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154/159

戦闘記録

第154話 戦闘記録

数日後。

セレフィア神聖国。

世界連合軍本部。

大きな会議場。

そこに。

各国。

各組織。

多くの人が集まっていた。

正面。

教皇。

その隣。

アルヴィス。

アン。

ガレス。

レオンハルト。

各国代表。

そして。

僕たち。

ベラ。

僕。

カイル。

エリシア。

最高指揮者直属遊撃隊《黒翼》。

少し離れた場所には。

シノブ。

その隣。

サスケ。

「では」

アルヴィス。

立ち上がる。

「これより、先日の戦闘について確認を行います」

一拍。

「対象」

正面。

大きな魔道具。

光。

灯る。

「大天使ゼファリエル直属《四熾》が一柱」

映像。

映る。

白い。

機械のような装甲。

翼。

白い槍。

「カシエル」

会議場。

静かになる。

実際。

戦った。

僕でも。

こうやって見ると。

「……でかいね」

「今さらですか」

隣。

エリシア。

「戦ってる時はあんまり考えないから」

「少しは考えてください」

「考えてるよ」

「本当ですか?」

「たぶん」

「それは考えていない人の答えです」

カイル。

小さく笑う。

アルヴィス。

こっち。

一度。

見る。

「続けても?」

「あ、はい」

ベラ。

呆れ。

ため息。

「緊張感がないの」

映像。

進む。

最初。

アン。

カシエル。

激突。

赤。

白。

ぶつかる。

《紅槍》。

《紅月》。

《紅雷》。

そして。

《紅煉獄》。

会議場。

何人か。

息。

呑む。

ガレス。

腕。

組む。

「……改めて見ると」

アン。

見る。

「相当やってるな」

「そうですか?」

「そうです」

レオンハルト。

即答。

「これを普通だと思わないでください」

「普通とは思っていませんよ」

次。

黒。

ベラ。

参戦。

黒炎。

白い魔力。

赤い魔力。

三つ。

ぶつかる。

空。

揺れる。

地面。

割れる。

映像。

少し。

乱れる。

「よく撮れておるの」

ベラ。

感心。

サスケ。

頭。

下げる。

「可能な限り距離を保ち、複数の記録具を使用しました」

シノブ。

続ける。

「一つが破損しても記録を失わぬよう、複数方向から記録しております」

アン。

頷く。

「素晴らしい判断です」

「恐縮です」

映像。

切り替わる。

別地点。

村。

そして。

空。

亀裂。

十体。

天使。

降りる。

僕。

カイル。

エリシア。

前。

出る。

会議場。

静か。

映像の中。

僕たち。

戦う。

《星律》。

星。

カイル。

エリシア。

渡る。

三人。

動く。

十体。

一体。

また一体。

倒れていく。

「ここです」

アルヴィス。

映像。

止める。

「この十体についても、カシエルには及ばないものの、従来確認されていた天使より高い戦闘能力を持っていたとの報告です」

シノブ。

頷く。

「間違いありません」

「三名で十体を?」

各国代表。

一人。

聞く。

「はい」

エリシア。

答える。

「住民の避難が完了するまで、その場を維持する必要がありました」

「最終的には」

アルヴィス。

資料。

見る。

「ソル四体」

僕。

「カイル四体」

「おう」

「エリシア二体」

エリシア。

小さく。

頷く。

「合計十体。全て討伐」

少し。

ざわめく。

僕。

なんとなく。

居心地。

悪い。

「こうやって数字で言われると変な感じ」

「何がだ?」

カイル。

「いや、四体倒しましたって」

「倒しただろ」

「そうだけど」

ベラ。

鼻。

鳴らす。

「今さら恥ずかしがるでない」

「恥ずかしいわけじゃないけど」

「では何じゃ」

「分かんない」

「なら黙っておれ」

「はい」

映像。

再開。

十体。

全滅。

そして。

僕たち。

カシエル。

戦場。

向かう。

次。

カシエル。

変わる。

白い装甲。

ひび。

入る。

内側。

魔力。

膨れ上がる。

次の瞬間。

外装。

内側から。

