13話:あかんたれのために取ってきたったのにその反応なんどす?
そんなあかんたれとの生活が始まったとある日、あかんたれが急に家から消えはりましてん。いやうちが寝とる間に姿消しはったんやで? あの男、あかんたれや思っとったけど、こない可愛いうちを置いてどこ行きはったんどす? ほんま、人間は自由奔放やさかい、よお分かりまへん。ほんま参りますわあ〜。
まあ、そのうち帰って来はるやろうし、今のうちにあかんたれのご飯でも用意しといたろ思とったら、偶然ちろちろ走っとるちっこい毛玉見つけたさかい、それに狙い決めてん。
せやけどうちもまだ生まれて一ヶ月くらい。まあ、上手くいかんもんやね。
ちょこまかと動いてくれるさかい、ほんま厄介やったわ。
まあ、せやけどうちの敵やなかった。母がよお取りよるのみとったからかいな? こうやったらええかもしれへん! ってビビってきてな、その通りしたら捕まえれたわ。
もしかしたらうちは狩の才能あるかもしれへんな。そう思いながらあかんたれを待っとてんけど、待てど暮らせど帰ってこんやん!?
どないしたんや? もしかして野垂れ死んだんか? まあ、あの人間は見るからにあかんたれやったし、死んどったらしゃあないやろな。それも自然の摂理や。弱いもんは生き残る資格すらあらへんのどす。
またうちも新しい場所探さなあかんな。そう思っとったら、ガラガラってあかんたれが帰ってきよったわ。なんやガサガサと音立ててめっちゃ不快やったけど、あかんたれはなんか嬉しそうやったし我慢して、ご飯取ってきたったでって目の前にちっこい毛玉置いたったら、なんやもんすごい声で鳴きはりますねん。
ぎゃあああああああ! 言い張っててほんま驚いてうちも毛え逆立ててしもうたわ。
せやけど、あかんたれはすぐに切り替えたんか、折角うちが取ってきたったちっこい毛玉を汚いもんでもいらうように外にほかした後、なんやうちに美味いご飯くれはったわ。
一瞬、もう取ってきたらん! 思たけどまた取ってきたってもええかもしれんな。うちはそう思いながら、あかんたれがくれたご飯を完食したんどす。
その時のあかんたれの顔はなんや嬉しそうでうちも思わず『美味かったで』って報告してもわ。




