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奴隷から始まる異世界旅行記  作者: 三之山勝
《 第1章 異世界で迷ったら奴隷になった 》 
23/229

<1-22> 「年季奴隷と魔獣  (前編)」

最新の本文修正日は2014年11月1日です。

 新たな楽しみを見付けた俺ですが、「エンピッツ」の特許をガルボルテ工作長が商工業組合という所に出したそうで受理されれば報奨金が出るそうだ。


 そんな事で、早く報奨金を拝みたい。野営地に着き「エンピッツ」と呼ばれた鉛筆の改良や新たに色鉛筆とゴムの相談をガルボルテ工作長にする。


 しかし、肝心の紙の話は進展しないようだ。地道にわら半紙から始めないと駄目なようでお尻の危機はまだ当分続くらしいと、考える俺であった。






 何時ものように、ジョルジョネ大尉とアミュネス少尉達の朝練の大きな爆音で目が覚める。最近はこの時間になると自然に目が覚めるようでようやく慣れてきた。


 何時もの日課をこなしして、プイホンさんに水を出して貰う。俺は彼の動作をつぶさに観察して水の出し方の極意を盗もうと努力をしてみたが、彼は意図も簡単に水を出す為、今の所盗めそうも無い。


 顔を洗い、歯を例の木の枝で磨くが今一旨くいかない。あ~、歯ブラシの替わりも作らないといけないな~。木の枝は水につけておかないと柔らかくならないので時間が掛かる。


 あ、ちょっと先を叩いて潰せば良いのか。今度試してみるか。歯磨き用の木の枝はゴナベル奴隷長が一束を気前良く渡してくれたのでまだ沢山ある。



 そんな事を考えながら仮設の食堂に足を運ぶと、明るくなって周囲の状況が少し変わってきているのに気が付く。


 昨日までは赤茶けた荒野の風景であったが、今の風景は荒野に緑の草木がチョコチョコと生えている。そろそろ荒野が終わり、緑の大地が拝めるらしい。


 そうすると、雨とか降ってくるのかな?


 こんなテントで大丈夫なのか心配になってくる。まあ、実際に雨が降れば分るかも知れない。



 そうやって周りを見ていると、どうやら俺の番らしい。お盆に、朝飯を乗せられ、例の薬が置かれる。水も貰ってテーブルに着いた俺は今日のスープの具を見て首を傾げる。


 芋はいつもどおり16分の1にして貰ったが今日は肉が入っていた。昨日の夕食のスープの具を思い出すと急いでいた為、余り気にしていなかったが確か肉が入っていた事を思い出す。


 熱病でうなされる前は馬車村以外では朝晩肉は入っていなかったよね。肉をこの前の化け物級の猪から調達できたから朝晩肉が出ているのかもねと、独り納得して肉を口に運ぶ。


 柔らかくておいしい、豚肉のように肉片の端の方に脂身が付いていて、口の中で解ける。しかし朝から肉はちょっとヘビィーだよね。しかし、食べれる時に食わないとまた肉にはお目にかかれないかもしれない。


 斜め正面のプイホンさんは美味しそうに肉を方張り、食べ終わると木の大皿を舐めまわして、舐め終わった後に残念そうに皿を見てため息を付いていた。



 いやいや、君って結構肉をあちこちで食っているよね? 昨日も食べたのにそんなに哀しそうにするのはどうかと思うよ。


 でも、その髭が下がりしょげている残念そうな雰囲気も可愛いよ! 諦めたのかお盆を持って食器を下げにとぼとぼ歩いていってしまう。



 周りも人が疎らになり、俺も慌ててパンを革袋に仕舞い、ご飯を片付け薬を飲み干して更に口直しに水を飲む。


 秘書の仕事道具を取りに行き、大尉の指揮車に乗り込む。何時も通り、少し待たされるようなので俺は日記帳を出して、昨日の日常を「エンピッツ」で書き出し数日前の話も遡って書き足した。