弾け飛ぶ。

会議場。

空気。

変わる。

初めて。

見る者。

多い。

装甲の下。

人に近い。

細い姿。

頭上。

白い光輪。

背中。

高密度。

白い魔力。

集まる。

二枚。

翼。

形成。

される。

アルヴィス。

映像。

止める。

「ここから、カシエルの戦闘能力が大幅に上昇しています」

アルカディア。

研究者。

立つ。

「確認された能力について報告します」

資料。

広げる。

「第一に、背部の魔力翼」

映像。

拡大。

「この翼を構成する羽根は、一枚一枚が高密度の魔力によって形成されています」

映像。

羽根。

飛ぶ。

「遠距離攻撃が可能」

別。

映像。

ベラ。

《黒閃》。

翼。

防ぐ。

「防御にも使用」

さらに。

破壊。

された羽根。

戻る。

「そして、再形成」

ざわめき。

「攻撃、防御、飛行。その全てを一つの翼で行っています」

ガレス。

眉。

寄せる。

「厄介だな」

「はい」

研究者。

頷く。

「さらに」

映像。

進む。

羽根。

集まる。

巨大。

白い刃。

形成。

地形。

切り裂く。

「羽根を集合させることで、より大規模な攻撃へ転用することも可能」

レオンハルト。

静か。

映像。

見る。

「これを通常部隊で受けるのは危険ですね」

「俺も同意だ」

ガレス。

答える。

「防御隊形を組んでも、一撃で崩される可能性がある」

アン。

頷く。

「ですから」

全員。

見る。

「今後、《四熾》と確認された個体に通常部隊だけで接触することは禁止します」

静か。

「発見した場合、戦闘より報告を優先」

一拍。

「周辺住民の避難」

「そして、対応可能な戦力が到着するまで距離を維持してください」

ガレス。

頷く。

「全軍に通達する」

「お願いします」

映像。

また。

進む。

僕。

《心眼》。

使う。

光輪。

翼。

魔力。

流れ。

見る。

カイル。

槍。

使って。

僕。

飛ばす。

エリシア。

《聖壁》。

空中。

作る。

僕。

踏む。

星。

一つ。

置く。

方向。

変える。

そして。

《明星》。

光輪。

斬る。

小さな。

ひび。

入る。

「止めてください」

研究者。

映像。

止める。

「ここです」

光輪。

ひび。

拡大。

「ソル殿が光輪を損傷させた直後」

映像。

少し。

進む。

翼。

再形成。

明らか。

乱れる。

遅れる。

「魔力翼の再形成能力が低下しています」

教皇。

映像。

見る。

「つまり」

「少なくともカシエルについては」

研究者。

答える。

「この光輪が魔力翼の制御に関係していた可能性が高いと考えています」

「弱点?」

僕。

聞く。

「可能性はあります」

「なら、残りの三柱も」

「ソル」

アン。

僕。

見る。

「同じとは限りません」

「あ」

「《四熾》という立場が同じでも、能力まで同一とは限りません」

「そっか」

「今回の情報は、あくまでカシエルの情報です」

研究者。

頷く。

「その通りです」

アルヴィス。

記録。

取る。

「では、光輪については重要観察対象。ただし、他個体にも同様の性質があるとは断定しない」

「お願いします」

次。

映像。

進む。

カシエル。

僕。

最優先。

狙う。

羽根。

大量。

飛ぶ。

「……」

僕。

見てる。

「これ」

「何ですか」

エリシア。

「改めて見ると怖いね」

「今気づいたんですか?」

「戦ってる時は必死だったから」

「だからあなたは」

「待って」

映像。

僕。

動く。

一つ。

二つ。

三つ。

同じ場所。

星。

重なる。

「あ」

嫌な予感。

「止めろ」

ガレス。

言った。

映像。

止まる。

「……」

会議場。

全員。

僕。

見る。

「え?」

ガレス。

正面。

僕。

見る。

「ソル」

「何?」

「これは何だ」

「星を三つ重ねて」

「それは見れば分かる」

「じゃあ何?」

ガレス。

眉間。

押さえる。

「この使い方は以前から?」

「いや」

「いつ考えた」

「この時」

沈黙。

「……この時?」

「うん」

