集う戦力
第139話 集う戦力
黒炎。
迫る。
「右!」
僕。
叫ぶ。
カイル。
動く。
右脚。
星。
集中。
一気。
加速。
ベラ。
拳。
振る。
カイル。
槍。
受ける。
――ガンッ!!
「ぐっ!」
押される。
でも。
飛ばされない。
「右腕!」
星。
移す。
カイル。
槍。
押し返す。
「おらぁ!!」
ベラ。
僅か。
腕。
逸れる。
そこ。
エリシア。
入る。
「左脚!」
星。
移動。
エリシア。
低く。
踏み込む。
細剣。
ベラ。
脇腹。
狙う。
『甘い』
黒炎。
下。
走る。
「エリシア!」
僕。
星。
右脚。
切り替える。
エリシア。
地面。
蹴る。
後ろ。
跳ぶ。
黒炎。
足元。
抜ける。
着地。
「ありがとうございます」
「うん!」
僕。
見る。
ベラ。
カイル。
エリシア。
それだけ。
第二防衛線。
見ない。
アン。
見ない。
街。
見ない。
全部。
抱えない。
必要なもの。
選ぶ。
切り替える。
ベラ。
消える。
「前!」
《明星》。
抜く。
黒炎。
纏った腕。
刀。
ぶつかる。
――ギィン!!
「っ……!」
重い。
腕。
痺れる。
ベラ。
近い。
『以前より』
一拍。
『目がよくなったの』
「《心眼》は前からあるよ!」
『そういう意味ではない』
「?」
黒炎。
膨らむ。
「うわっ!」
僕。
後ろ。
跳ぶ。
炎。
目の前。
通る。
カイル。
横。
突く。
ベラ。
避ける。
エリシア。
反対。
入る。
三人。
囲む。
ベラ。
笑う。
『なるほど』
また。
その顔。
「何?」
『少しは』
一拍。
『仲間を使えるようになったではないか』
「使うって言い方やめて!」
『では何と言う』
「一緒に戦ってる!」
『同じじゃ』
「違う!」
カイル。
「そこ今やる話か!?」
エリシア。
「来ます」
「はい!」
ベラ。
両手。
開く。
黒炎。
左右。
広がる。
「散る!」
三人。
別。
方向。
跳ぶ。
黒炎。
中央。
爆発。
地面。
抉れる。
僕。
着地。
すぐ。
ベラ。
見る。
来ない。
「……?」
ベラ。
僕たち。
じゃない。
後ろ。
見てる。
第二防衛線。
その先。
何か。
「ソル!」
通信。
アン。
「一度下がってください」
「え?」
「第一陣が到着します」
「……!」
来た。
「カイル!エリシア!」
「おう!」
「はい!」
三人。
同時。
後退。
ベラ。
追わない。
僕たち。
第二防衛線。
手前。
戻る。
そこ。
黒い影。
次々。
現れる。
木。
屋根。
城壁。
高い場所。
音。
ほとんど。
ない。
「……」
僕。
知ってる。
黒い装束。
顔。
下半分。
布。
刀。
短い弓。
その先頭。
「シノブ!」
シノブ・カゲツ。
カグラ皇国。
隠密機動部隊。
そして。
先鋭部隊。
シノブ。
僕を見る。
「久しいな、ソル」
「早かったね」
「我々の役目は速さだ」
カイル。
槍。
肩。
乗せる。
「助かる」
シノブ。
ベラを見る。
「……」
止まる。
「どうしたの?」
「いや」
一拍。
「本当にベラトリクス様なのだな」
「本物だよ」
「分かってはいた」
シノブ。
刀。
抜く。
「だが」
一拍。
「敵として向かい合うと」
目。
細める。
「圧が違う」
ベラ。
遠く。
シノブ。
見る。
『カグラの者か』
シノブ。
少し。
頭。
下げる。
「カグラ皇国隠密機動部隊」
一拍。
「シノブ・カゲツ」
『知っておる』
「……光栄です」
『以前、ソルと共におったであろう』
「はい」
『ならば』
黒炎。
揺れる。
『あの時より強くなったか』
シノブ。
刀。
構える。
「お確かめください」
カイル。
「お前も結構言うな」
「敵を前に弱気を見せる意味はない」
「好きだわ、そういうの」
エリシア。
「来ます」
ベラ。
一歩。
前。
その瞬間。
シノブ。
手。
上げる。
先鋭部隊。
散る。
「え?」
正面。
誰も。
残らない。
左右。
消える。
後ろ。
回る。
木。
影。
地形。
使う。
ベラ。
止まる。
『ほう』
僕。
《心眼》。
必要な範囲。
広げる。
シノブ。
右。
二人。
左。
三人。
後方。
