第一防衛戦突破
第138話 第一防衛線突破
黒炎。
揺れる。
その向こう。
ベラ。
一人。
第一防衛線。
数十人。
いや。
もっと。
聖騎士。
冒険者。
結界部隊。
魔法部隊。
それでも。
相手。
一人。
「……」
僕。
映像。
見てる。
『来るぞ!!』
指揮官。
叫ぶ。
ベラ。
踏み出す。
次。
消えた。
「速い!」
映像。
追いつかない。
一瞬。
第一防衛線。
中央。
ベラ。
現れる。
『囲め!!』
聖騎士。
四方。
動く。
前。
盾。
左右。
槍。
後方。
魔法。
逃げ道。
塞ぐ。
「お」
カイル。
少し。
身。
乗り出す。
「上手い」
エリシア。
頷く。
「訓練通りです」
ベラ。
周囲。
見る。
『ほう』
前。
盾。
押し込む。
左右。
槍。
同時。
後ろ。
魔法。
降る。
完全。
囲んだ。
『撃て!!』
光。
炎。
風。
土。
一斉。
爆発。
「……」
煙。
広がる。
でも。
次。
黒。
煙。
内側。
光る。
「まずい」
僕。
言った瞬間。
――ドンッ!!
黒炎。
円。
広がる。
『ぐっ!!』
『防御!!』
聖騎士。
吹き飛ぶ。
盾。
地面。
擦る。
でも。
倒れない。
後方。
結界。
受ける。
『隊列を戻せ!!』
『前へ!!』
すぐ。
戻る。
ベラ。
目。
細める。
『悪くない』
褒めてる。
多分。
でも。
怖い。
『ならば』
右手。
前。
「また来る」
黒炎。
集まる。
さっき。
より。
細い。
「……?」
広がらない。
一点。
凝縮。
エリシア。
目。
見開く。
「正面」
次。
黒。
一直線。
走る。
――ズドォン!!
盾。
結界。
正面。
ぶつかる。
『っ!!』
『維持!!』
一枚。
割れる。
二枚。
割れる。
三枚目。
軋む。
『補強!!』
後方。
結界術師。
魔力。
流す。
止まる。
「止めた!」
僕。
声。
出る。
黒炎。
消える。
第一防衛線。
残ってる。
カイル。
笑う。
「やるじゃねえか」
アン。
何も。
言わない。
じっと。
見る。
ベラ。
自分の手。
見る。
それから。
防衛線。
見る。
『……なるほどの』
嫌。
その言い方。
僕。
知ってる。
面白く。
なってる。
「アン」
「何です?」
「ベラ、楽しんでる」
「知っています」
「止めなくていい?」
「まだ規定内です」
「まだ」
そこ。
怖い。
ベラ。
歩く。
今度。
ゆっくり。
第一防衛線。
前。
指揮官。
剣。
上げる。
『近づけるな!!』
弓。
魔法。
飛ぶ。
ベラ。
避ける。
黒炎。
払う。
進む。
一歩。
また。
一歩。
聖騎士。
前。
『止めろ!!』
三人。
同時。
剣。
振る。
ベラ。
一人目。
手首。
取る。
流す。
二人目。
剣。
指。
挟む。
「え」
止めた。
指。
二本。
『なっ――』
そのまま。
押す。
二人目。
下がる。
三人目。
横。
入る。
ベラ。
身体。
沈める。
避ける。
足。
払う。
転ぶ。
黒炎。
使わない。
「……強」
カイル。
呟く。
僕も。
同じ。
魔法。
だけじゃない。
ベラ。
近接。
普通に。
強い。
『前衛交代!!』
すぐ。
次。
出る。
ベラ。
止まる。
『……よい判断じゃ』
でも。
一拍。
『じゃが』
赤い瞳。
細くなる。
『妾一人に』
黒炎。
身体。
纏う。
『いつまで人数を使うつもりじゃ?』
「《黒纏》……」
昨日。
アンとの戦い。
見た。
黒炎。
身体。
纏う。
近接。
強化。
ベラ。
踏む。
地面。
割れる。
「来る!」
次。
速い。
『っ!?』
盾。
一枚。
横。
弾かれる。
二枚目。
黒炎。
触れる。
結界。
揺れる。
三枚目。
衝撃。
後ろ。
下がる。
『左!!』
槍。
来る。
ベラ。
腕。
払う。
黒炎。
槍。
触れる。
『離せ!!』
槍兵。
即座。
手。
離す。
武器。
黒炎。
包まれる。
訓練。
だから。
ベラ。
すぐ。
炎。
消す。
でも。
その間。
もう。
次。
前。
『通すな!!』
盾。
集まる。
五人。
横。
並ぶ。
ベラ。
止まらない。
正面。
黒炎。
纏った拳。
――ドン!!
