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奴隷から始まる異世界旅行記  作者: 三之山勝
《 第2章 年季奴隷が前進すると地雷踏む 》
35/229

<2-3>  「年季奴隷と馬車町  (前編)」

最新の本文修正日は2014年11月12日です。

 指揮車の中で重大な事を聞かされた俺ですが、ミリクナ医務長に記憶を操作されたようです。この国の都合の悪い事は消されました。


 ああ、別にどうでも良いですよその事は、俺もなんだか忘れようとしていたようだしね。だけど恐ろしいよね記憶操作なんて、俺の脳みそに障害が起きたら補償をしてくれるのでしょうか?


 それに俺はこのまま彼らに大事にされながら年季奴隷を5年は勤めないと、帰る方法は見つからなそうです。



 記憶の事がどうでもよくなった原因がもう一つあったのは内緒です。いやー、宿泊施設といえばお風呂ですよねー。そんな気持ちで一杯になりながら食堂に着くと落胆してしまう俺であった。






 食堂に着いた俺は風呂上りのプイホンさんを見かけてしまい、今日のアワアワタイムを見逃してしまった事に大いに落胆してしまう。そのお陰で指揮車の出来事はどうでも良くなってしまう。


 食堂で配膳の列に並ぶと、プイホンさんが俺の方に来るではないか。晩飯を後にしてまで心配してくれたようだ。その事に俺は思わずニコニコしてしまう。




 「あ、兄ちゃん!! もう大丈夫なのか?! 倒れたって聞いたから心配したよ」




 「ああ、今。君の顔を見てナデナデしたら、そんな事は吹っ飛んでしまったよ」と、声には出さずに心の中で叫ぶ。そして、彼の頭をナデナデする。




 「それは悪かったね、プイホンさん。俺もこの前の病気は治ったかと思っていたのだけど、まだ調子は良くないようだよ。その内、治ると思うけどね」




 「やっぱり、おいらが取ってきたプイを食べればよかったんだよ!! 明日、捕まえてくるよ!!」




 いやいや、「ここのプイこそ何を食ってるか分らないから、いただけませんよプイホンさん!!」と、心の中で叫び、顔が引きつる。



 「いやー、プイホンさん? ここにも他の猫種が居て、その縄張りを荒らすと大変では? きっと喧嘩になりますよ!!」



 これだけ牽制すれば良いだろう。諦めて頂戴ね、プイホンさん!!




 「そうかな? だけど、病人が居るって言えばきっと、分けてくれるよ!! だから楽しみに待っててね」




 彼は妙に張り切って配膳された晩飯を持ってテーブルに着く。そして、勢い良く食べ始めてしまう。ああ、覚悟を決めないと駄目らしい。お腹が痛くならないことを祈ろう。



 俺も晩飯を貰うが配膳してくれる人物の中に見覚えのある人が今日の分の薬をお盆に載せてくれる。ああ、ここでも飲まないといけないらしい、大人しくそれをお盆に載せてカルさんにお辞儀をする。


 あれ、なぜカルさんがそこにいるの? そんな事を疑問に思っていると、配膳の他に調理している人達も見覚えがある人達ばかりではないか。あれ? 宿泊施設に専属に調理する人がいるのでは?


 ああ、分らない。多分記憶を消された部分に答えがあるのであろう。



 お盆を持ってプイホンさんの隣に座り今日の晩飯の内容を改めて見る。ああ、プイホンさんが態々取りに行かなくても良いようです。今日のメインはそのプイの姿焼きでした。姿焼きには甘辛い汁が掛かっていて付け合せに芋やにんじんがあり、さあ食べろといわんばかりに俺を睨んでいた。




