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1-9 ロランside


僕に婚約者ができた。


そう父上に聞いたのは、学園の寮から帰って来た日だった。


最悪だ!!


僕は、学園で恋をして、素敵な女性と結婚したいと思っていたのに!


父上に勝手に決められた婚約者なんて...


だって、もしその人と気が合わなければ一生嫌な思いをして過ごさなければならない。


我慢して過ごすなんて。それも一生。


ーー嫌だ!


しかも、よく聞いてみるとそれが伯爵家の女。


格下じゃないか?


実は僕は、以前から結構モテている。


女性の方から寄ってきて、声をかけてくれる。


なのに、顔も見たことのない格下の女。


学園に帰って周りによく聞いてみたら、かなり貧乏だというではないか...


名ばかりの伯爵家。


これでは、僕が笑いものになってしまう。


何もいいところがない!


選ぶ立場にいるはずの僕が、父上に望まない女との婚約を決められてしまうとは...


だから僕は、父上を無視して婚約の顔合わせの日をいつまでも決めないでいた。


せめてもの抵抗だ。


ところが、僕が学園から帰ったときに、初顔合わせの日を設定されていた。


また、僕なしで勝手にだ。


もう会ってもやるものか!と思っていたけど、強引に呼び出されてしまった。


それでも、僕は絶対にこの婚約を認めない!


みんなの前で宣言してやった。


そうして、また学園に戻った。


平穏な日々に戻ったつもりだった。


しかし、あの女がなんだかちょろちょろと接触してきた。


しかも、奇妙なことばかりする変な奴。


何だよ、婚約者に贈るハンカチに野菜の刺繍って...


一番いらない!持ってるのを見られたらたまったものじゃない。


次に来た時には、息が止まるかと思ったほど驚いた!


誰だかわからない、白塗り化粧お化け。


こんな女が僕の関係者だと知られるのさえ嫌だ。


絶対、誰にも知られないように、扉はなるべく細く開けて素早く出る。


僕って苦労してないか!?


その次には、手作りクッキーだと!


好きな女性にもらうならうれしいが、嫌っている相手にもらうお菓子ほど嫌なものはない。


しかも、僕の嫌いな野菜入り!


僕に嫌われるために来ているんじゃないだろうか?と疑ってしまう。


僕がこんなに嫌っているのに、あの女、一つもめげない!


しかも、僕の友達が「一度見てみたい」と言って、毎回ついてこようとする。


なんなんだよ!


もう、こんな婚約早く解消してしまいたい。


そんな、僕に転機が訪れた。


あの女がしばらく顔を見せなかった。


このままおとなしくしてくれるならいいが、そんなはずがない。


そう思っていたある日。


変な勘が働いて、談話室に行ってみた。


恐る恐る入ってみると...


そこにあの女が待っていた。


何でいるんだよ!自分から部屋に入ったけど、自分が一番びっくりした。


そして、なんだか僕の言うことを先回りして行動し始めた。


意味の分からないことも多い。


一番驚いたのが、僕の宿題をやっていたことだった。


なんで僕の宿題を知っているんだよ。


しかも、一年生のあの女が二年生の宿題をやるなんて...本当に意味が分からない!


もらえるものはもらって提出してみたら、なんと初めて先生に褒められた。


丁寧だし、しっかり考えてあって素晴らしいだと...解せぬ!


かなりの枚数あったから、あれを僕がやろうとしたらきっと一週間はかかるな。


本当に意味が分からない。


一番信じられないのは、僕が試しに婚約解消を提案したら好きにしていいと言ったことだ。


いいのか!?婚約を解消だぞ!


なんか、おかしいからもう少し様子を見てみるか?


だけど、言質はとったから、これからは好きにさせてもらう。


婚約解消を視野に、僕は自由に恋をしよう。


最近、学園でよく話すようになったエリザベス嬢。


侯爵令嬢だし、洗練されていて僕にぴったりだ。


しかも、美人!


はあ~。これからが楽しみだ。




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