<2-13> 「視線の先の恐怖 (後編)」
最新の本文修正日は2014年11月19日です。
嫌な視線の原因が態々足を運んでくれた事に驚く俺ですが、その原因の持ち主のものすごい大きさの体にただ驚くだけであった。しかし、相変わらず睨む視線に嫌気がしていた為、俺は思わず睨み返してしまう。
図体が大きい割には気が小さい奴だったのか睨んだ俺に怯えたのかは分らないが、その巨大な陸ハトゥーといわれた魔獣は俺が睨んだ直後に硬直して動かなくなってしまう。
その隙に決着が付いたようでぼけっとしていた俺はか弱そうな身なりのミリクナ医務長に抱きかかえられて難を逃れる。
しかし、難を逃れたと思っていた俺だが、結局強制的に眠らされてしまい難から逃れられなかった。
その後に起こっていた騒動など、強制的に眠らされ知る由もない俺であった。
☆ ☆ ☆
ジョルジョネ大尉と、ミリクナは二人で相談した後、何か騒がしい獣人と森人に近寄って様子を見に来るのであった。
「いったい何を騒いでいるのだ?」
そういって怪訝そうに顔を顰めて彼らの話に割って入るジョルジョネ大尉はその異様さを見て少し怯んでしまう。
「クロッ!! それを舐めたら駄目だ!!」
「そうですよクワビム! こいつは変な臭いがしますわ。何時ものように縮まないし、内蔵以外にも肉からも変なにおいがします姫様!!」
「え~、折角取ったのに食べれないの? 掟に反するよー、姫様?」
「ボグフム! 全て洗い流しておやり。泡沫石を使って血を良く洗っておやり。あーあ、今日はホントに厄日だねー、ラグフム」
「はあ、この異様な匂いは頭が痛くなります。代わりのものを探して頂くしかないようです」
「へっ? 食べれないのこれ?」
そんなとぼけた感じに聞き返したジョルジョネ大尉は何がいけないのか分らないようだ。
「そうですねー、これは頂かない方がいいですわ。燃やして灰にしましょう」
ボグフムはそういってクワビムを連れて行こうとするがクワビムは不服そうに口を開く。
「えー、勿体ないよー、姫さまー」
「あー、うるさい! クロッ!! 違う得物を見つけろ!!」
最後は命令して口を塞ぐメルディムであった。主人の命令は絶対である。そのまま黙って、クワビムはボグフムの後を付いて行く。去り際に各々の聖獣に新たな獲物を見つけろと、命令をする。
聖獣達は主人のガッカリした様子を見て、この大きな得物にありつけない事を悟ったようだ。同じようにシュンとするが、違う得物を見つけろというボグフムとクワビムの命令で耳を動かしたり、キョロキョロして周囲の様子を探り始める。
やがて何かを見つけたようで、二匹の聖獣はそちらの方へ駆けて行く。それを追掛ける前に嫌がるクワビムの頭からボグフムの水属性の魔素術で水をかけて泡沫石と呼ばれたもので泡を出して、体に浴びた血を洗い流し始める。
体を洗いながら革鎧や武器などを綺麗に洗うボグフムも自分の手に付いた血や主人の武器を拭った手拭なども一緒に綺麗に洗ってしまう。
リョウジが見たら鼻血ものの光景も、主人達やジョルジョネ大尉とミリクナは興味がないようで、別な事を話し始める。
「儀式はしていませんよね貴方達?」
開口一番に話したのはミリクナである。彼女はこの異様な匂いの原因を知っているかのように振舞う。
「これは昔、家畜を早く育てるのに作られた薬の臭いに良く似ています。多分内のカルに嗅がせば分ると思いますので触らないでください。血が手についたぐらいじゃ問題ないですが内臓なんかを口に入れますとこいつと同じようになりますわよ?!」