 「ああ、プイホンさん。今日は貴方の行っていたプイの姿焼きのようですね。明日は心配しないでお仕事に集中できますよ!!」




 「もごもご、もごもご!!! んーん、んーん!!」




 「話す時は、ものを食べきってからにしてくださいね、プイホンさん」




 「心配するな兄ちゃん。俺がこれより大きい奴!! 取ってくるから。楽しみに待っててね!!」




 ああ、また良い物を見る事が出来ました。両手を広げて「これより大きい奴」って、言い放ったプイホンさんは最高でした。「アワアワタイム」を見る事を出来なかったが、今日はこれで結構です。晩飯で祝福の時間を過ごせた俺は浴室に向う。



 同じ造りのようで、慣れた感じに風呂に入って体を洗い、気分はすっきり出来て風呂を上がる事が出来た。ああ、中にプイホンさんが居なかったから、カラスの行水をした訳じゃないですよ。きっちり洗ってきましたよ?


 部屋に帰る前に水が飲みたくなり食堂に行くと、俺はまた見逃してガッカリする。俺がさっさと晩飯を食べて風呂に行った為、その後にプイホンさんの酔っ払った仕草と抱っこタイムを逃したらしい。彼はゴナベル奴隷長に抱えられて部屋の方に行くではないか。


 ああ、なんというバットタイミング。



 とぼとぼと、部屋に向う途中に購買の事を思い出す。廊下をそのまま進み宿泊する部屋には行かないで購買所に向う。ああ、これがいけなかった。購買所は開いていなくてこの前と同じポスターしかなく、何も収穫は無かった。


 しかし、自分の部屋に帰る時になって、自分の部屋が分らなくなりうろうろしていると、見た事の無い人達とぶつかってしまう。この宿泊所は町にあるのか大きいようで他の宿泊者が居たようだ。




 ぶつかった獣人けものびとにギロリと睨まれる。彼らはすごんだ表情で俺を睨む人族が1人と、野良犬のよう斑犬の獣人が2人の3人組みである。




 「あ、すいません。余所見をしてしまいぶつかりました」




 ちょっと軽い謝り方がいけなかったようでなんかお怒りのようです。兄貴と言われている獣人に偉そうな人族が手下の獣人に目配せしているようだ。




 「何だ!! おまえ!! 俺の兄貴にぶつかっておいてその態度はなんだ?! なめてんのか?!」




 ああ、お決まりの文句が出てきました。私はどうすれば良いのでしょうか?



 「だから、謝ったじゃないですか~。それ以上のことを求められても俺はお金なんか持ってないですよ?


 それに年季奴隷に成り立てなんでこの手を見てくれれば分ると思いますが?」



 そういって左手を見せる。そうすると、何故だか獣人の二人の様子がおかしい。人族は俺を睨んでいるのだが獣人は明らかに震えだして人族になにか言っている。




 「ああ、わ、わか、分った。そ、それ、それじゃ仕様がない。き、きょ、今日の所は勘弁してやるから、こ、こん、今度からは気を付けてくださいね」




 威勢の良かった獣人は最後に丁寧な言葉に戻って彼らは去ってしまう。もしかして、後ろにもっとおっかない人でもいたのかと後ろを向くと誰も居ない。あれ、どうしたのかな? と、首を傾げながら自分の部屋を探していく。


 しかし、歩いている内によくよく考えてみると冷や汗が出てくる。二人の獣人が犬であったからだ。あの時は直ぐに何かに怯えた彼等であった為、余り気にならなかったが‥‥‥。俺って犬を克服できたのか? そんな考えを巡らしていると、扉の部屋番号の下に何か文字が書いてある事に気が付く。



 「第548期西方第秋70中隊ご一行様、一号馬車乗員様はこちら」と書いてある。ああ、まるで何処かの旅館のようだ。部屋に入るとまだ他の人は戻っていないようで、三段ベットの一番上にプイホンがいびきをかいて寝ているだけであった。皆さんはまだ宴会の途中らしい。



 俺は先程まで寝ていたところとは違う一番上のベットにさっさと寝転がり、自分の左手の紋章を見る。後ろに人が居なくて先程の人達が震えた原因はこの紋章のせいなのか? よく見るが今一分らない。


 普通の何処にでもあるような紋章のようで四角い盾のような物の周りはバラに似た植物の花が五輪と蔓が描かれている。


 それに四角い盾は上下半分に分かれていて上には何かの記号のような物が描かれている。下は数字のように見えて「王都00001」と、読める。多分上が奴隷組合の印か年季奴隷の印だよね? 王都00001は首都の奴隷組合本部の事か?