「実戦中に?」

「うん」

ベラ。

額。

押さえる。

「お主……」

「でも成功したよ?」

「そこではないわ!」

声。

響く。

僕。

肩。

跳ねる。

「前にも言うたであろう!」

「何を?」

「初めて使うものを最大出力で試すなと!」

「今回は最大出力じゃ」

「そういう問題ではありません」

エリシア。

被せる。

「私も初めて見ました」

アン。

手。

上げる。

「私もです」

ベラ。

「妾もじゃ」

ガレス。

「俺は当然知らん」

レオンハルト。

「私もです」

僕。

カイル。

見る。

「カイル」

「俺は面白かった」

「ほら」

「ほら、ではありません」

エリシア。

冷たい。

カイル。

笑う。

「三つ重ねたらどうなるんだろうなとは思った」

「カイル」

「悪かった」

エリシア。

強い。

映像。

再開。

三つ。

重ねた星。

僕。

踏み抜く。

一瞬。

消えたように。

加速。

カシエル。

懐。

入る。

会議場。

また。

ざわめく。

「……速いな」

ガレス。

呟く。

レオンハルト。

頷く。

「目で追うのは難しい」

ベラ。

僕。

見る。

「じゃが」

「何?」

「二度と何も言わずに試すでない」

「分かった」

「本当じゃろうな」

「たぶん」

「ソル」

全員。

声。

重なる。

「はい」

次。

最終局面。

カシエル。

ベラ。

気づく。

逃げようとする。

アン。

《紅槍》。

四本。

カシエル。

囲む。

「繋げ」

赤い魔力。

鎖。

四方。

伸びる。

腕。

胴。

翼。

拘束。

カシエル。

暴れる。

一本。

切れる。

二本。

三本。

そして。

ベラ。

詠唱。

続けている。

会議場。

誰も。

喋らない。

映像の中。

最後。

鎖。

切れる。

同時。

ベラ。

前。

出る。

『――《黒天終焉》』

黒。

広がる。

白。

呑む。

カシエル。

身体。

黒炎。

侵食。

光輪。

ひび。

広がる。

割れる。

そして。

何も。

残らない。

映像。

黒。

静か。

終了。

会議場。

沈黙。

しばらく。

誰も。

喋らない。

ガレス。

最初。

口。

開く。

「……これが」

一拍。

「《四熾》」

「はい」

アン。

答える。

ガレス。

腕。

組む。

「一体でこれか」

レオンハルト。

映像。

消えた魔道具。

見る。

「アンタレス陛下とベラ殿」

一拍。

「さらに《黒翼》が揃って、ようやく確実に討伐できた」

「正確には」

アン。

静か。

言う。

「私とベラは途中まで、カシエルの能力を引き出すために出力を抑えていました」

何人か。

驚く。

「ですが」

アン。

続ける。

「真の姿を現して以降は、こちらも出力を上げています」

一拍。

「簡単な相手ではありませんでした」

ベラ。

腕。

組む。

「妾の《黒天終焉》まで使わせたからの」

ガレス。

ベラ。

見る。

「そんなにか」

「妾の必殺じゃ」

一拍。

「そう何度も使いたいものではない」

教皇。

目。

伏せる。

考える。

アルヴィス。

資料。

整理。

「現時点で確認されている《四熾》は」

一拍。

「カシエルを除き、三柱」

「名前、能力、所在」

「全て不明です」

「さらに」

アン。

続ける。

「その上に」

静か。

「大天使ゼファリエルがいます」

誰も。

声。

出さない。

一柱。

倒した。

大きい。

間違いなく。

大きな勝利。

でも。

映像。

見たからこそ。

分かる。

あと。

三柱。

同じ。

あるいは。

違う力。

持っている。

そして。

ゼファリエル。

教皇。

ゆっくり。

立ち上がる。

「一つ」

全員。

見る。

「今回の記録を見て、明確になったことがあります」

静かな。

声。

「今後、この水準の敵が出現した場合」

一拍。

「直接対処できる者は、限られます」

アン。

教皇。

見る。

「最高指揮者」

「アンタレス」

アン。

小さく。

頷く。

「そして」

教皇。

僕たち。

見る。

「最高指揮者直属遊撃隊《黒翼》」

ベラ。

僕。

カイル。

