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1-4 家に帰って一人作戦会議



私は、婚約者に会いに行った後でこれからどうしたらいいのか考えてみた。


まずは、ロラン様は婚約者として私的にはこのまま進めていきたいと思える人だということ。その上で、ロラン様は、私との婚約をまだ認めていないとおっしゃったこと。


それならば、認めてもらえればいいんじゃない!?

そうよね。私のことは名前ぐらいしか知らないんですもの。

私のことをきちんと知ってもらうことから始めなければね。

ロラン様ったらちょっと人見知りなのかもしれないわね。

それならば、私の方から攻めていかなければ・・・・


まず、整理してみよう。

ロラン様は私より一つ上なので、もう学園には通っていらっしゃる。

学園は、領地から離れているので、寮生活。


つまりーーこのままでは、私たちの接点は見つからない。


そこで、もうすぐ私が、学園に入学する。その時期から作戦をスタートさせる。

それしかないわね!


まず、どんな作戦で行こうかしら...?


初顔合わせの日のロラン様を思い出して...


そうだわ!

服装を着替えていらしたところを見ると、あまり服装に関心がないのかも?

それなら私の服装センスを生かすチャンスね。

何でも貴族って同じ服をあまり着ないんですって。

そんなのもったいない!

少し手を加えれば、あら不思議!?

違う服に見えてくる。

そうよ。私のリメイク技術を存分に見せるのよ。

腕がなるわ。


ーー題して、『ドレス、制服リメイクどきどき作戦』


これでロラン様との婚約は安泰になるはず。


それでは、学園入学までまずは制服を少しだけ自分らしくする計画を立てましょう。

普段の仕事を手伝いながらだから、頑張るのは夜ね。

家族に迷惑はかけない。

次の日に寝坊しないように気を付けながら頑張らなくては...


実は、私の制服を購入するために、領地で作る野菜の量を増やしていたのだ。

それを、なるべく家族だけですべてやろうとしたので、朝から晩までみんな頑張ってくれていた。

ジャガイモも今年はいつもよりたくさん植えたので、たくさん収穫できたのだった。

本当に私の家族はみんな優しい。


「とうとう制服が届いたか。これで、アリシアも学園に堂々と通えるな。」


お父様は、働きすぎで腰も痛いはずなのに笑顔で制服の到着を喜んでくれている。


「素敵な制服ね。学園に行ったら寮生活だから寂しくなってしまうけど、領地から応援しているからね。」


お母様は、今から私が領地を離れてしまうのが寂しいらしい。


「姉さまは、無理しすぎるから心配だな。」


エドワードは、年下なのに大人びたことを言う。

私を心配してくれているからだけど。

本当にかわいい弟だ。


「みんなの協力で買ってもらった制服です。本当に私は幸せ者です。この制服。誰よりも素敵に着こなして、大事にします。本当にありがとう。」


私は、みんなの気持ちがこもった制服を大切にすることを誓った。



さて、どんな風にリメイクしよう。

貴族はみんな制服を自分なりに自由にアレンジしているらしい。

私としては、家族みんなに買ってもらった制服。

あんまり大きくは変えたくはない。

でも、私だけのセンスも見せたい。

そうだわ!制服の胸の辺りに大好きなこの領地の特産の野菜の刺繍はどうかしら?

ジャガイモは必須ね。あと、トマトとなす。ピーマン、キャベツ。

あまりやりすぎるのもよくないわね。

ジャガイモ、トマト、ピーマンだけにしましょう。

小さくね。控えめが大事。

ハンカチにも同じ刺繍をして、ロラン様に贈ったら...


私ったら。

もう婚約者の鑑のようね。



それからが忙しかった。

学園が始まると普段の仕事はできなくなるために、いつも以上に精を出した。


「今日は種まきね。学園が始まってしまうから、収穫はできないけど、いい野菜がたくさん採れるように心を込めて種まきするわね。」


私がそう言うと、お父様もお母様も一緒になって張り切って仕事をしていった。


実は、娘の一言一言に寂しさを感じて、それを紛らわせるために働いていたのだった。


「休みに帰ってきたときには、母さんがまたおいしいごちそうを準備しているから。この野菜たちもアリシアだと思って大事に育てるから心配するな。」


お父様は、そう言って私の頭を大げさに撫でた。


「僕が姉さまの分まで働くから大丈夫だよ。任せて!姉さまはその分学園でしっかり学んでね。」


本当にエドワードは頼もしくなった。自慢の弟だ。


「アリシアの好きなものいっぱい準備しなくちゃね。」


お母様も、私に優しい笑顔を向ける。



夜は夜で。

刺繍の図案を考え、糸を準備して、少しずつ進める。

糸も無駄にできないため、慎重に場所や図案を考えて刺繍をしていく。

何日も何日もかけて...

ようやく制服の刺繍が完成した。


次は、ハンカチに刺繍をする。


一針一針、領地のことを想いながら心を込めて刺繍をしていった。


ロラン様に私のことを知ってもらえるように。

この領地が大好きなことが伝わるように。



そうして、全ての準備が整ったのはーー


学園に入学するほんの少し前だった。


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