 当然、日常的な事ばかりで万が一読まれても別にかまわない内容ばかりにしておく。そして、ここに来た日にちを逆算すると、どうやら俺はここの大陸に来て今日で14日目らしい。


 冬上月の17日頃にここに来て長く感じたが4日ほど荒野を彷徨った計算になる。もっと彷徨ったような記憶があったがまあ実質3日半ぐらいであろうか、我ながら情けなくなる。まあ、事情が分らなかったし仕様がないよね、今の所何の能力も無いのだから。



 そんな事を考えながら日記を付けていると、いつの間にか、アミュネス少尉が居なくなり馬車の発車の合図がして動き出していた。その様子を見ていた俺の視線とニコニコしていたジョルジョネ大尉の視線が交差する。


 「あの~、そろそろやりますか? それに何か嬉しい事でもあったのでしょうか? ニコニコしてこちらを見られても、何も出ませんよ?」




 「ああ、ごめん。な~に、君がその日記を使ってくれているのが嬉しくてね‥‥‥。君ね、アミュネス少尉のような事を言わないでくれ、それを言われると哀しくなるから」




 そういって彼はガッカリした表情になっているが目はガッカリしてない。何時もの演技のように感じてしまう。


 動く馬車の壁を伝い、前の席に足を運び席に着く。日記を封印して仕舞い、算盤や木の板を出し何時ものように計算の準備をしていると、ジョルジョネ大尉が自分の座席の横から羊皮紙の束をテーブルに載せてくる




 「今日も昨日と同じで二十枚程だから、後は頼むね」




 そう言い残し、彼は後ろの席に行って横になり寝てしまう。う~ん、彼は何時も寝ているけど、普段は寝ていないのか?


 ああ、軍隊だから交代に歩哨している? でも、彼はここの隊長だから寝ていても良いよね? 良く分らないが俺の知っている軍隊とは少し違うのかもしれないね。



 俺は何時もの如く羊皮紙を捲り、内容を確認していく。昨日と同じような内容でこれといって難しい物ではなかった。これなら2時間も掛からないで終わると思う。そして、計算をやり始める俺であった。






☆  ☆  ☆






 後ろで寝ていたジョルジョネ大尉は横になりながらチラチラと薄目でリョウジの様子を確認していたのはリョウジは計算に熱中する余り気付いていなかった。


 そんな彼は心の中で呟く。



 ああ、どうやら彼は日記を書いてくれているようだ。まあ、どうせ大した事は書かないと思うが、本命はそっちじゃないよリョウジ!


 昨日も彼が寝た後に確認したけど、あっちも大したことは書いてなかったな~‥‥‥。




 そんな事を心の中で呟きジョルジョネ大尉はつかの間の仮眠を取り始める。






 一方、昨日の晩にリョウジから色々と注文を聞いて頭を悩ます老人? いや、ガルボルテ工作長である。




 あっちこっちに、問い合わせをする為に手紙をしたためていた。聞いた事も無い『ゴム』とかいう物の事や「エンピッツ」に色を付けることが出来るかという事だ。


 そんな彼は愚痴のようにぶつぶつ呟きながらそんな作業に没頭しては思い出したように手が止まり、また手を動かす。



 ワシの弟子の二人にはリョウジが言っていた紙について調べさせようと考えたが、奴らの専門が武具や防具、道具や農具の金属や革製などの分野しか教えていないので無駄だと悟り話さないでいた。



