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西園寺家の余白詩三十 『屋敷が自我を持つとき 七』

「この屋敷は、百年後も残っているでしょうか」

千草の音がする


「どうだろうな……残っていてほしいか?」

祥吾の音がする


柱、廊下、壁

二人が、いろいろなところを撫でる


「そうですわね……」

千草の声が少し音が途切れる


「残ってほしい気もしますが

 私たちがいなくなったら

 屋敷が寂しがるかもしれません」


「寂しがる?」


「ええ」


『屋敷』

『いなくなる』

『寂しい』


その音に、屋敷は大きな衝撃を受けた


いままで、遠くにぼんやりとあったものが

いきなり自分の中にむりやり押し込められたよう


その中で、屋敷は、自分が『屋敷』であることを『知った』


─────────────

※毎日深夜に、おやすみ前の1編として更新します。

※本編『とある大正新婚夫婦の異世界転移サバイバル!日記』の短詩集ですが、

 こちら単体でもお楽しみいただけます。

※本編↓

http://ncode.syosetu.com/n4260md/


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