<2-4> 「年季奴隷と馬車町 (後編)」
最新の本文修正日は2014年11月12日です。
早朝に置いてけ堀を食ったと思った俺ですが、何かのトラブルがあったようです。しかし、プイホンさんが配膳台を押してくる姿にそんな出来事はどうでもよくなってしまう。
トラブルの原因のついでにこの王国の仕組みの一端を教えて貰ったが、参勤交代のような仕組みや、お家断絶とか聞いた事がある仕組みに首を傾げながらその話を聞いてしまう。その江戸風な感じの仕組みに西洋式の貴族制度のような和洋折衷の仕組みに、驚きよりはなんか複雑な心境になってしまう。
だって、上に立つ者ほど厳しい環境に身を置くのが信じられないからだ。俺の居た会社では踏ん反り返った社長と重役の親戚連中が外車を乗り回していたよ。それなのにボーナスカットとか‥‥‥。
まあ、色々考えると政治的な革命が起きたのは上の腐敗が原因の事が多い。この王国では革命なんか起こりそうも無い不自然な仕組みに困惑しか出来ない俺であった。
何時もの仕事を無事やり終え、2回ほど検算したが問題はなさそうだ。ジョルジョネ大尉はまだ戻ってきそうにも無いので、部屋の造りのチェックを入れる。
俺の建築現場監督としての血が騒ぐので仕様がない。間取りを見ると入り口横に普通のビジネスホテルのようにバスルームの中に水洗トイレのようなものがある。バスルームも結構広くて幅は2m位、奥行きは3m程もある。
そして、部屋の広さは奥行き7m程、幅は4.5m程でシングルにしては結構広くて使い勝手はよさそうだ。ベットもダブルでふかふかで寝心地はよさそう。執務机も立派で手作り感があり、将来はこんな机が俺の部屋に置きたい物だと眺めてしまう。
壁を見ると、ここの馬車町の地図が貼ってある。俺は手帳を取り出しそれを書き写す。
大きな街道が南北に通っている。そして、東にも伸びている。カタカナの「ト」のような感じの道路の周りに町が形成されていて結構大きい町の周りに城壁があるようだ。
北、南、東に門が書いてあり西には門は無かった。大通りの道路幅が10m位とすると城壁は2km四方の四角い造りでその外にも町があるようで細かい通り等描いてある。
ここの場所は「ト」の南北と東の通りの交差する下の角にあるようだ。上は商工業組合と書いてある。近くには傭兵組合もある。周りは住宅街と大きい通りは商店街で雑多に混雑した造りになっていた。
あれ~、ここら辺を治める領主の役宅っていうか城は無いのか? 細かく見ていくと「王国直轄地馬車町オードメ町役場」と、書かれている所がこの奴隷組合の宿泊所の下の方にある。
どうやらここは王国の直轄地らしい。だから貴族の役宅がないのか? あ、だけど役人の住み家があるはずだよね? また、更に見ていくと、この南東の地区がそうらしい。
北東の地区が商業地区で商家らしいものが書かれている。南西や北西は住民の住居らしい。外は農村のように農民が住んでいたりするのかな?
そんな地図とにらめっこして手帳に書き終わる頃、ジョルジョネ大尉が先程の荷物を持ってこの部屋に戻って来る。
「おっ、早速地図を描いているな! 休暇は町見物にでも行くのかな?」
「はあ、そのつもりでしたけど。先立つ物っていうか、その俺はここのお金は持っていませんからね。町はどんな造りか見ていただけです」
そんな風に文句めいた事をジョルジョネ大尉に言うと、先程持っていた荷物をごそごそしだして何かの書類と革袋を取り出す。
「ああ、そうそう。この前の特許の報奨金が出たぞ。それに奴隷銅貨も今日渡しておく。えーと、報奨金は王国銀貨50枚も出たぞ! それに奴隷銅貨は今月は10枚だ。少ないのは諦めてくれ。今月は途中で年季奴隷になったからな、来月からはもっと出るはずだ」
「はあ、ありがとうございます。でも俺って、実質一つ時しか計算の仕事っていうか秘書の仕事してませんよね? そんなんで給料っていうか賃金っていうか、貰っても良いのでしょうか?