『ぐぅっ!!』
五人。
まとめて。
後ろ。
押される。
「……」
カイル。
顔。
変わる。
さっきまで。
笑ってた。
今。
真剣。
「これ」
一拍。
「第一防衛線、持つか?」
アン。
答えない。
通信。
『第一防衛線より!!』
『中央部、維持困難!!』
アン。
「第二防衛線」
レオンハルト。
『前進準備完了しています!』
「第一防衛線の撤退経路を確保」
『はい!』
「治癒部隊」
『待機しています!』
「負傷判定者を順次後方へ」
『承知!』
アン。
迷わない。
「第一防衛線」
通信。
繋ぐ。
「聞こえますか?」
『はい!!』
「無理に維持する必要はありません」
『……!』
「目的は」
一拍。
「ベラを倒すことではありません」
「時間を稼ぐこと」
「住民を逃がすこと」
「次の防衛線へ繋ぐこと」
『はい!!』
「突破されると判断した時点で」
「撤退してください」
『承知!!』
僕。
アン。
見る。
倒す。
じゃない。
守る。
アルデバラン。
思い出す。
守るためなら。
逃げろ。
生きるためなら。
逃げろ。
生きていれば。
また守れる。
同じ。
防衛戦。
勝つ。
だけじゃない。
「……」
僕。
少し。
笑う。
アン。
僕を見る。
「何?」
「ううん」
映像。
戻る。
ベラ。
さらに。
前。
出る。
第一防衛線。
少しずつ。
下がる。
でも。
崩れない。
下がりながら。
戦ってる。
『第三班!!』
『交代!!』
前衛。
入れ替わる。
『魔法部隊!!』
『撃て!!』
後方。
魔法。
一斉。
ベラ。
黒炎。
防ぐ。
その間。
前衛。
距離。
取る。
『後退!!』
一列。
下がる。
次。
一列。
残る。
攻撃。
また。
下がる。
「綺麗」
エリシア。
呟く。
「撤退が?」
僕。
「はい」
一拍。
「逃げているのではありません」
「順番に下がっています」
確かに。
誰も。
背中。
向けない。
守りながら。
下がる。
ベラ。
追う。
でも。
速度。
上げない。
「……?」
僕。
気づく。
ベラ。
できる。
一気に。
抜ける。
多分。
でも。
しない。
「試してる」
「何を?」
カイル。
「防衛線」
僕。
答える。
「ベラ」
「壊そうとしてるだけじゃない」
一拍。
「どこまでできるか見てる」
アン。
静か。
「そうでしょうね」
やっぱり。
「ベラは」
アン。
映像。
見る。
「世界連合軍の敵ではありません」
一拍。
「だからこそ」
「敵として」
「何が足りないかを見せてくれる」
ベラ。
聞いたら。
絶対。
偉そうに。
笑う。
でも。
その通り。
『第一班、後退完了!!』
『第二班!!』
『続け!!』
その時。
ベラ。
止まる。
防衛線。
見る。
後ろ。
第二防衛線。
まだ。
距離。
ある。
『……ふむ』
右手。
上げる。
黒炎。
集まる。
でも。
さっき。
違う。
黒。
細い。
一点。
極端。
凝縮。
僕。
目。
見開く。
昨日。
見た。
「《黒閃》」
アン。
すぐ。
立つ。
「第一防衛線」
声。
強くなる。
「全員撤退」
『っ!?』
「直ちに撤退してください」
『しかし――』
「命令です」
一拍。
「撤退」
『……了解!!』
指揮官。
即座。
切り替える。
『全隊!!』
『撤退!!』
走る。
でも。
ベラ。
撃つ。
「間に合わない」
僕。
足。
前。
出る。
