1154/1165
第1154話 虫の息
「ダメだろそんなもの拾ってきちゃ捨ててきなさい」
「それは出来ないの」
「うちでは飼えないぞ」
「可哀想なの……」
俺は肩をすくめる。
「もうお父さんに相談してみるわね」
「ウィルおじさんにですか?」
アイナにコントは通じない、覚えておこうね。
「コントしてる場合じゃないか、なぁスーそれイズクンゾだろ?」
「そうなの、女神にボコボコにやられちゃったの」
こんな糸切れにされて、もうなんの力も感じないじゃないか。命があるだけめっけもんだな、俺は殺されたし。
「イズクンゾ様!」
正気を取り戻したスカリーチェが駆け寄る。みんなが警戒するが俺が腕を上げてやめさせる。
「みんな、いいんだ。スー、持ち主が来たよ返してやりなさい」
「……うんなの」
スカリーチェに渡した。
「イズクンゾはもう再起不能だ、それなら持っていってもいいだろう、主人に問題があっただけでスカリーチェだけなら問題ないさ」
スカリーチェは糸くずを抱きしめて漆黒タワーから去っていった。