俺の居た所ではその給料から衣食住の分のお金を引かれて、残るのは何時も微々たる物っていう事が定番なんですが。その他の年季奴隷に申し訳ないって言うか、そんな気がしまして」
「君は変な所に気が行くね。君ね、この国で算盤を使って計算できる事は誇って良いのだよ? 王国の住民で読み書きできる者は最近多くなってきているが5割しか居ない。それに高度な計算を出来る者となると更に少なくなる。
王国もこの状態では良くない事を分っているので奴隷組合の孤児院では必ず読み書きと簡単な計算を教えている。それに最近は大きな町に読み書きを教える『文所小屋』という無料で読み書きを教えている所が増えている。だけど村単位になるとどうしてもな、そこまでは手が回らない。
そういう事で算盤を使える事は立派な職種といっていい。だから、気後れしなくてもいいのだよ」
「はあ、そうなんですね。ではありがたく頂戴します」
「あっ、領収書に名前と、左手の拇印をくれ」
そういって羊皮紙の一覧表を寄越して来る。それを見ると一覧表には皆の拇印が押してある。どうやら俺が一番最後らしい。そして、銀貨が入った革袋と奴隷銅貨が入った革袋を貰う。
銀貨50枚は中々の迫力があり結構重たく、中身の銀貨を出すと500円玉位であろうか? 厚さもそれぐらいある。これ全部で、約50万円か~。ああここで、びびりの俺がこんなに大金を持ち歩くと、ろくな事がない事を思い出す。そこで5枚程中から取り出し奴隷銅貨の方に移し、残り45枚を大尉の前に置いて話す。
「あのー、俺って結構間抜けなんで。こんな大金を持って歩くと必ず落としてしまうので、預かって貰う事って出来るでしょうか?」
「ああ、現金と奴隷銅貨は奴隷組合で預かる事が出来る。じゃあ、この預かり証に名前と拇印を押して金額はここに書いてくれれば良い。そして、金額の所に文字と重なるように母印を押してくれ。そう、それで、俺が変わりの預かり証を出せばこれで終わりだ。
後はその預かり証を大事に仕舞っておけば何処の奴隷組合に行ってもお金は引き出せる。あ、それならば口座に直接特許関連のお金も振り込ませよう。そうすれば一々俺が渡さなくても良いし、預り証はいらない」
「はあ、ではお願いします。それで、今日はこれから城壁の補修を見に行きますよね? 明日はどうなるのでしょうか? 一応予定が分れば計画が建てやすいと思いまして」
「明日は皆に休暇が支給される。朝飯は出るが晩飯は出ないから町で食べると良い。なんなら、プイホン君に町を案内させよう。彼にもそれくらい出来る能力はあるはずだ。始めての馬車町だしな、店での交渉を彼に学ぶと良い。
明後日はその城壁の手伝いの続きをする。三日後の朝にここを出発する予定だ。しかし、仕事の依頼が来ると多少の前後はするから勘弁してくれ。
ではその道具袋を持って、外の指揮車で待っていてくれ。俺は君の口座を作って、そこに振り込まれるようにするのと、このお金の手続きをしてくる」
そう言って俺とジョルジョネ大尉は部屋を出て別れる。俺は外に出て指揮車の前で待っていた。
嗚呼、報奨金は大した事ないってガルボルテ工作長が言っていたけど50万円だぞ!! 俺の2か月分の給料だよ、手取りだと2ヵ月半もあるぞ!!