 あっ、この事をジョルジョネ大尉に聞いてみようか?  



 それとも‥‥‥。あっ、もしかして。先程、俺の後ろにボグフムさんでも居たのか?


 獣人が震える理由はそんな事だよね? まあ、助かったしそんな事はどうでも良くなる。次第に満腹感とさっぱり感で目蓋が重くなり寝てしまう俺であった。




 森を抜けたせいなのか、先程と同じで悪夢は見なかった。それにベットから落ちなかったし、奈落の底に落ちる夢も見なかった。


 朝は最近の習慣で早朝訓練のせいか、早めに目が覚めてしまう。そして、起き上がるが何時ものように部屋の中には誰もいなかった。


 窓が開いていたので、耳を澄ましていつもなら何処から聞えるむさい男共の声を探す‥‥‥。あれ? 聞えてこない。俺は寝坊してしまったのか?


 そんな事を思い食堂に行くが誰もいなかった。


 ジョルジョネ大尉の部屋を探そうとして考える。彼は多分個室を使っていると思い、部屋に戻りドアに張られている建物の見取り図を見て彼がいそうな場所を探す。


 それらしい所があったので急いでその部屋に向うと個室の扉には名前らしき物が書かれていないではないか。ああ、なんていう事だ俺は置いていかれたのか?


 仕方なくトボトボと食堂に向かい朝飯を貰って、カルさんに朝の薬を渡される。あ、ひょっとしたら彼女は知らないかな?


 「あの? カルさん。皆さんは何処に行ったのでしょうね? それか、ジョルジョネ大尉の部屋は何処か知りませんか?」




 「あ、あ、あの。み、みな、皆さんの行き場所は知らないですが、ジ、ジョ、ジョルジョネ大尉の部屋はし、し、知ってます。た、た、確か、こ、こ、個室の一号室です」




 「ありがとうございます」


 彼女は相変わらず、モジモジとオドオドしているがジョルジョネ大尉の居場所は分ったのでいいだろう。ああ、これで安心して朝飯を食べれる。


 今日のメニューは‥‥‥。何時もと変わらなかった。多分、これが定番なのであろう。何の卵か分らないハムエッグとサラダ、それに芋入りのスープにテーブルにはパンの山。代わり映えの無い安定的なメニューである。それに俺には何時もの青汁がある。当分は朝晩の薬は無くなりそうもない。


 朝飯を済ませ、懐にパンを入れると、先程聞いた部屋に行きノックをする‥‥‥。ノックをする‥‥‥。返事がない。ああ、完全に忘れられたようで俺は置いていかれたようだ。廊下にあった椅子に座り、ジョルジョネ大尉の帰りを待とう。



 どれだけ待ったか分らないがジョルジョネ大尉は帰ってこなかった。いい加減待つのに疲れていると、やっと戻ってきて「お前何やってんの」的な表情で俺を見るジョルジョネ大尉。そして、「あ、忘れてた」的な表情をして謝ってくる彼であった。




 「あ、ごめん、すまんかった。すっかり忘れてた。ちょっと立て込んだ事情があってな。っていうか皆はもうすぐ戻ってくるよ。俺も朝食がまだだから、ちょっと待ってくれるとありがたい」




 「ああ、かまわないです。朝起きたら誰もいないし、近くで訓練する声が聞えなかったのでどうしたものかとジョルジョネ大尉の部屋に来ただけですから。少しぐらい待てますよ、ごゆっくりどうぞ」