アン。
「ソル」
「行く」
一拍。
アン。
僕を見る。
ほんの。
一瞬。
「……許可します」
僕。
地面。
蹴る。
「カイル!」
「おう!!」
「エリシア!」
「はい!」
三人。
飛び出す。
《黒翼》。
出撃。
僕。
《心眼》。
開く。
全部。
見ない。
ベラ。
第一防衛線。
撤退経路。
三つ。
だけ。
見る。
星。
出す。
僕。
カイル。
エリシア。
「カイル!」
「分かってる!!」
前。
出る。
僕。
星。
カイル。
右脚。
集中。
《星律》。
「行け!!」
カイル。
加速。
第一防衛線。
横。
抜ける。
ベラ。
黒。
指先。
向ける。
《黒閃》。
放たれる。
「カイル!!」
「おおおお!!」
槍。
魔力。
集まる。
地面。
踏む。
「――《天穿》!!」
突く。
巨大。
魔力。
正面。
黒閃。
衝突。
――ッ!!
音。
消える。
一瞬。
次。
爆発。
カイル。
押される。
「ぐっ……!!」
「右腕!!」
星。
移す。
脚。
腕。
《星律》。
踏ん張る。
槍。
押す。
でも。
黒。
強い。
「ソルさん!」
エリシア。
横。
「分かってる!」
《明星》。
抜く。
星。
脚。
腰。
腕。
剣。
《流転》。
繋ぐ。
踏む。
黒閃。
横。
入る。
斬る。
「っ!!」
軌道。
僅か。
逸らす。
黒。
空。
抜ける。
遠く。
地面。
穿つ。
――ドォォン!!
「……」
カイル。
息。
吐く。
「助かった」
「こっちも」
エリシア。
すぐ。
前。
《聖壁》。
展開。
爆風。
受ける。
第一防衛線。
撤退。
続く。
僕。
《心眼》。
確認。
全員。
動いてる。
「撤退続けて!!」
指揮官。
僕。
見る。
『すまない!!』
「大丈夫!!」
兵士。
次々。
第二防衛線。
向かう。
僕たち。
残る。
前。
ベラ。
「……」
黒炎。
消えてる。
僕。
カイル。
エリシア。
見る。
少し。
笑う。
『来たか』
カイル。
槍。
構える。
「待たせたな」
「別に待ってないと思う」
「雰囲気だよ!」
エリシア。
細剣。
構える。
「二人とも」
「はい」
「おう」
「来ます」
ベラ。
歩く。
僕。
《明星》。
構える。
「ベラ」
『何じゃ』
「手加減して」
『断る』
「即答!?」
『大天使級を想定しておるのであろう?』
「そうだけど!」
『ならば』
黒炎。
揺れる。
『妾を止めてみせよ』
「……」
カイル。
笑う。
「いいじゃねえか」
エリシア。
「カイルさん」
「分かってる」
一拍。
「無茶はしねえ」
僕。
星。
出す。
カイル。
エリシア。
付与。
《星装》。
エリシア。
自分。
周り。
浮く星。
見る。
「お願いします」
「うん」
僕。
呼吸。
一つ。
全部。
見ない。
必要。
だけ。
ベラ。
カイル。
エリシア。
第一防衛線。
撤退完了。
第二防衛線。
それだけ。
「《星律》」
星。
動く。
ベラ。
目。
細める。
『ほう』
カイル。
右脚。
星。
集中。
「行け!」
「おう!!」
カイル。
飛ぶ。
槍。
突く。
ベラ。
横。
避ける。
「右腕!」
星。
移動。
カイル。
槍。
返す。
ベラ。
黒炎。
腕。
受ける。
衝撃。
エリシア。
もう。
入ってる。
細剣。
下。
狙う。
「左脚!」
星。
移す。
エリシア。
加速。
突き。
ベラ。
身体。
捻る。
避ける。