いったいどうなっているのだ? 最初に奴隷って聞いて落胆したけど待遇は良いし、報酬は良いし。ああ、何か帰りたくないなー‥‥‥。
いやいや、そうじゃないでしょ。ここは異世界、この前の熱病のように俺の知らない風土病や怪我や魔獣など、ここは危険が一杯だよ!! と、思い直す。
そんな自問自答しているとジョルジョネ大尉が来て指揮車の中に一緒に入る。そして、馬車は進み城壁の補修場所に到着すると、何時もの見知った人達がそこに居た。
城壁は二重構造になっているようで、外側のレンガ? それか石切り場で見たような目の荒い石のブロックを積みなおしている。
大きさは長さ30cm位、幅15cm位、厚さが7cmか8cm位だろうか、多分幅の半分の7.5cmだと思う。それを組み合わせながら積んでいる。外側の城壁はそのレンガ3列分の幅45cmぐらいはあると思う。
その中側に土を入れて多分版築だと思うが、入れた土に丸太のような物で上から圧力をかけて固めて行くようだ。セメントを入れればもっと頑丈になるかもだけど、そんな物は使っていなかった。
レンガも漆喰のような白いモルタル。ああ、セメントと砂と水を混ぜたような物を乗せてレンガを乗せている。いやいや、こんなの2、3日じゃ終わらないよ。どう見積もっても一月以上はかかるでしょ。
上に行くと高さ5mはあるし、補修っていっても長さは100m以上あるよ。でも何で壊れたのだ? こんな頑丈そうな城壁、簡単に壊れないよね? まさか魔獣?
「ジョルジョネ大尉、こんな頑丈そうな城壁がなんで壊れたのですか? もしかして魔獣ですか? それに二日で終わる量じゃないですよね」
「ああ、魔獣っていうか。今朝の出来事を話したよな? その結果なのだが‥‥‥。全部は直さない。基礎部分を直して、後は東回りでやってくる別の奴隷旅団所属中隊が残りを片付ける手配になっている。もちろん、請求は何とか伯爵に払わせるから君は心配しなくて良い」
「え? だって宿泊所で訓練していたのですよね?」
「ああ、あそこで暴れたら目も当てられないだろ。ここまで来て貰ってな、決着は一刻の十分の一も掛かってないぞ。あれはアミュネス少尉の雷光のせいだ。あれでも手加減したらしいが‥‥‥。言っとくが、俺は止めたんだぞ!!
奴らは三十人ぐらい居たが、手加減しないと死人が出るからな。その、手加減してあれを見せたら皆さん命乞いしてきてな‥‥‥。それは気の毒だったよ」
「はあ、そんな事があったのですか」
俺は石切り場で見たあの稲光を思い出す。3分も掛からずに相手の戦意を喪失させるアミュネス少尉を思い浮かべて身震いしてしまい、犠牲者が出なかった事に手を合わせてしまった。ああ、相手側でなくて良かったー。
そんな話を聞いていると。天秤棒に水瓶のようなものを担いであちこちを歩き回って、皆に水を配っているプイホンさんを目撃してしまう。ああ、彼もきちんと仕事をしているようだ。あれには彼が作った氷が入っていて、冷たい水なんだよきっと。嗚呼、真面目に働く猫もいいよね~。そんなあほな事を考える俺であった。
☆ ☆ ☆
事の発端はこうであった。
ジョルジョネ大尉一行の奴隷旅団所属中隊がこの町に着く前に着いていた例の何とか伯爵一行がこの町に来る前から起こっていた。
何とか伯爵とはセベネラ伯爵といい、彼は七年程前に王国の領土になったアラレスティ大陸の東の方からリョウジ達が向う貿易都市ゴルムディアへ買い付けに来ていた。
彼らはアラレスティ大陸の北西にある貿易都市ゴルムディアに直接魔素結晶の欠片を仕入れに来たが、思うように仕入れができなかった事に腹を立てていた。
そのセベネラ伯爵は悪態をつきながら憤慨していた。今も、昨日のように数日前に貿易都市ゴルムディアで起きた事を思い出していたセベネラ伯爵であった。
このアラレスティ王国の流儀で物資の輸送は奴隷組合が担っている事は知っていたが、ワシはまだこのアラレスティ王国の貴族になって日が浅い、奴隷組合を信用できないでいた。
それで、ワシ自ら仕入れに来たのだが直接売ってくれる商人は見つからなかった。この伯爵の地位を見せ付けてもだ。そんな事は今までなかった。
併合前の旧王国では伯爵といえば大抵の者はひれ伏して商人だろうが国の役所だろうがそれがまかり通った。しかし、このアラレスティ王国は違っていた。
新たな領地で魔素道具に使う魔素結晶の欠片は高値で売れる事を聞きつけた。財政が芳しくない自分の領地から色々と搾取をしていたが、それも上手くいかなくて今回の買い付けを思いついたのだ。
しかし、買い付けは失敗、少量しか手に入れる事は出来なかった。それも、このワシを哀れんだ一商人にだ。こんな恥辱は併合以来始めてだ!
