ工作長や奴隷旅団所属中隊のものだから無理だよね? 精々、ジョルジョネ大尉に余った紙を渡すぐらいだよね?


 結局俺は大尉の所有物みたいな物だし、あの人のご機嫌を伺いながら年季奴隷生活を満喫するしかない。実際、何をするにもあの人の裁可がいるしね。



 そんな事を考えると何か切なくなってくるが、プイホンさんの寝顔を見るとぶっ飛んでしまう。当分はあのわら半紙を生産する事と探査術の練習をミッチリやろう。そう考えながら寝袋に包まる。横になりながら寝る前の訓練をしていつの間にか寝てしまう。




 朝になると最近は連続して睡眠が取れるようになって、すこぶる体と精神的に調子が良くなる。夜中に目が覚める事が無くなって、じっくり熟睡が出来るようになったからかもしれない。


 何時ものように、体を解して皆の訓練の側で剣の素振りをする。今日も昨日と同じような感じで訓練をしているので今日は自分の素振りに専念する。


 良い汗をかいて自分の馬車に帰ってくるとガルボルテ工作長とその弟子達が一号馬車に集まって何かやっているではないか。良く見ると滑車やはね出しの金具のような物を取り付けている。


 邪魔をするのはあれなのでじっと見ていると、今回の作業は終わりのようで道具を仕舞い始める。すると、ゴナベル奴隷長とドルバン車長の二人がやってきてガルボルテ工作長と話をしだす。




 「おっ、ガルボルテ工作長。もう始めたのか?」




 「おう、職人は手が早いんだ。お前らこれを壊すなよ!! 一応は計算して天幕の邪魔にならない所につけてるからな!!」




 「はあ、分っていますよ、ガルボルテ工作長!


 なあ、リョウジ。一体これは何に使うんだ?」




 急に俺に振ってきたドルバン車長に対して、俺は馬車を呆けて見ていたので間抜けな表情を見られたのかもしれない。


 「ああ、これですか。いや~。移動している時も紙を造りたいので、これはその紙を乾かす為にお願いしたものでして。まあ実験みたいな物です」




 「おいおい、実験って穏やかじゃないな。爆発とかしないよなリョウジ?」




 「いや、そんなんじゃないですよ。あっ、そうだ。俺が風属性の魔素術を使えればこうやって実験をしなくても済むのですが、漉いた紙は水に濡れてまして。それを『オテン‥‥‥』。じゃ無く、サラム様に乾かして貰おうかと思いまして」




 「ああ、そういう事か。まあ、荷台の天井で乾かせば早く乾くか」




 やっと納得してくれたようで、テントが畳まれると皆は朝飯を食いに行ってしまう。ガルボルテ工作長が言ったようにテントを畳む時に邪魔にならないように金具が付いていた。


 しかし、一体何時作ったんだ? 相変わらず不思議な工作だよね。まあ、金属の板を曲げたり切ったりは荷台の上でも出来るか。



 仮設の食堂に行って配膳の列に並び始めると、ひと騒動あったようで誰かが地面に倒れていた。それを横目で見るとダヅとか言われていた人であった。ああ、言わんこっちゃない。あれだけ言われていたのに自分でその身に刻んだようだ。


 暫くすると起き上がり、カルマイネさんのほうに歩いていって土下座して謝っていた。まあ、カルマイネっさんは直ぐに消えたのだけど。それを見ていた昨日の年季奴隷達も顔を青くして、一生懸命朝食を食べていた。



 あれで人の噂話を辞めてくれれば良いのだが‥‥‥。俺の噂話はしないでください。と、心の中で叫ぶ。


 まあ、今朝は何時ものように何も無かったように皆は接してくれたので噂は広まっていないと思う。青汁を飲み干して食器を下げに行くと、女性陣の雰囲気というか目線がなにかおかしい事に気付く。なんていうか好奇の目線というか。そのなかでボソッと聞えてしまう。




 「リョウジが男色だったとわね~」




 俺がその声の方向に顔を向けると「きゃ~」と、いって何人かの女性が逃げるそぶりをする。中にはどっちが受けとかそんな事を言っている者まで居た。しかし、全部小声なのだがなぜかはっきり聞えてしまう。


 それを聞いた俺は「ああ、異世界にも腐女子はいるんだな」と、心で囁く。それになぜだか自分の事はどうでもよくなりそれに感心してしまう。



 食後に道具袋を持って指揮車に乗る時にユロジェン少尉が扉を開けてくれる。何時ものように挨拶すると何か雰囲気が違うことに気付いてしまう。嫌なというか険悪な雰囲気ではなく、何となく好奇な視線というかそういう感じである。


 嗚呼、ここにも毒された腐女子が居るのかと思ったがどうやら違うようだ。今日の分の日記を書きながらそんな視線を感じていたが、馬車が動き出しても二人の少尉はこの前のように指揮車からは出て行かない。


 まあ、また計算風景でも見学して、その内飽きて寝てしまうと思っていた俺はジョルジョネ大尉から今日の分の羊皮紙を受け取ると、それを捲って確認する。


 道具を出して馬車が動くのを待っているのだが、前の席に二人が仲良く座って俺をチラチラ見ているので、赤面してしまう。


 やがて馬車が動き出して計算を始めだすと、俺がメモ用の板に書いている計算式を必死に書き写しているではないか。



 嫌な予感がしてきたが今は計算に集中する。驚く事に計算が終わるまで、彼女達は起きていた。検算が終わり計算した物を渡した俺は今日も2回目の馬の休憩でお役ごめんと思って道具を片付け出すのだが、ジョルジョネ大尉はまだいていいよとそっけなく俺に話す。そして、とんでもない事を話し出した。




 「いや~、なんか二人がやる気出してな。君に計算の仕方を習いたいと言って来て、ちょっと教えてくれないかな? プイホン君のように問題を出す形式で良いからさ~。やり方さえ覚えれば後は自己研鑽すると思うのだけど‥‥‥。駄目かな?」




 「へっ? あ、ああ、嫌じゃないですけど。何かあったのですか?」




 「私が計算が出来たらいけないのですかリョウジ?」




 ちょっと膨れた感じでアミュネス少尉が俺に文句を言ってくる。同じようにユロジェン少尉にも睨まれてしまった。



 こうなっては拒否権など俺にはなかった。


 その二人の女性に赤面しながらもどうやって計算を教えるのか考え込む俺であった。





 次話へつづく

次話は1/7の夕方に投稿する予定です。

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