でも。
頬。
一本。
浅い。
線。
「……」
僕。
止まる。
カイル。
止まる。
エリシア。
止まる。
ベラ。
頬。
触る。
指。
見る。
傷。
小さい。
でも。
傷。
エリシア。
つけた。
ベラ。
ゆっくり。
エリシア。
見る。
『……よい』
エリシア。
構え。
崩さない。
「ありがとうございます」
『ならば』
黒炎。
一気。
膨らむ。
「褒めた後にそれ!?」
カイル。
叫ぶ。
ベラ。
笑う。
『もう少し』
一拍。
『上げてもよさそうじゃな』
「上げなくていい!!」
黒炎。
来る。
「エリシア!」
「《聖壁》!!」
壁。
展開。
「カイル!」
「おう!」
僕。
星。
二人。
動かす。
黒炎。
衝突。
聖壁。
軋む。
エリシア。
足。
踏ん張る。
「まだ……!」
「右腕!」
星。
集中。
聖壁。
強く。
なる。
カイル。
横。
出る。
ベラ。
視線。
動く。
その瞬間。
僕。
踏む。
《彗星》。
右脚。
星。
集中。
加速。
《明星》。
抜く。
ベラ。
僕。
見る。
間。
入る。
剣。
振る。
黒炎。
受ける。
火花。
散る。
「っ……!」
重い。
でも。
押す。
ベラ。
少し。
後ろ。
下がる。
一歩。
たった。
一歩。
でも。
下がった。
「……」
僕。
見る。
ベラ。
足元。
一歩。
後ろ。
カイル。
笑う。
「下がったぞ」
エリシア。
小さく。
息。
吐く。
ベラ。
自分。
足元。
見る。
それから。
僕たち。
見る。
『三人』
一拍。
『随分と形になったではないか』
僕。
笑う。
「でしょ?」
『調子に乗るでない』
「はい」
次。
瞬間。
ベラ。
消える。
「っ!」
《心眼》。
右。
「カイル!」
星。
脚。
カイル。
動く。
槍。
受ける。
黒炎。
衝突。
「ぐっ!!」
「エリシア!左!」
「はい!」
細剣。
走る。
僕。
中央。
星。
切り替える。
右。
左。
腕。
脚。
必要。
だけ。
見る。
動かす。
ベラ。
攻撃。
カイル。
受ける。
エリシア。
差す。
僕。
繋ぐ。
三人。
一人。
じゃない。
《夜空の恒星》。
そして。
今は。
《黒翼》。
ベラ。
黒炎。
払う。
僕たち。
三人。
後ろ。
飛ぶ。
着地。
「まだいける?」
僕。
「当然」
カイル。
「問題ありません」
エリシア。
ベラ。
前。
黒炎。
揺れる。
第二防衛線。
後ろ。
準備。
整う。
そして。
通信。
『最高指揮者!!』
アン。
声。
『はい』
『カグラ皇国先行部隊!!』
一拍。
『セレフィア領内へ到達!!』
僕。
目。
開く。
最初。
援軍。
来た。
続けて。
別。
通信。
『アステリア派遣部隊、予定より早く進行中!!』
『ヴァルガルド第一派、国境へ接近!!』
『アルカディア魔法部隊、移動継続!!』
『魔王軍第一派、セレフィアへ向け進軍中!!』
世界。
近づいてる。
ベラ。
通信。
聞こえたのか。
少し。
笑う。
『ようやくか』
黒炎。
大きく。
揺れる。
『では』
一拍。
『世界連合軍とやらを』
赤い瞳。
僕たち。
その後ろ。
第二防衛線。
さらに。
遠く。
こちらへ向かう。
各国軍。
見据える。
『妾に見せてみよ』
第一防衛線。
突破。
《黒翼》。
交戦開始。
そして。
各国援軍。
セレフィアへ。
戦場は。
ここから。
さらに。
大きくなる。