 俺がそういうとジョルジョネ大尉は部屋に入って行く。すると、すぐに配膳台をごろごろ押て来る人影が見えてくる。その人影は俺を見つけると手を振ってくる。プイホンさんであった。彼は配膳台を押して来て、ジョルジョネ大尉の部屋まで来るとノックをして、部屋の中に入ってしまう。そして、直ぐに出てきて俺に話しかけてくる。




 「兄ちゃん、おはよー。そんな所で何してるの?」




 「いやいや。プイホンさんこそ、何でそれを押してきたの?」


 「その様子が可愛らしくて鼻血が出そうじゃないか!!」と、思わず声に出そうになってしまう。




 「ん? ゴナベル奴隷長に『ジョルジョネ大尉のご飯を運んで来い』って言われたからだよ。おいらはこういう仕事も出来るんだ! すごいでしょ?!」




 ああ、その得意げな仕草は朝から不安だった俺の心を癒してくれた。ついでに頭をナデナデしてしまう。


 「へー、さすがプイホンさん。ああ、早く帰らないと朝食を食べ損ないますよ?」


 そういい終わらないうちにプイホンさんは慌てて食堂の方に配膳台を押しながら走っていってしまう。ああ、また下げにこないといけないのに、それ持って行ったら二度手間だよね‥‥‥。でも、あの慌てた様子も可愛かったから、問題ないですプイホンさん。



 そんな事を考えていた俺は暫くしてジョルジョネ大尉が部屋の扉を開け、手で俺を招き入れる合図をしたので中に入る。




 「すまないね。先程何時ものように皆と剣技の練習などをしていたら、早朝からうるさいと苦情が出てな。文句をつけてきた集団と仲良く実践訓練して来たところだ。口程にも無い奴等だったけど、君も昨日は変なのに絡まれたそうだな。報告は受けている」




 「はあ、実践訓練ですか? 相手の方が可愛そうに思えます。さぞ、可愛がったのでしょうね。ああ、そうですそういえば、この左手の紋章を見て彼らが震えていたようなんですけど。何かの意味があるのですか?」




 「はあ? そんな事あるか! 多分後ろでゴナベル奴隷長でも見たんじゃないか? 奴ら内の連中に片っ端から因縁つけたようだ。


 大陸の東の領土の連中じゃないかな。あそこは王国に併合されて間もないし。奴隷旅団所属中隊がどういう所か今一分っていなさそうであった。


 何とか伯爵って言ってたけど。奴隷旅団所属中隊に喧嘩売ったらただじゃすまない事は普通の王国の人族なら誰でも知っている」




 「えっ? 伯爵っていったら上の方の貴族じゃないですか? そんな事して大丈夫なのですか?」




 「ああ、そうか君はこの国の爵位に付いて知らないからな。一応俺も男爵なんだけどな、この国には男爵なんて掃いて捨てる程居るから気にする事は無い。


 上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の五つの位があってこの国には公爵は八家しかない。侯爵から子爵まで上級と普通、それに下級とはいわないで準と言って三段階にそれぞれ分かれている。


 それでな準子爵から上が領地を与えられて税金や治安、その他の仕事を国王に成り代わって治めるんだ。他の国と違う所は領地が自分の土地ではないって事かな。上手く領地を治めれば更に広い土地を治められるように爵位が上がる。


 しかし、不手際を起こすと良くて降格、悪くてお家断絶なんて結構聞く話しだ。だから、皆必死になって領地を上手く治める努力をしている。


 それに住民に叛乱を起こさせたりすると公開処刑もあるからな。この王国で威張り散らす貴族はそんなにいない。居るとしたら、最近併合されて新たにこの王国の爵位を貰った者か本当の馬鹿くらいかな?」




 「でも、そのお家廃絶になって、不平を言う貴族はいないのですか?」




 「ああ。それで、男爵位なんだが。貴族の子弟で家を継げない者や、そのお家断絶で家名がなくなった者にも一応は新たに上にいける仕組みがあってな。それが、軍人になったり、王国の官僚になる等、新たに仕事に就くと一律準男爵位に叙任される。そこから事を成していけば爵位が上がり、将来はお家復活がかなったり、新たに家名を作る事を許される」




