2-10 セリーヌとの日々
セリーヌが遊びに来て、毎日がより楽しくなった。
特にお茶の時間や食事の時間には、ジャムやハーブを使ったお菓子や料理を試してみた。
お菓子としてはホットケーキやクレープといったものにジャムやフルーツを入れてみた。
「なんて、おいしそうなの。しかも見た目がかわいいわ。」
セリーヌは率直に感想を言ってくれる。
「ジャムを変えたり、フルーツを組み合わせたりすると、いろいろな種類のものが楽しめるわね。」
お母様も入って、一緒に楽しんでいる。
「みんなでちょっとずつ食べてみましょう。いろいろ試したいもの。」
女子会のような雰囲気になってきた。
「僕も食べたけれど、ちょっと甘いかな。」
エドワードは、男性目線での意見をくれる。
「やっぱり肉を入れてみる?クレープに肉はどうかな?ちょっと...」
私が想像して頭を悩ませていると...
「確かにお肉は好きだけど、お茶の時間に肉なんて。どこにそんなに肉が好きな男性がいたの?」
エドワードも不思議そうにしている。
「たまたまいたのよ。学園に...」
「肉至上主義者よね!」
私たちは、そう言葉を濁した。
でも実は、あの人は野菜が苦手だとは言ったものの、肉が好きとは一度も言っていたことはない。そのことに私たちは全く気づいていなかった。
「それなら、サンドイッチにして野菜にハムやお肉をはさむことはできそうね。」
私が、男性でも好んで食べられそうな軽食を提案すると、
「うわ~。おいしそう。僕それを食べてみたい!」
エドワードに言われて、次にはサンドイッチも試してみた。もちろんジャムを入れたサンドイッチも準備した。
別の日にはリンゴを煮詰めて、アップルパイにしてみたり、フルーツタルトを作ってみたりもした。
「なんか、毎日幸せすぎるわ。こんなにおいしいお菓子、私学園に帰ってもまた食べたくなっちゃうわ。ねえ、アリシア~学園の近くにお店を出してよ!」
それだ!セリーヌのその言葉で、私の頭にひらめいたことがある。
でも、それには他にも準備が必要だ。
私は、それからハーブの紅茶やハーブやジャムを使った料理についても考えていった。
「どうしてこんなにお肉が柔らかくなったのかしら...ジャムって奥が深いわ。」
「ハーブを混ぜてからお肉を焼くと臭みが消えるわね。」
ジャムやハーブと食材との組み合わせもいろいろある。
そして、私が一番に入れたいもの。
「領地の新鮮な野菜サラダにジャムのドレッシングをかけてみたの。どうかしら?」
私が、家族とセリーヌに向かって両手を広げて紹介した。
「ジャムのドレッシングなんて想像できないな~どんな味だろう。」
お父様も恐る恐る口に入れた。
「合うな!おもしろい。こうなるとは思わなかった。」
お父様の声を皮切りに、家族やセリーヌもサラダを口に運ぶ。
「さっぱりしていておいしい。何より見た目がおしゃれね~」
お母様も笑顔になって絶賛している。
「おいしいものとおいしいものが組み合わさったから、領地の野菜が更においしく食べられるんだね!さすが。姉さま冴えてる!」
エドワードは領地の野菜が大好きだから、更に喜んでくれている。
「もうグランベル領、最強!おいしいものいっぱいの幸せの領地ね。私もここに住みたいくらいだわ。」
セリーヌも目をつぶって、両手を頬に添えて体を揺らしている。
「それ、いいわね。もうずっとセリーヌも家族もみんな仲良く一緒にいたいわ。」
私も、嬉しくなってきた。
「姉さま、今日までいろいろなお菓子や料理を考えてきたけど、もしかして何か考えてるの?」
さすがエドワードは勘が鋭い!私は、家族がそろったその席で自分の考えを話すことにした。
「実はね。領地の特産物を、野菜だけでなくジャム、ポプリと増やしてきたでしょ。それだけじゃなく、野菜やジャム、ハーブを使って他に何かできないかといろいろ試していたでしょう?そんな時、セリーヌに言われて気づいたの!おいしいお茶やお菓子、料理を作ってお店に出したらどうかと...」
私は、みんなの反応を見ながら一気に話した。
「すごいわ、アリシア。そんなお店があったら私毎日通いたい!絶対に行くから作って!まずは学園の近くにお願い。」
セリーヌは早速、身を乗り出して私の手を取ってきた。
「確かに、それだと特産物の使い道は増えるな。でも、なんとも規模の大きい話だ!できるのか?」
お父様は、もう思考がいっぱいになったようで、頭を抱えている。
「私もちょっとそんなお店があったら、気になるわ。」
お母様も乗り気のようだ。
「そんなときのランバート商会でしょう?ねえ!ユリウス。」
エドワードがユリウスの方を見て声をかける。
「そうですね。すぐに連絡を取ってみます。きっと喜んで飛んでくるでしょう。」
ユリウスもすぐにうなづいてくれた。
その頃、ランバート商会のルシアンは、ジャムやポプリの件で忙しくしていたが、なぜかくしゃみが出て、
「風邪でもひくのかな?今日はここまでにしよう。」
と、感じるものがあったとかなかったとか...
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
用事が重なってしまい、投稿を週に2,3回程度にさせていただこうと思います。
完結まで頑張って参りますので、よろしくお願いいたします。




