15話:あかんたれがなんや言うてはりますぅ
そんなある日、なんやあかんたれが最近、ぶつぶつと小言を連ねる事が多なりましてん。
何言うてるんかちっとも分からんのやけど、なんや妖術の練習でもしはりよんですかいな? まあ、人間はよお阿呆なことしてはりますし、そんなもんなんやろな思て、気にせえへんようにしてましてん。
せやけど、寝てる時もぶつくさ〜、ぶつくさ〜小言垂れてはりますさかい、なんかの病気でも患ってしもたんか、栄養取れてへんのやろな思て、カサカサすばしっこくて硬い餌を取って頭元置いてあげたんよ。
そしたら、うちが気いよお寝てんのに朝っぱらから「ぎゃあああああああ!」騒ぎよんどす。
ほんま堪忍してくれはりません? そう思ってましてんけど、なんやうちが折角取ってきたった餌を足で踏みちゃんこしてはりますやん? なんでそないなことするんかよお分かりまへんけど、ほんま人間って変な生き物どすなぁ〜。
もうちょい大人しゅうしとられへんどすか? そう思っても、人間の言葉はうちには分かりまへん。
そんで、ギャーギャー騒いどる思いましたら次は大人しゅうなって、うちにご飯くれる時もなんかうわ言のように呟いとんどす。
やっぱり栄養が足りひんのや思て、次は家におる毛むくじゃらで足がぎょおさんついとる長い生き物取ってきたったらまた騒ぎよる。
ほんまええ加減にせえや思いましたわ。そんなことが数日続きましてな、うちもとうとう堪忍袋の緒が切れましてん。
なに言うてんねん! って文句言うても聞いてくりゃあしまへんから、うちが人間の言葉覚えることにしましてん。
ほんま、何言うとるんか意味は分からんけど、徐々に“ポチ”だの“サビ公”っていう音が分かるようなりましてん。
それが何を現してるんか分かりゃしまへんけど、なんかの呪文なんやろな。もしかしたら仲間を呼び寄せてんのかもしれへん。
ほんま人間は変なとこにだけ、一生懸命でよお分かりゃしまへんわ。