弓。
二人。
それだけ。
見る。
シノブ。
指。
僅か。
動く。
矢。
飛ぶ。
三方向。
ベラ。
黒炎。
払う。
その瞬間。
左。
二人。
出る。
刀。
同時。
ベラ。
避ける。
右。
槍。
来る。
後ろ。
短剣。
「すご」
止まらない。
一人。
攻撃。
外れた瞬間。
消える。
次。
別。
来る。
倒すため。
じゃない。
観測。
追跡。
情報。
持ち帰る。
そのための部隊。
だから。
無理。
しない。
ベラ。
一人。
捕まえようと。
腕。
伸ばす。
その前。
もう。
離れてる。
『……面白い』
シノブ。
ベラ。
背後。
一瞬。
現れる。
刀。
振る。
黒炎。
止める。
シノブ。
即座。
離れる。
『逃げ足だけは一級じゃな』
「褒め言葉として受け取ります」
『褒めておる』
「それはどうも」
カイル。
僕。
見る。
「なんか相性よくね?」
「ベラと?」
「ああ」
「やめて」
「何でお前が嫌がるんだよ」
エリシア。
「集中してください」
「はい」
でも。
シノブたち。
ベラ。
止めてる。
倒せない。
傷。
ほとんど。
つかない。
それでも。
進ませない。
「これが」
僕。
呟く。
「援軍……」
一つ。
戦い方。
増えた。
その時。
『最高指揮者』
魔道通信。
アン。
『はい』
『ヴァルガルド第一陣』
一拍。
『セレフィア国境へ到達』
「……!」
次。
『アステリア王国軍も間もなく国境へ入ります』
さらに。
『アルカディア魔法部隊、予定経路を進行中』
『魔王軍第一陣、飛行部隊が先行しています』
アン。
声。
落ち着いてる。
『到着した部隊から順次、現地指揮系統へ』
『了解!』
僕。
笑う。
「来る」
カイル。
「ああ」
エリシア。
後ろ。
見る。
遠く。
土煙。
上がってる。
ヴァルガルド。
防衛軍。
到着。
先頭。
巨大。
盾。
重装備。
列。
崩れない。
そのまま。
第二防衛線。
入る。
『ヴァルガルド第一陣!!』
声。
響く。
『世界連合軍の指揮下へ入る!!』
レオンハルト。
前。
出る。
『感謝します!』
『状況は!?』
『第一防衛線突破!』
『現在、カグラ先鋭部隊が敵を拘束!』
『第二防衛線を強化します!』
ヴァルガルド。
指揮官。
一度。
地形。
見る。
早い。
『盾兵!!』
『前へ!!』
重い盾。
並ぶ。
『第二列!!』
さらに。
後ろ。
『側面防御!!』
左右。
伸びる。
さっきまで。
一本。
だった防衛線。
厚く。
なる。
「すご……」
要塞国家。
ヴァルガルド。
守る。
ための軍。
防衛線。
作る。
速い。
数分。
いや。
もっと。
短い。
『避難路は!?』
レオンハルト。
『確保済みです!』
『予備経路は!?』
『南側!』
『ならば西側にも作る!』
『お願いします!』
すぐ。
動く。
アン。
言ってた。
到着。
現地。
合流。
指揮系統。
入る。
今。
それ。
目の前。
やってる。
ベラ。
先鋭部隊。
相手。
しながら。
ちら。
第二防衛線。
見る。
『……ほう』
また。
楽しそう。
「絶対喜んでる」
僕。
「ですね」
エリシア。
「だな」
カイル。
次。
空。
影。
「?」
上。
見る。
人。
飛んでる。
複数。
翼。
魔族。
「魔王軍!」
先行。
飛行部隊。
降りる。
先頭。
地面。
着地。
『魔王軍先行部隊!!』
一拍。
『到着!!』
ヴァルガルド兵。
横。
見る。
魔族。
魔王軍。
見る。
一瞬。
だけ。
でも。
すぐ。
ヴァルガルド。
指揮官。
叫ぶ。
『飛行部隊!!』
『上空警戒を頼めるか!!』
魔族。
即答。
『任せろ!!』
飛ぶ。
散る。
上空。
配置。
人間。
魔族。
一緒。
守る。
僕。
見上げる。
「……すごいね」
カイル。
「何が?」
「前だったら」
一拍。
「こんなの想像できなかった」
魔族。
人間。
同じ。
防衛線。
カイル。
少し。
笑う。
「今は普通だろ」
「うん」
それ。
嬉しい。
その時。
シノブ。
声。
『後退!!』
先鋭部隊。
一斉。
離れる。
「何で!?」
次。
ベラ。
中心。
黒炎。
膨らむ。
『散開!!』
シノブ。
