第5節「再開」 ―御島 亮
「……楽しかった」
ぽつり、と呟いてみる。
まぁ、楽しかっただけで済ませるには色々ありすぎたけど。でも、二人でいるだけで、不思議と高揚感を覚えてしまう様な感じがしていた。
だから、やっぱり楽しかった。
でも次は、もっとゆっくり遊びたいな。ショッピングでも誘ってみるか?それか映画?……西宮を取り巻く問題を全部解決して、それで心から笑い会える関係になって、それで、今度こそ……。
……そこまで考えて、少し恥ずかしくなった。もう次のことを考えているなんて、まるで恋して周りが見えなくなった男子高校生みたいだ。
ふと空を見上げる。辺りはすっかり暗闇に包まれていて、月光がほのかに射している。腕時計を見やると、もうすぐ八時に差し掛かろうという頃だった。まずい、気づいたらすごい時間に。腹も減ったし、急いで帰るか。
歩くペースを早めかけたとき、ポケットのスマホが震えた。
取り出してみると、画面には、
『JUNが写真を送信しました』
とあった。
「……写真?」
思わず声に出してしまう。父さんが俺に、なんで写真なんか。
――とりあえず、見てみるか。
通知をタップし、パスワードを入力してメッセージアプリを開く。
画面に映し出されたものを見た瞬間、俺はスマホを落としてしまった。
あまりにも恐ろしく変わり果てた、幸せの象徴。
スマホを拾い上げるのに、10秒以上の時間を要した。
震える指が、「再生」ボタンをタップした。