「ああ、私達はこの匂いに気付いて口にしてない。黒は危うく口にしようとしたがボグフムが止めたよ。それに聖獣達は主人が口にしていない物は絶対口にしないから大丈夫だ!」
メルディムはそう説明すると、ラグフムと二人で聖獣が向っていった方向に消えていってしまう。
「さて、ジョルジョネ大尉! これを盛大に骨やチリも残らないような高温で消滅させて欲しいのですが‥‥‥。出来ますか?」
「えー、面倒だなー。あれやると疲れるから嫌だなー」
そんな口調で話してしまいミリクナに睨まれる。
「はいはい、分りました。その料理長補佐さんに見せたら教えてください。それと、これを地面の上でなく穴を掘って焼却したいので空気穴と焼却する穴を掘って欲しいのですが。それくらいの苦労は良いですよね? 俺、土属性が苦手なもんでお願いしますよ、先生!」
「仕方が無いわね、それ位はやってあげるわ。それなら、野営地を少し離さないといけないわよ。煙をたくさん吸っちゃうと、どんな症状が出るか分らないから。それと少し肉片と内蔵の一部をカルに採らせて、凍らせて特別急行馬車で王都に運べないかしら?」
「えー、後一日程で馬車村ですよ? そんな目をしないでください先生。分りました、手配します。軍の要請なら何処も断りませんから。組合の方が良いのでは?」
「組合は色々と忙しくて手が回らないのよ! 分っているくせに何でそんな事いうのかしら?」
「冗談ですよ、本当にそんな目をして怖いですよ、先生!
じゃあ、朝になるまで穴の方をお願いします」
そういってジョルジョネ大尉は先程の軽く愚痴を叩いた表情とは裏腹に険しい表情をして自分の指揮車に向って歩いていってしまう
残されたミリクナは地面に空気穴用の魔素陣を地面に描いて先ずはそれを発動させる。すると、地面に斜めに穴が開いていく。まるでシールド工法のように徐々に開いていく穴はやがて中間地点と思われる所で今度は上に向って斜めに緩やかに開いていく。
「ドゴッ」という音と共に彼女の正面200メト前方に斜め上向きの穴が開いたのを確認すると、今度は中間地点にハトゥーの亡骸を入れて焼却する穴を開ける為の魔素陣を描き始める。
それが出来上がると魔素陣を発動させて、素早くバックステップの連続技で離れる。すると、半径50メトで深さ20メト程の巨大な穴が開いて空気穴2箇所と繫がって出来上がる。
ああ、しかし、やはりドジッ娘。穴をハトゥーの死骸から離れて作った為にどうやって運ぶのか? その光景を見たら誰もがそういうに違いない。
そんな事お構いなしで、穴が出来上がるとミリクナは標本を採るためにカルを呼びに料理馬車に向う。そこで料理馬車の荷台で薬を作りながら転寝していたカルマイネを見つけて強制的に現場に運ぶ。
その場所に来ると抱えていたカルマイネを降ろし、大きな陸ハトゥーの死骸を指差し、その死骸を見せる。その出来事に寝ぼけ眼で驚くカルマイネ。
「あ、ああ、あの、い、い、いた、いたっいなんでしょうか、み、み、ミリクナ様?」
「その死骸の匂いに思い当たる事は? それを王都に運ぶ為に標本を採って研究所に運びたいの。薬かなんか分らないけど一番臭いがきつい所を取って頂戴!!
後の処置は分っているわよね? あの泡沫石でよく洗ったほうが良いわ。それが終わり次第あそこで焼いてしまうから早めにするのよ!
