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第二十八話 王太子妃系アイドル、爆誕

第二十八話 王太子妃系アイドル、爆誕




当然というべきか、その後、シャルティエとロジエが必死の形相で説得に入り、わたしは診察室への立ち入りを禁止された。


まぁ、早い話が、出禁である。


人助けをしようとして、出禁。


けれど、わたしはそんなことでへこたれない。


お医者さんから「病院内の視察くらいなら……」という、なんとも歯切れの悪い許可をもらったので、今度は院内の視察を始めることにした。


シャルティエ、ロジエ、護衛、それからわたしのお世話係(という名の、あのむかつく侍女たち)を引き連れて、大名行列で病室を回っていく。


病室では、王太子妃様が見に来るというので、ちょっとした騒ぎになっていた。


わたしが手を振ると、「おぉぉぉ」と歓声が上がる。近くにいた、死にかけのおじいさんの手をそっと握って「頑張ってくださいね」と声をかけたら、涙を流して感動してくれた。


これよ。


わたしが追い求めていたのは、これなのよ。


決して、あの針のむしろみたいな王宮なんかじゃない。


もういっそ、このまま「王太子妃系アイドル」としてデビューしちゃおうかしら。なんだか最近、あのクソリプ野郎ドブレへの決め台詞といい、この視察という名の遊び――もとい、お仕事といい、かなりいい風が吹いている気がする。やはりあのドブレとの一件は、わたしの覚醒イベントだったのだ。


調子に乗ったわたしは、病室を見回して言い放った。


「どこもかしこも、汚いわねぇ。よし、わたしが掃除してあげる」


そう言って、箒を手に取ろうとすると。


あのくそむかつく侍女どもが、大慌てで飛んできた。


「お、王太子妃様! そのようなこと、王太子妃様がなさってはいけません!」


ほほう。


なるほどね。


そう来たか。


「あなたたちこそ、何を突っ立ってるのよ」


わたしは、にっこり笑って言ってやった。


「わたしに掃除してほしくないなら、あなたたちが掃除しなさい。きれいになるまで、わたしは掃除をやめないわよ。さあ、どっちがやるの?」


すると、侍女たちは、さーっと青い顔になった。


そして、掃除道具をかき集めて、せっせと掃除を始めたのである。


ざまぁみろ。


あぁ、すっとする。すっとするわぁ。


王宮であれだけわたしを無視して、陰口を叩いて、痴女プレイの着替えを強要してきたあいつらが、今、わたしの一言で、せっせと床を磨いている。


ものすごく、気分がいい。


人を救うのも気持ちいいけど、ちょっとした意趣返しも、これはこれで、悪くない。

当然というべきか、その後、シャルティエとロジエが必死の形相で説得に入り、わたしは診察室への立ち入りを禁止された。


まぁ、早い話が、出禁である。


人助けをしようとして、出禁。


けれど、わたしはそんなことでへこたれない。


お医者さんから「病院内の視察くらいなら……」という、なんとも歯切れの悪い許可をもらったので、今度は院内の視察を始めることにした。


シャルティエ、ロジエ、護衛、それからわたしのお世話係(という名の、あのむかつく侍女たち)を引き連れて、大名行列で病室を回っていく。


病室では、王太子妃様が見に来るというので、ちょっとした騒ぎになっていた。


わたしが手を振ると、「おぉぉぉ」と歓声が上がる。近くにいた、死にかけのおじいさんの手をそっと握って「頑張ってくださいね」と声をかけたら、涙を流して感動してくれた。


これよ。


わたしが追い求めていたのは、これなのよ。


決して、あの針のむしろみたいな王宮なんかじゃない。


もういっそ、このまま「王太子妃系アイドル」としてデビューしちゃおうかしら。なんだか最近、あのクソリプ野郎ドブレへの決め台詞といい、この視察という名の遊び――もとい、お仕事といい、かなりいい風が吹いている気がする。やはりあのドブレとの一件は、わたしの覚醒イベントだったのだ。


調子に乗ったわたしは、病室を見回して言い放った。


「どこもかしこも、汚いわねぇ。よし、わたしが掃除してあげる」


そう言って、箒を手に取ろうとすると。


あのくそむかつく侍女どもが、大慌てで飛んできた。


「お、王太子妃様! そのようなこと、王太子妃様がなさってはいけません!」


ほほう。


なるほどね。


そう来たか。


「あなたたちこそ、何を突っ立ってるのよ」


わたしは、にっこり笑って言ってやった。


「わたしに掃除してほしくないなら、あなたたちが掃除しなさい。きれいになるまで、わたしは掃除をやめないわよ。さあ、どっちがやるの?」


すると、侍女たちは、さーっと青い顔になった。


そして、掃除道具をかき集めて、せっせと掃除を始めたのである。


ざまぁみろ。

挿絵(By みてみん)

あぁ、すっとする。すっとするわぁ。


王宮であれだけわたしを無視して、陰口を叩いて、痴女プレイの着替えを強要してきたあいつらが、今、わたしの一言で、せっせと床を磨いている。


ものすごく、気分がいい。


人を救うのも気持ちいいけど、ちょっとした意趣返しも、これはこれで、悪くない。

お読みいただきありがとうございました。


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