旅の宿や道中でも、このワシの伯爵の名で怯む者はいなかった。連れて来た護衛の連中もこちらの方面は始めて来たらしく色々と面食らってようだ。
昨日の晩に宿泊所にいた女の年季奴隷に酌をさせようとしたがあっさり断られ、女の軍人も居たから伯爵の名前を出したが歯牙にもかけられなかった。
廊下で護衛にぶつかってきた不届き物の後ろには獣人が恐れる森の使徒とかいう獣人がいた。だから、このワシは引き下がるしかなかった。
森の使徒の後ろには必ず森人がいる。あれは厄介な存在だとは知っているからだ。さすがにこの伯爵たるワシでも命は欲しい。噂ではアラレスティ王国の軍隊1000人は軽くひねると聞いているからだ。
今朝の騒々しい声で今までの我慢にワシの限界が来た。外に領土から連れてきた連中を率いて騒音を出す奴に文句を言いに行くと、奴らはワシらの3倍も居た。
しかし、ここで怯む訳にはいかない。何とか、向うの中隊長という奴は謝らせたが、あの小娘は引き下がらなかった。
腕自慢の部下に城外で決闘をするところまでは上手くいっていた。しかし、その後がいけなかった‥‥‥。アラレスティ王国は常備軍が少なく、弱いと聞いていたのに‥‥‥。
それに奴らの軍は傭兵に頼りきっているとも聞いていた。だから、金の力でワシらの王国を屈服させたと思っていた。
しかし、事実は違っていた。奴等は小数精鋭の軍隊で一人が大多数を相手に出来る軍隊だとは知らなかった。それに気付いた所で、今は後悔の念で一杯だ‥‥‥。ああ、また借金が増えてしまった。
結局、悪態から後悔のため息に変わったセベネラ伯爵であった。
☆ ☆ ☆
早朝、何時ものように軍事教練をしていたジョルジョネ大尉一行は、リョウジが寝ている間にお互いの連携をする為、陣形の確認や立ち位置など声を張り上げながら訓練をしていた。
「よし、亀甲箱陣形!! 次そのまま亀甲楔陣形!! 始め!! ‥‥‥」
陣形の確認を行っていたジョルジョネ大尉の前に30人ほどの集団が現れる。そして、声を張り上げていたジョルジョネ大尉に負けないように集団の中から独り声を張り上げ文句をいう人物が前に出る。
「やかましい!! 何時だと思っているんだ!! ワシはセベネラ伯爵である。おぬし達はワシの睡眠を邪魔して、ただで済むと思っているのか!! 明らかに安眠妨害である。これは軍に抗議するぞ!!」
その抗議に対してジョルジョネ大尉は面を食らってしまう。
「はあ、それはすいませんでした。奴隷旅団所属中隊は早朝の訓練をすることになってまして。軍事行動の一部でありますので、ご容赦ください」
抗議した相手が下手に出てきたので気分を良くしたセベネラ伯爵は自分の顎鬚を摘みながらジョルジョネ大尉を見下し、再び文句を言い始める。
「そんな、訓練などしてもしょうがあるまい。ワシの部下なら一捻りじゃ!! それより、この始末をどうつけてくれようか!!」
「はあ、そんな事、言われましても‥‥‥。どうされよと?」
そんな相変わらず下手に出てくるジョルジョネ大尉にますます気分がよくなってきたセベネラ伯爵は更に調子に乗ってしまう。
「ふむ、そうじゃな~。おぬしがここの責任者なんじゃろ。土下座すれば許しても構わんが‥‥‥」
その言葉に堪忍袋の紐が切れた人物がジョルジョネ大尉とセベネラ伯爵の間に割って出てくる。
「あほか!! このあほ伯爵、私が成敗します! 大尉は下がっていてください!」
「あの、アミュネス少尉? ここは穏便にね! ね! ね!」
そういってアミュネス少尉をなだめるジョルジョネ大尉だが、まくし立てるようにアミュネス少尉はセベネラ伯爵に言い放つ。
「大尉に土下座までさせると言っているのですよ!! このあほ伯爵は!