‥‥‥ああ、採った標本は冷凍魔技箱に入れておいてね!!」
そういってミリクナは指揮車の方に向って行く。残されたカルマイネは首を傾げながら死骸の匂いをかいで首を傾げる。
「あれ? これって薬の臭いじゃないような? なんだったかしら、薬草と花粉の匂いがするわね~‥‥‥」
そう呟いたかと思うと自分の仕事場に走り去り、道具や入れ物の陶器を抱えて戻ってくると標本の採取を始めるカルマイネであった。
一方、ジョルジョネ大尉はしかめっ面で自分の指揮車に戻って、扉を開いて中に入ろうとする。すると、中に居たアミュネス少尉にクッションのような枕を投げつけられてドアから転げ落ち尻餅をついてしまう。
「痛てー、アミュネス少尉? いったい何をするのか?」
「私が仮眠をして居る事をお知りですわよね? 淑女の寝室に殿方が土足で入るのはどうかと思いますが? 何か異存がお在りでしょうか、大尉?」
「いえ、無いです‥‥‥。でもねアミュ? ちょっと異常事態があってね。急いで報告書と要請書を出さないといけなくて、急いでいるのだが?」
「それを早く言ってください!! 軍務は別です、大尉!!」
何かやりきれない表情で、体を起してすごすごと自分の指揮車に入るジョルジョネ大尉は「この馬車は俺の城なんだけど」と、心の中で叫ぶ。しかし、その表情は何時ものニコニコ顔に戻って書類の製作をする。
「俺って、この人の上司だよね?」と、自問自答するが答えてくれる者は自分の心の中には居なかったようだ。
次々に問い合わせの書類を作成したジョルジョネ大尉は、その問い合わせの書類をアミュネス少尉に送らせる。その問い合わせの返事が帰って来る間、ジョルジョネ大尉は新たな報告書や要請書を認めながら色々と考え始める。
「特別急行馬車を常備している一番近い馬車町はこの前の町なので戻らないといけない。しかし、こちらを追い抜くように出発させて道中で合流するように手配をしないといけない。その際、氷属性を使える人物を手配して貰わないと‥‥‥。
それに上司のザルツベ大佐に送る報告書の算段をしないといけない。内容は先程、ミリクナ医務長と話した内容で指示を請う事など多岐に渡るぞ‥‥‥」
そんな事を考えながら報告書や特急馬車と氷魔素術使いの要請書を書き上げ、先にその報告書を器用に折り上げ、魔素陣を書いて左手の魔素結晶の欠片の指輪を翳して陣を発動させる。
すると、驚く事に折った手紙はひらひらと机から舞い上がる。それを見たアミュネス少尉が覗き窓の引き戸を開けると、空に浮いていた手紙が勢いをつけて、何処かに飛んでいってしまう。
それを見送ると、問い合わせの返事が来たようで、アミュネス少尉がその問い合わせの書類を通常の魔技箱から取り出し、ジョルジョネ大尉に渡す。
ジョルジョネ大尉は貰った書類を読み始めると、確認が取れたようなので直ぐに先程認めた特急馬車と氷魔素術使いの要請書を、アミュネス少尉に渡して折り返し手前の馬車町の守備隊に送らせる。
一息ついたジョルジョネ大尉は先程明けた覗き窓から何処かで何かの振動とゴゴゴッという音を耳にする。その音にため息を付いたジョルジョネ大尉は、今日の出来事の報告書を書き始めるのであった。
暫くして、ジョルジョネ大尉とアミュネス少尉がいる指揮車の扉を叩く音がする。こんな夜更けにこの指揮車を訪れる人物に不振顔でアミュネス少尉は扉を開ける。
中に入ってきたのはミリクナであった。一瞬、衣服に付いた血のような染みを見て驚いたアミュネス少尉であったが、直ぐに何も言わずにミリクナを中に招き入れる。
「アミュネス少尉、先程の騒動の音は聞いたと思うが、また魔獣が出た。それで始末をしたのだが、その死骸の様子が異様で焼却処分とする事になった。
焼却処分だが一応念の為、夜が明けてから一端ここを離れて、そうだな2000メト程離れれば良いですよね先生?
