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吾輩は猫を拾ってまいった。《更新不定期》  作者: 月末了瑞
猫視点

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12/26

12話:鬼婆はほんま、ごめんどす。

 そっから意識は朦朧として、もうよお分からんなりましてん。体は震えてさぶうけど、うちもまだここで死ぬつもりありまへん。そんな気持ちでなるだけ暖を取れる場所で縮こまっとったら、気いついたら顔が怖あ鬼婆に抱き抱えられとったんよ。


 なんやこの鬼婆、うちをどうする気どすか!? そう必死に叫びとおても、体力が底を尽きとるんか、声が掠れて掠れて出やしまへん。


 ほんま、母から聞いた鬼婆と酷似しとったさかい、もう心臓バクバクもんやったんよ。今でもあないに醜う女を見ることなんかありまへん。


 それくらい怖かったんどす。ほんなら、なんや変な臭いが漂よっとるけったいな場所で、あかんたれな男がうちから離れようしてはらしまへん!?


 えっ、ちょ、待ってぇや。うちをこんな化け物(ばけもん)の元に置いていくつもりどすか!? うちは堪らんなってしもて、白い衣に身ぃ包んだけったいな男の腕から飛び出し、あかんたれな男を追おうとしたんや。


 せやったらここでも鬼婆が邪魔してきはりますねん。ほんまなんなんどすかこの鬼婆!?


 男は背中に哀愁漂わせとったし、ほんまこいつらなんなんや。うちは内心困惑しながらも必死に待たんかい! て叫んだんどす。


 そしたら、男がようやくうちのことに気づいてくれはって、なんや言うたあと、また白い衣に身ぃ包んだけったいな男にうちを引き渡して、去っていきましてん。


 うちは鬼婆の餌にされることになったらしいわ。そう覚悟を決めとってんけど、何日経っても鬼婆は姿現さへんし、白い衣に身ぃ包んだけったいな男もうちにご飯くれて、なんや身体弄るだけでなんもしてきはりまへん。


 不思議に思っとったら、急にまたあかんたれな男が姿現しましてな、うちを抱いてどっか行こうしはりますねん。


 なんどいこいつ。って噛んだろう思いましてんけど、うちを抱く男の顔は、なんやほんま嬉しそうで、この男もうちと同じ独りぼっちなんやろな。そう思たらご飯の恩義もあるさかい、当分この男の世話でもしたろかな思いましてん。せやからもちろん、噛むんも辞めてあげたんや。


 そっからあかんたれとの生活が始まったんよ。

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