 「へー、俺の知ってる貴族とは大違いですね。俺の所は政治の腐敗の原因の一番は貴族の腐敗でしたから、ここじゃ腐敗する暇がなさそうですね」




 「そうなんだ。だから権力闘争なんてしてる暇はないし、それに領地を治める貴族の家長は王都に五年、領地に五年と交互に仕事をしなければならない。王都に来ている時は代理人、大体は貴族の子弟だな。領地に来ている時はその逆だ。


 それぞれ領主としての公務に励んだり王都にきている時は官僚の仕事を任される。だからあほな領主じゃ勤まらないし、その子弟も間抜けでは務まらない。特に子弟は必ず官僚の試験を通らないと官僚になれないから。あと三年もするとその併合された領地の貴族どもは慌てるだろうよ。


 新しく準子爵以上になって、領地を治めると最初の十年はその交代を免除されてその領地を治める事に専念できるんだ。しかし、十年が経つとその交代が始まり次の五年で領地の監査が入る。それで大抵はお家断絶になる家が出てくるからな。


 ああ、その交代する仕組みを『五公交代』という。五年交代で公務に付く事を意味している。だから、今朝の何とか伯爵もその内廃絶かもな。


 あと、厳しいのは貴族ばかりじゃない。国王になるのも大変でな、その王子は十歳になると貴族専門の寄宿舎に入れられて礼儀作法や各種講義などをみっちり叩き込まれる。


 十五歳になると成人の儀式が行われしだい、五年間の王国内の視察旅行がある。これはどんな王子でも必ず行かなければならない。あの、奴隷王事件で活躍した王子もその仕来りのお陰で助かった事に由来している。王国の王子を鍛える為に建国当初から始まっていてな。今も脈々と続いている」




 「え、それでは暗殺とかされる恐れがないのですか?」




 「ああ、過去にはあったようだけど今は奴隷旅団所属中隊と共に視察するし俺らにはぎりぎりにならないと教えられない。それに、急に中隊を変わる事もしょっちゅうあるしな。中隊に刺客を送り込むのは至難の業だ。


 そうやって王国中を巡るが、その時から国王の為の選抜試験のようなものが始まっていてな。王子の行動は監視されていて点数みたいな物が付けられる。そして、旅行から帰ると今度は王国の直轄地の役人の仕事が与えられる。もうそれからはその王子らの行動一つ一つが次の皇太子の試験のような物だ。


 皇太子に選ばれても安穏とは出来ない。国王陛下が崩御するまでは選抜試験は続いていて、崩御の後に最終的な点数みたいな物の結果と八家の公爵、それに貴族の了承を経てようやく次の国王になれるのだ。選ばれた結果の点数みたいな物は王国中に発布されるから不平を言う者は居ない」




 「うわー、貴族も貴族なら国王陛下も大変そうですね。俺じゃ無理です」


 そんなことを言って、情けなく空笑いしか出来なかった俺である。




 「そうしないと周りの国に攻められて滅ぼされたよ。国内で権力争いなんかしては小国止まりだったかもしれない。四百年前に大陸を統一するという目標があったから上手くいってたのかもしれないな? それが無かったらどうなっていた事か‥‥‥。


 では、今日の分の仕事を頼むよ。君の仕事は毎日有るからね、道具は指揮車から持って来てあるから心配しなくて良い」




 「はい、分りました。他の皆さんは何か外で仕事をしてるのですか?」




 「ああ、今日は城壁の補修の手伝いをしている。君も後で連れて行くから、後は頼んだよ。俺は用事があるから席を外す。終わってもここにいるように」




 そういってジョルジョネ大尉は荷物を持ってこの部屋から出て行ってしまう。


 そして、部屋に残され何時ものように計算を始める俺であった。





 次話へつづく

次話は明日11/17の夜に投稿します。

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