 奴らは同族の山人族の少年で150歳程の若造と人族の少年で13歳だったか。今奴らはこの馬車の前部の箱型に入って金属の書物を読み自分の研鑽に勤めている。


 ワシも長く職人をやっているが、今回のは当たりだったと思っていた。奴らは暇さえあれば書物を読み、ワシに疑問をぶつけて来て教え概のある奴らだ。


 人族の方は前の奴隷旅団所属中隊で、町に寄った時に見付けたっけか? 同族の奴はドグマァン工房組合で俺の噂を聞きつけてやって来たらしいが今の所は無難にやっている。


 同族の奴はなんだか、王都の工房に残してきた娘を思い出してしまう。そういえば娘も150歳は越えていたよな~‥‥‥、ワシらは長生きしすぎて歳には無頓着だからな~。


 そういえば、ワシは500歳から年齢を数えていなかった事を思い出す。



 奴隷事件後に一旦奴隷から開放されたので生まれ故郷の山に帰って親族が作った出来たばかりのドグマァン工房組合の工房に入った。


 暫くして、今のかみさんにその組合で出会ってお互いに同じような研究をしていた為、良く仕事の後に酒場で語り合った事を思い出す。


 何時も途中に酒が無くなり不便なので、そこには通わないで自作で酒を造っては味見を彼女にさせたよな。


 あれが気に入られたのかな? それとも酔った勢いで勇気を出して婚約を申し込んだのが良かったのか、今も俺には分らない。しかし、彼女は婚約を受けてくれた。



 いざ、自分に娘が出来た時は喜んでしまった。だが、ワシには家族がいない。あの奴隷王事件で同じ奴隷だった親父と母様は死んでしまった。


 ああ、思い出すのも忌々しい。しかし、王国も変わってワシらは丁重に扱われるようになると研究に打ち込む環境が良くなって本当に良い時代になったもんだ。



 今は娘とかみさんとで一緒に商工業組合の工房で同じ研究をやってる。本当なら各地の鉱物や産物を大陸を渡り歩き、探して彼女らに送りたいが。まあ、この中隊でも同じ事が出来る。


 しかも、給料を貰って大陸各地を巡る事ができる。だから、何年前からだったか忘れたがこのような奴隷旅団所属中隊と一緒に仕事をやってる。



 そろそろ娘も年頃になって、連れ合いでも見つけたかな? ああ、ワシの時は彼女も両親が奴隷王事件のお陰で亡くなっていたから挨拶とかしなかったが。


 今度は俺の方に挨拶にくるのか? そう考えるとなんだかむず痒くなってくる。俺みたいに苦みばしった良い男なら良いし、さらにワシらと同じ研究をしている奴ならもっと良いが‥‥‥。






 そうため息を漏らしながらガルボルテ工作長は工房への手紙を認めていた。






 そんな彼らと同じようにリョウジの事を考えている人物がもう一人、聖獣に跨りながら中隊の馬車列の500m程前を進んでいた。






 「う~、どうやって、奴から姫様と何を話していたか聞くか? 何時も邪魔されてばかり‥‥‥。ちょ~むかつく~!!


 はあ~、考えていても良い案は浮かばないよ、あたいの頭はそんなに良くない! 

 きっと、あの前を歩くボグフム姉さまに叩かれてばかりだから!」




 そう小声でつい呟いたクワビムは後ろを振り返った狼顔のボグフムにビクついてしまい、聖獣から落ちそうになる。


 慌てて、体勢を建て直しメルディム護衛隊長の合図を聞いて慌てて一号車に向かう。そして、テントが丸められた所に挟んでいてた長い棒を聖獣の背中に立ちながら引き抜く。


 その棒を両手に持ちながら聖獣に跨り、一号馬車を追い抜き500m程離れて所で石畳の道の溝にそれをはめ込んだ。




 次々に馬車は速度を落としてその棒に乗り上げ、石畳の道をそれて行き、やがて停車してしまうのであった






☆  ☆  ☆






 そんなそれぞれの思いを知らない俺は指揮車の中で今日の分の仕事が終わり、次の時間は何を聞くか考えていた。



 ああ、何を聞くかな~。そういえば、聖獣って、ああ人族は魔獣って呼んでいたか。あれの事が気になる。


 そう、クワビムさんが乗っている大虎に一度で良いから乗ってみたいよね。まあ、馬にも乗った事ないけど、やっぱりクワビムさんと仲良くならないと駄目なのか?