私達は軍事行動中です。軍の障害、如いては王国の障害になるものはいかなる者でも排除する資格がございます!!」
そのアミュネス少尉の言葉に顔が真っ赤になるセベネラ伯爵は怒り出し唾を飛ばしながら文句を言い出す。そこからは売り言葉に買い言葉の状態になりジョルジョネ大尉はオロオロしてアミュネス少尉をなだめるばかりになってしまうのであった。
「むむ、言わせておけば、この小娘め!! ワシはセベネラ伯爵ぞ。そこいらの低級貴族とは違うのだぞ!! なぜ、低頭平身せぬ?!」
「はあ? それがどうしましたの? やるのか、やらないのか、ハッキリしませんこと?!」
「あのー、アミュネス少尉? ここじゃ何だからやるなら、せめて城外で頼むよ。ここでやっちゃうと、さすがにこの俺でも始末書だけじゃすまないしさ?」
「分りました大尉!! と、いう事でそこの木偶の坊30名とあほ伯爵は城外で決着つけましょう。それとも、たかが小娘一人に尻尾を巻いて逃げるのかしら?!」
「ぐぬぬ、言わせておけばぁ~。来い!! お前らあの小娘をひぃひぃ言わせてやるのだ!!」
そういって伯爵一行とアミュネス少尉、ジョルジョネ大尉、それにゴナベル奴隷長以下皆が何かわくわくしながら付いてくる様子に不振がる伯爵一行。そして、城外に歩いてきた者達は対峙した。
城壁を背にした伯爵一行、場所取りに失敗した事には気が付いていないようだ。彼らは自ら逃げ道を塞いだのも気付かずアミュネス少尉と対峙していた。
「さあ!! ここならば回りに迷惑掛からないですわ! これで思う存分やれますわよ!!」
ニヤリと微笑み自慢の長槍を構えるアミュネス少尉と対象にオドオドするジョルジョネ大尉。
「あのー、アミュネス少尉? 一応仮にも伯爵だから丁重にね。殺ってしまったら駄目だよ? そんな事したら幾ら父上様でも君の事は、庇いきれないと思うよ?」
「おだまり!! 父上の話はしないといいましたよね?!」
「うんうん、そうだったね。だけど、旅にも支障出るから頼むね」
「分ってます、ちょっと脅かしてやれば済みます! さあ!! 誰から相手になりますの? まとめて31人相手しても良いのですよ!!」
「あ、アミュ挑発しちゃった」
各種武器を持った伯爵一行はいっせいに抜刀して身構える。アミュネス少尉はニヤリと微笑みながら長槍を構え「連撃雷塵」と、言い放つ。すると、彼らの上部目掛けて連続した雷光を放ち、彼らの背後の城壁を轟音と共に破壊して行く。
そこには圧倒的な力の前に三十人と一人は驚いて尻餅をついていた。
「さあ、次は当てますからそこに立っていなさい!!」
そう言って構えるアミュネス少尉に三十一名は戦意喪失してヘタリ込んでしまうのであった。
☆ ☆ ☆
でも、城外に出ても被害はあったよね? 意味が分らない。
そんな三十一名対一名の恐ろしい出来事の詳細は想像出来ていた俺であった。
次話へつづく
次話は11/19の夜に投稿します。