エリシア。

「さらに」

視線。

動く。

「世界連合軍総隊長、ガレス」

ガレス。

黙って。

聞く。

「副隊長」

「聖騎士長レオンハルト」

レオンハルト。

表情。

変えない。

教皇。

一度。

全員。

見る。

「現時点で」

一拍。

「確実に名を挙げられるのは、この水準でしょう」

静か。

世界。

各国。

軍。

騎士。

冒険者。

魔族。

多くの。

戦力。

集めた。

それでも。

《四熾》。

正面。

立てる者。

限られる。

「ただし」

教皇。

続ける。

「誤解しないでください」

一拍。

「これは、この者たちであれば単独で《四熾》を討伐できるという意味ではありません」

ガレス。

僅か。

頷く。

「接触した場合」

「生き残り」

「敵を抑え」

「住民を守り」

「増援が到着するまで戦線を維持する」

教皇。

目。

細める。

「その可能性を持つ戦力として、です」

誰も。

異論。

言わない。

僕。

少し。

考える。

「じゃあ」

教皇。

僕。

見る。

「何でしょう」

「僕たちがもっと強くなれば」

一拍。

「その時間、伸ばせるよね」

エリシア。

僕。

見る。

カイル。

少し。

笑う。

ベラ。

腕。

組んだまま。

目。

細める。

アン。

静か。

僕。

見る。

「そうですね」

一拍。

「そして」

アン。

会議場。

全員。

見る。

「次は、今回のように全員が揃っているとは限りません」

静か。

「どの国に現れるか」

「何体現れるか」

「どのような能力を持っているか」

一拍。

「何も分かりません」

ガレス。

口。

開く。

「なら」

全員。

見る。

「やることは一つだ」

「各国の警戒網を強化する」

「避難経路を再確認」

「《四熾》を確認した場合は即時報告」

「通常部隊は無理に交戦しない」

レオンハルト。

続ける。

「住民の避難を最優先」

「防御、治癒部隊を各地へ配置」

アン。

頷く。

「お願いします」

アルヴィス。

全て。

記録。

する。

教皇。

最後。

映像。

消えた魔道具。

見る。

「カシエルを倒せたことは」

一拍。

「間違いなく、世界連合軍にとって大きな勝利です」

少し。

表情。

柔らかくなる。

「ですが」

一拍。

「これで終わったわけではありません」

僕。

頷く。

知ってる。

一体。

倒した。

残り。

三柱。

その上。

ゼファリエル。

でも。

一つ。

分かった。

届かない。

相手じゃない。

僕たちは。

カシエル。

倒した。

なら。

次。

来ても。

戦える。

勝つために。

準備。

できる。

アン。

立ち上がる。

「カシエルの戦闘記録は、本日中に各国へ共有します」

「残る三柱については、僅かな情報でも構いません」

一拍。

「何か確認した場合、すぐに世界連合軍へ」

各国代表。

頷く。

「そして」

アン。

少し。

間。

置く。

「次に《四熾》が現れた時」

赤い瞳。

真っ直ぐ。

前。

見る。

「必ず」

一拍。

「今回より早く、対応します」

会議。

終わる。

人。

動き始める。

僕。

椅子。

立つ。

「よし」

エリシア。

見る。

「何ですか」

「修行しよう」

「休んでください」

「もう数日休んだよ」

「足りません」

「カイル」

「俺はやるぞ」

「ほら」

「カイルも休んでください」

「俺も?」

「当然です」

僕。

カイル。

顔。

見合わせる。

ベラ。

前。

歩きながら。

「諦めるのじゃな」

「ベラは?」

「妾は休む」

「ずるい」

「何がじゃ」

アン。

その後ろ。

小さく。

笑う。

僕たちも。

会議場。

出る。

残る《四熾》。

三柱。

まだ。

姿。

分からない。

能力。

分からない。

いつ。

現れるかも。

分からない。

でも。

次。

来る時までに。

もっと。

強くなる。

今度は。

もっと早く。

守れるように。

そして。

もっと確実に。

勝てるように。



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