 う~ん、それでも乗ってみたいな~。それが無理なら寝てる所に行って一緒に寝てみたい。肉球は硬そうだから寝転がって貰いお腹の方にジャンプして抱きついてみたい。


 さぞモフリ概のあるお腹であろう。ああ、クワビムさんにではないですよ? 彼女の聖獣の方ですから勘違いしないでね。




 そんな事をニヤニヤしながら考えていると、計算の方はどうも良いようで彼もニコニコしながら俺の顔を見ていたことに気付く。


 「あの~、次の時間は色々聞きたいことがありましてよろしいでしょうか?」




 「ああ、軍機以外はいいとも。それで何を聞きたいのかね?」




 「魔獣についてなのですが、ここの中隊にも居ますよね。それにこの間見た『猪』あ、その『猪』なんですがあんな大きいものは、多数この大陸に居るのでしょうか? ちょっと気になりまして」




 「ああ、魔獣か、この間のは荒野や荒地、後は偶に草原に居て『岩猪』は魔獣っていうか、魔獣の順位から行って最低の物だな」




 え~~~~っ、あれで最低なのか? ありえないだろ。そんな驚いた俺の顔を見ても動じないジョルジョネ大尉は次々話を進める。




 「この国には魔獣に順位をつけているが六段階あってな。上から『ショウ』『チク』『バイ』『コウ』『オツ』『ヘイ』と、なっている。先程の『岩猪』は『オツ』か『ヘイ』の順位の魔獣に当たるかな」




 松竹梅に甲乙丙だと、勇者が付けた適当なランクかな? あの大きな『岩猪』が最低ランクって恐ろしすぎるぞアラレスティ大陸。




 「平地では精々『コウ』迄かな、ああ、偶に『コウ』『オツ』『ヘイ』の下位の魔獣が濃密な魔素が湧き出る所によって、影響を受けると凶暴化して討伐の対象になることがある。その時は大抵順位が二段階上がると思って良い。そんな魔獣を見たら隠れるか逃げた方がいい」




 竜脈みたいな所かな? 魔素って湧き水みたいに湧くのか? そこら中にあるって言っていたけど良く分からん。


 「話の途中ですいません、その濃密な魔素が湧く場所って何処ですか?」




 「ん? ああ、それは良く分っていないんだ。突然そんな場所が出来たり、消えたりしてな。軍や学院も研究してるようだが良く分からないそうだ」




 不思議なパワースポットか~。ああ、そんなのも一時、流行ったよな~。




 「それでな、そんな魔獣を倒すのも大陸を巡回する中隊の役目の一つでもあるけどな。この中隊なら『チク』ぐらいの順位でも楽勝だと思うけど? そんなに怖がる事ないぞ」




 「え~~~~、大尉~、俺は戦えないですよ! 俺の戦闘能力は限りなく無に近いですよ?!」




 「そんなに慌てなくてもいい、落ち着いて話を聞きなさい! 君は頭を使う方が向いてるから心配しなくても他の護衛隊員に任せれば良い。


 それに、『ショウ』の最高位は伝説級だからここ千年は現れていないから気にしなくても良い、あれは天災が起きたと同じ物だからな。それに『チク』と『バイ』の上位の魔獣は大森林の奥地に行かないと出てこないからあんまり心配する事は無い」




 ああ、涙目で訴えてしまったのが恥ずかしい。だけど、武道と名の付く物はやった事がないし、第一そんな度胸があればあんな会社辞めて違う職種に就いてるよ!




 「ああ、それとメルディムの部下の事だな。俺も獣人族の生態は良く分からないけど。聞いた話しによると彼女らの聖獣は俺らが呼んでる魔獣とはちょっと違うらしい。


 ボグフムやクワビムぐらいの高貴な身分だと、代々彼女らの種族と共にこの大陸に来たようでな。彼女もそうだが代々その家っていうか、家族に所属するって言うか、うまくいえないけど一身胴体なんだ。


 森に聖獣を探しに行かないで、彼女の親に付いて来た聖獣が彼女が生まれた時に自分の子供を連れて来るそうだ。そして、彼女と共に育ち、十五歳で成人すると俺も良くわからないのだが儀式をして契約のような物をするらしい。


 そうやって、彼女と聖獣は一心同体になり彼らの主人である森人族に使えるそうだ。そこらへんの経緯は俺にも良く分からん。クワビムは最近、前の森猫種の獣僕と交代してな。


 その森人族は長命だからな。あと、5年もしない内に森狼種のボグフムも新たな森狼種の獣人と交代するんではないかな?