その距離まで中隊を移動して待機させて欲しい。焼却は俺がやるが、先生はその立会いをする。以上だ、何か質問は?」
「はあ、その何かもったいないですわねー。毒なら仕方が無いですが。じゃあ、準備が出来次第移動します。あ、朝食はどうしますか?」
「へっ? ああ、面倒だが移動した先で取らせろ」
「分りました大尉!! そのように手配します。そろそろ、ギムネーヤ料理長が起きる頃と思われますので先に移動させます。護衛隊を半分つけますがよろしいでしょうか?」
「あ、そうか。じゃあ、君は女性年季奴隷を率いてその場所で待機していてくれたまえ」
「分りました、そちらで朝食の準備をして他の年季奴隷達が来るのを待ちます」
「では、頼む」
ジョルジョネ大尉の言葉に、再び簡潔に命令を復唱したアミュネス少尉は指揮車の外に出て行く。その姿を見送ったミリクナは用意ができた事をジョルジョネ大尉に報告をする。
「何時も仕事が速いですね、先生!! 俺の上司に相談と報告は直接送りました。それと特別急行馬車と氷魔素術が使える者を一緒に手配しました。
ああ、特別急行馬車はこれから向う道中で合流できるよう手配しましたので今日中には合流できると思いますよ」
「御互い仕事が速いわね、私はこれから報告書を書いて送るわ。移動する頃合に教えてくれるかしら」
「はあ、分りました。その頃に呼びます」
そう言い終わるとミリクナは指揮車から出て行く。ジョルジョネ大尉は誰もいなくなった指揮車の中で大きなため息を付いて後部座席で横になり考え事を始めるのであった。
ジョルジョネ大尉が考えていた事は主に愚痴や愚痴であった。あまりにも聞くに堪えないのでその辺にします。
そんな愚痴を自分の心の中でぶちまけるジョルジョネ大尉であった。
一方、指揮車の外に出たミリクナは隣の馬車に入る前に左手で魔素術の動作をして空中に大きな水の玉を浮かせる。手拭をそれに浸して絞るとあの魔獣の血液を拭き始める。
あらかた拭いた所で自分の武器である真銀の組紐を水の玉に入れ濯ぐが、たいした汚れは出なかった。当然である、その組紐に自らの魔素術で水の幕を作って魔獣の首を切断したのだから‥‥‥。高速で振動させた水の幕は鋭い刃になったようだ。
先程リョウジに付いた血は首を刎ねた血が手に付いたようで、次第に明るくなってきた空に照らされてその白い衣服にはべったりと血液のあとが付いている。
それを見たミリクナはため息を付いてその白衣を脱ぐと、脱いだその白衣を先程浮かした水の玉に入れる。すると、また何かをやったようで、まるで洗濯機のように水の玉の中が渦巻き始め、その赤く染まった白い服を洗い始める。
粗方洗い終わると水の玉が少しづつ小さくなりしぼんで行く。また新たに大きな水の玉を作り出すと、ミリクナは同じようにしぼんだ最初の水の玉から白衣を取り出し新しい水の玉に入れて行く。
すると、汚い水の玉の方は次第に小さくなって消滅してしまう。残ったのはサラサラした黒い何かで風に吹かれて地面に同化してしまう。
そんな事を数回繰り返して綺麗になった白衣を最後に綺麗な水の玉から取り出すと、ずぶぬれの白衣が次第に水分を抜かれるように乾燥していくではないか。すっかり水分が抜けた白衣を二、三回バタバタ振ると素早くその白衣を羽織るミリクナであった。
やがて、残りの水の玉も消滅してしまう。そして、ミリクナは気だるそうにため息を付いて自分の指揮車に入って行く。
指揮車の中に入ると、すぐさま報告書と意見具申の手紙を認め小さく折り畳む。ミリクナはジョルジョネ大尉と同じように魔素陣を描いて発動すると、手紙がひらひらと机から浮き上がり、覗き窓を開けると勢い良く飛んで行ってしまう。
そのひらひらと飛んで行く手紙を見送ったミリクナは、ふと先程ジョルジョネ大尉から貰った魔素結晶のようなものを自分の懐から出して眺める。
いつもならそろそろ霧散するはずと思っていたミリクナはテーブルの上に置いてその赤黒く濁った物をじっと眺めながら様子を窺う。
暫くしてそれが始まった。赤黒い塊が煙のように霧散し始めたかと思うと、その煙が次第にある方向に向う事をミリクナは発見してしまう。