叫ぶ。
黒炎。
爆発。
地面。
吹き飛ぶ。
先鋭部隊。
避ける。
一人。
僅か。
遅れる。
「右脚!」
僕。
反射。
星。
飛ばす。
その隊員。
付与。
「走って!」
星。
集中。
加速。
黒炎。
ギリギリ。
抜ける。
着地。
隊員。
僕を見る。
『助かった!』
「うん!」
シノブ。
僕。
見る。
『今のが』
「《星律》」
『以前のあれか』
「うん」
『だが』
シノブ。
僕。
見る。
『顔色は悪くない』
「成長したから」
カイル。
「自分で言うな」
「いいでしょ」
エリシア。
僕。
顔。
見る。
「今は問題ありません」
「でしょ?」
「今は、です」
はい。
ベラ。
黒炎。
消す。
もう。
第一防衛線。
跡。
越えてる。
第二防衛線。
前。
来る。
シノブ。
戻る。
僕たち。
横。
並ぶ。
「ここからは」
シノブ。
第二防衛線。
見る。
「防衛軍と合わせる」
「うん」
レオンハルト。
声。
響く。
『全隊!!』
『敵、第二防衛線へ接近!!』
盾。
上がる。
魔法。
準備。
弓。
引く。
上空。
魔王軍。
待機。
カグラ。
左右。
《黒翼》。
中央。
ベラ。
一人。
向かってくる。
「……」
人数。
圧倒的。
こっち。
多い。
なのに。
全然。
安心。
できない。
ベラ。
止まる。
第二防衛線。
見る。
ヴァルガルド。
聖騎士。
冒険者。
カグラ。
魔王軍。
僕たち。
赤い瞳。
細くなる。
『ようやく』
一拍。
『軍らしくなったの』
レオンハルト。
剣。
抜く。
『第二防衛線!!』
『構え!!』
ベラ。
右手。
上げる。
黒炎。
生まれる。
でも。
その時。
遠く。
角笛。
鳴る。
「?」
後ろ。
振り返る。
道。
向こう。
旗。
見える。
アステリア。
王国軍。
「来た……!」
さらに。
魔道通信。
『アステリア王国軍!!』
『セレフィア領内へ到達!!』
声。
上がる。
でも。
終わらない。
『アルカディア魔法部隊!!』
一拍。
『国境通過!!』
さらに。
『魔王軍地上第一陣!!』
『セレフィア領へ入ります!!』
次々。
来る。
本当に。
世界。
集まってくる。
ベラ。
黒炎。
手。
止める。
少し。
空。
見上げる。
それから。
笑った。
『そうか』
小さく。
『これが』
一拍。
『今の世界か』
「ベラ?」
聞こえた。
多分。
僕だけじゃない。
でも。
次。
ベラ。
顔。
上げる。
いつもの。
不敵。
笑み。
『ならば』
黒炎。
一気。
膨れ上がる。
空。
黒く。
染まる。
『もっと見せてみよ』
空気。
震える。
第二防衛線。
全員。
構える。
アン。
通信。
声。
響く。
『全員、聞いてください』
静か。
『ここから』
一拍。
『各国到着部隊を順次統合します』
『ガレス』
『はっ!』
『現地到着後』
『世界連合軍総隊長として前線指揮を』
『承知!!』
『レオンハルト』
『はい!』
『到着まで指揮を継続』
『承知しました!』
『《黒翼》』
僕。
カイル。
エリシア。
「うん」
「おう」
「はい」
アン。
一拍。
『通常部隊では止められない攻撃を』
静か。
『止めてください』
僕。
《明星》。
握る。
「分かった」
カイル。
槍。
構える。
エリシア。
細剣。
前。
僕。
星。
浮かべる。
全部。
動かさない。
全部。
見ない。
必要な場所。
必要な人。
必要な瞬間。
選ぶ。
でも。
今。
僕たちの後ろ。
もう。
三人だけじゃない。
聖騎士。
ヴァルガルド。
カグラ。
魔王軍。
アステリア。
アルカディア。
そして。
まだ。
到着していない部隊も。
こちらへ。
向かってる。
五百年前。
少人数。
世界。
守った。
今は。
違う。
世界。
そのもの。
集まってくる。
ベラ。
黒炎。
掲げる。
僕。
《心眼》。
開く。
必要なもの。
選ぶ。
「来るよ」
カイル。
笑う。
「来い」
エリシア。
静か。
「守ります」
第二防衛線。
盾。
上がる。
魔法。
輝く。
星。
浮かぶ。
黒炎。
揺れる。
世界連合軍。
対。
元魔王。
ようやく。
本当の。
総力戦が。
始まる。