 彼女は確かもう二十年近く使えているはず。そろそろ故郷に戻って子供でも作るはずだ。なんだかんだいって、彼ら森狼種と森猫種も長生きだからな。まあ、森人族よりは遥かに短いけど人族よりは長く生きるらしい。


 あ~、確か人族の二倍生きるって言ってたかな? 多分原種に近いと長命なのかもしれないな。プイホン君みたいに町や村に住む種族は殆ど人族と変わらない年齢で亡くなるからな。


 他の獣人族の一部にも聖獣を連れている種があるといわれているが俺もあまり詳しくは分らないな~。一緒に仕事でもすれば分るけど、俺が知ってるのはメルディムに付いてきた連中しか知らないし。


 ああ、それとな。偶に人族と獣人族が御互い気が合って連れ合いになる事があるけど、子供は出来るから気を付けた方がいい。生まれた子供の血が人族に近いと獣人の集団から爪弾きにされて、差別はされないけどその集団に属せ無くなっちゃうからな。


 それに、獣人の特性が無くなっちゃうと、もう彼らは見た目が獣人族であっても、人族として生きて行かないといけないからな。君はそんな事はしないと思うけど、そこらへんは節度を持った方がいい」




 何ですと! そんな事が出来るのか? いやいや、今は仲良くなる以前の問題だから、問題ないと思うけど。そんな事まで考えていなかった。大体同じ人族さえ、仲良くなる方法が分らないのにいきなり「ベリーハードモード」なんか選べないよ!


 「はあ、そんな事は考えてもいなかったです」




 「奴隷王事件前は結構町にそんな交配種があふれていたけどな。今は自由恋愛の結果で大きい町なんかで交配種を見ることが出来る。注意しておくけど彼らの多くは人族だから、間違っても「獣人族ですか?」なんてあほな事は聞くなよ!」




 そうすると、よくある獣耳を持った少女とか居るのだろうか? これは町に行って、是非探索してみたいが、無理だろうね~。だって、俺は奴隷だし、自由に町なんか散策なんか出来ないよね?




 「まあ、仲良くなる事は良いけど節度を持てば問題ない」




 「はあ、気を付けて、心に刻んでおきます‥‥‥。話は戻りますが、その『岩猪』は何を食べるのですか?」




 「ああ、荒野には『土兎』って言うのが居てな、それを食べたり、君が食べたという棘だらけの植物も食べたりする。あっ、何でも食べる雑食性だった。偶に旅人の馬車が襲われて馬や人族も食べちゃうって話も聞いたな~‥‥‥」




 ひえ~~~、やっぱりそうだよね~。俺って運が良いのか。、あの時は野垂れ死によりそっちの危険があったのか‥‥‥。うう、また俺を脅してるよジョルジョネの旦那、勘弁してほしい。




 「これから向う、山地もそんなのがゴロゴロしているから、不用意に野営地から離れると襲われたりするから気を付けた方がいい!!」




 また、否な雰囲気でジョルジョネ大尉はいやらしい顔になってくる。ああ、折角、紙の原料を探そうと思っているのに~。




 「ああ、そろそろだな、今日はこんな所かな?」




 ジョルジョネ大尉はそういって馬車の停止の合図をする。俺は道具を片付け、今日もまた恐ろしい事を聞いてしまった。そんな事をちょっと後悔はしたが、クワビムさんの事を少し聞けたので満足である。



 暫くして馬車が止まる。大尉に挨拶をして指揮車を出て、プイホンさんの手伝いをする為に1号馬車に向う俺であった。




 中編へつづく

次話は10/29の夜に投稿します。

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