その先を見るとリョウジがいるではないか。よく観察すると、その薄くなっていく煙が細長くなって行きリョウジの胸の辺りに入って行くではないか。
その様子を見たミリクナは何が起きたのか分らなくなり、目をシバシバさせて瞬きすると、立ち上がりリョウジの寝袋と衣服を捲る。
そのリョウジの衣服を捲って胸を見るミリクナは、またもや不思議な現象を目撃してしまう。この指揮車の中が薄暗いお陰なのか、リョウジの胸に薄っすらと仄かに光るものが皮膚の下から見える。
ミリクナがその仄かな光を見つめると、先程の残りの煙がそこに集まって行くのを目撃してしまう。
その現象を目撃したミリクナは暫く思考が止まってしまう。一体、何が起きたのかを理解するのに時間が経つ事を忘れたようだ。
ハッと我に返ったミリクナはまだ確信が持てないので自信なさげに一人小さく囁く。
「これが、こいつが隠していた事?」
そんな事を呟くミリクナは再びリョウジの胸を見る。すると、先程の仄かな明かりは消えてしまい何事も起きていなかったように普通の肌になっていた。
普通の肌に戻った状態を確認したミリクナは「ひょっとして、この前の物もこうなったのかしら」と、再び呟く。
リョウジの衣服や寝袋を治したミリクナは「再び魔素力の計測をしよう」と、再び呟き前の席に着くと腕組をして考える。
腕組みをして考えていた彼女であったが、いつの間にか疲れたようでウトウトと眠り始めたミリクナであった。
☆ ☆ ☆
周りが騒がしくて目が覚めたのか、薬が切れて目が覚めたのか分らない。目を覚ました俺は起き上がると、昨日の出来事?
いや、数時間前の出来事を思い出す。ああ、今回は気を失わなかったよねー、俺。少しは進歩したのかもしれないと暢気にそんな事を考える。
それにしても、昨日のミリクナ医務長は凄かった。メルディムさんの空中剣技も驚いたが、あの紐のようなワイヤーも凄いよね。まるでどこかの仕事人だよ。いや、宇宙(コ〇モ)がどうとか言う人達の方か?
いやいや、そんな事はどうでも良いよ。
それより、今回はその記憶があるって事はこれから消されるのだろうか?
ああ、俺の脳みそは大丈夫なんだろうか。その内、自分が何処から来たのかまで忘れてしまったらどうしてくれるのだろうか。なんだかむかっ腹になってきて憤ってくるが、所詮俺である。ミリクナ医務長に敵う事は出来ない。
そんな悶々とした気持ちでいると、便所に行きたくなる。床のサンダルを履いてふと思う。あれ、使える仮設便所は残っているかな?
躊躇していると寝ていたと思われるミリクナ医務長が起きて俺に話しかけてくるではないか。
「直ぐ移動するそうよ、お便所に行くなら早めにしてね。朝食は少し離れた所で取るからそれまで出ないわよ」
「はあ、分りました」
彼女の言葉に返事をすると、また椅子に寄りかかり寝てしまうミリクナさんであった。ああ、今回はついてこないのか。
首を傾げながら外に出ると皆が起きてテントや簡易ベット、それに昨夜使わなかった大きな盾を仕舞っている。
それを眺めながら便所に行くと、分っているが少し驚いてしまう。便所は端の4個ほど魔獣? その魔獣である陸ハトゥーの長い首に潰されている。眺めていたが直ぐに用を足しに来た事を思い出し、便所に入り用を足す。
スッキリした所で改めて死骸をじっくり眺めて観察をすると、ダチョウっていうか、なんか恐竜?
恐竜っていうか、段々爬虫類に近いものに見えてくる。しかし、細部を見るとダチョウなのだよね。
足は黄色い鱗のようなもので覆われていて、体は羽毛ってうかススキの穂のようなものがびっしり生えている。首はその産毛のようなものがびっしり生えていて所々、切り傷のようなものが入っている。
転がっていた首はまさしく鳥類のものでダチョウの顔であった。クチバシはアヒルのように横に平べったく土が所々付いている。
それにしても、でかい。この前の岩猪の首よりは小さいがこんなものが上から落ちてきたのかと思うと急に寒気が出てぶるってしまう。
そんな事で物珍しく陸ハトゥーの死骸を見ていた為、自分の足元が疎かになる。
その何かの穴に気が付かなく、足をつまずかせて転がり落ちるように長い穴に落ちて行く俺であった。
次話へつづく
次話は12/7の夜に投稿します。




