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2-1 目覚めたら、前世の記憶を思い出しました


あれ?


私電車に乗って会社に向かっている。

ここは東京。

そして、私は会社員。

事務系の仕事を一生懸命頑張ってきた。


急に私の頭の中に、そんな知らない景色が流れ込んできた。

なにこれ!?これが私...



ちがう!私、伯爵令嬢のアリシアよね。学園に入学したもの。働いていないわ。


そもそも、ここは東京じゃないもの?会社なんてない!


それじゃ、なんで、東京や会社って言葉が出てくるの?意味が分かるの?


混乱してる!?


もしかして、今前世の記憶を思い出したの?


頭を打って倒れたから...


それじゃ、前世日本で暮らしてきた会社員だった私は、死んだってこと?


死んじゃって、アリシアに転生したってことなのかな?




今は、間違いなくアリシア・グランベル。


そして、婚約者!そうだ!私は、婚約者のロラン様に気に入られようといろいろな作戦を立てて頑張ってきたんだった。


そのすべてが無駄になったけど...


一生懸命頑張ったのにな~


あれ!そういえば、婚約解消したいって言われなかった?


私ったらバカみたい。


今ならわかる!一つも相手にされてない。それどころか、かなり嫌われているじゃない!


それならもういいわよ。こっちから願い下げよ。婚約解消でも何でもしてやるわ。


でも、できたら相手の有責で婚約解消になるようにしたいわね。


う~ん。領地はどうしたらいいかな?


そうだ!


自分で立て直せばいいじゃない!


やってやるわ。


もう、ロラン様なんて、目の端にも入れないで、自由にさせてもらいます。


ーーそうと決まれば





あ~それにしても頭が痛い!


そう思いながら重い瞼をゆっくりと開けていった。



「アリシア!大丈夫?」


セリーヌが心配そうに私を見つめている。


「セリーヌ!頭は痛いけど、大丈夫よ。看病してくれたんでしょう?ありがとう。」


私が、セリーヌを見て起き上がろうとした。


「だめよ。もう丸一日意識がなかったのよ。お医者様にもゆっくり休ませるように言われているもの。」


セリーヌが、あわてて私の肩を押さえた。


そうだったのか。丸一日も意識がなかったのか。でも、そのおかげで前世の記憶を思い出せたんだ。結果的にはよかったんじゃない!


ベッドに横になったまま、セリーヌに食べやすい料理を食堂から運んでもらった。


そうして、二、三日ゆっくり過ごしているうちにーー


最後の作戦ーー今思うとロラン様にそこまでする価値もなかったし、的外れすぎてかえって嫌われていたんだな。


「そう...最後の作戦もダメだったのね。これからどうするの?私もっと勉強して、また作戦を考えるから気を落とさないで...」


セリーヌは、本当に私のために一生懸命考えてくれていたんだな。それじゃあ、私の考えもきちんと話さなくちゃ。


「ありがとう。セリーヌ。ロラン様のことは、すっきりとあきらめるわ。婚約解消を望まれたもの。実は、私ももう疲れたの。だから、これからはロラン様の視界から極限まで消えるの。私はこれから自由に生きるわ。領地のために。」


私は自分の決意をセリーヌにはっきりと話した。

セリーヌは驚いたように目を丸くしたけど、

その後笑顔に戻った。


「実は、私もね。アリシアがかわいそうになってきちゃって...だから、アリシアの一番の友達として、アリシアの考えにこれからも全面的に協力する。見る目のないロラン様なんて、忘れちゃえ。」


本当にセリーヌはいい友達だ。


もう一つ。休んでいる間に考えたこと。


私、頭のけがをきっかけに学園を休学することにした。


そして、領地に戻って、私が領地改革をしていく。


決めた!!


もう、ロラン様の視界から極限まで消えて、自由にしま~す!



頭のけががあったからか、学園からはすぐに休学の許可が下りた。


家族にも連絡をしてもらい、帰る準備を整えた。


私は、セリーヌはもちろん、食堂の方たちにもしっかりと挨拶をして学園を後にした。



学園からの知らせを受け、私の家族はとても心配していた。


「アリシア!大丈夫なの?本当に心配したのよ。家で、ゆっくり休むのよ。」


お母様は、私の体が心配で涙を流しながら声をかけてくれた。


「領地のことも心配しなくていいぞ。けがが治るまでゆっくりするんだ。家のおいしい野菜を食べたらすぐよくなるよ。」


お父様もかなり心配してくれたようで、頼もしいことを言ってくれる。


「姉さま。僕に任せて!姉さまの分まで働くからね。」


エドワードも頼もしい。


私がいくら大丈夫と言っても、数日は様子を見なさいと家から出してもらえなかった。


仕方ないから、その間にゆっくり領地立て直しの計画を立てよう。



我が領地の特産品は、じゃがいも、きゅうり、なす、トマトなどといった農産物だけ。

いくらおいしい野菜がたくさん採れても、たかが知れている。

しかも、天候不順や不作などがあれば収入が一気に不安定になってしまう。


このままでは、貧乏領地のままだし、下手をすれば没落もありうる事態。


何としても、それだけは避けなければならない。


そこで、これからは新しく領地で安定して収入源になりそうなものを探さなければ。


私が、領地を見て回る許可が下りたら、さっそく見に行こう!



私は、そうしてこれからは自由に過ごしていくことにした。


ロラン様のいない場所で。

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