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巡礼者の道  作者: 잿빛서기관


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43/55

送別 ①

気がついた時には、日はすでに高く昇っていた。


頭が割れそうだった。


エリオンは頭を押さえたまま、

しばらく呻き声ばかり漏らしていた。


口の中には、まだ安酒の匂いが残っている。


彼はふらつきながら起き上がり、

背嚢から水筒を取り出して飲んだ。


それでようやく少し楽になった。


意識がはっきりしてきて周囲を見回すと、

トリーが枕に顔を埋めていた。


司祭は……


そこにいなかった。


エリオンはしばらく空いた場所を見つめた後、

ふらつきながら部屋を出た。


階段を下りると、

一階の食卓に見慣れた姿があった。


司祭が座っていた。


やつれた顔で、

水の入った杯だけを握っている。


その向かいにはレアが座っていた。


彼女は豆のシチューを前にして、

ゆっくりと口に運んでいる。


エリオンは二人を見た。


「……何してるんですか?」


司祭が力なく顔を上げた。


「生き延びているところだ」


レアが小さく笑った。


「腹が減ったのに、金がなくてさ」


エリオンは司祭を見た。


「それで……

連れてこられたんですか?」


司祭は答える代わりに、

水を一口飲んだ。


それが答えだった。


レアが肩をすくめて言った。


「今の私は一文無しだからな。

ちょっと世話になってる」


エリオンはレアを見て言った。


「身体は大丈夫ですか?」


レアはシチューを口に運びながら言った。


「腹が減るってことは、

悪くはないんだろ」


エリオンは二人のそばへ行き、

司祭の隣にどさりと座った。


エリオンは水差しへ手を伸ばした。


杯に水を注ぎ、

ゆっくりと飲む。


その様子を見ていたレアが、

匙の先でエリオンを指した。


「私がいない間に、

また何かやらかしてないだろうな?」


エリオンは杯を置きながら言った。


「あれは初めてだったからで……」


司祭がちらりとエリオンを見た。


エリオンはその視線を受け、

少し口ごもってから言った。


「……僕、何かしました?」


司祭は首を振った。


「気を失った君を、

誰が部屋まで運んだと思っているんだ」


その言葉に、

レアが小さく笑った。


「田舎者……

お前、本当に酒は飲まない方がいいな」


エリオンは呻き声を漏らした。


そして誤魔化すように、

もう一口水を飲んだ。


エリオンはレアをちらりと盗み見た。


彼女の口元には、

まだ小さな笑みが残っていた。


しばらくすると、

ベルとトリーも一階へ下りてきた。


ベルはレアの姿を確認するなり、

安堵した表情で彼女のそばに座った。


レアは何も言わず、

ベルの頭を軽く撫でた。


トリーもやつれた顔でよろよろと下りてきて、

エリオンの隣に崩れるように座った。


「本当に……

お酒は嫌い……」


トリーは水差しへ手を伸ばした。


だが水差しは、

すでに軽かった。


トリーは水差しを振ってみて、

力なく置いた。


そして食卓に額を押しつけた。


「何もうまくいかない……」


顔を伏せたまま、

さらに言葉を続ける。


「お姉さんの買い物にも、

ついていかなきゃいけないのに……」


レアが笑って言った。


「それで本当について来られるのか?」


「うう……

行きます……」


トリーはそう言いながらも、

食卓から顔を上げることができなかった。


エリオンはその姿を見てから、

水と豆のシチューを追加で頼んだ。


水が運ばれてくると、

エリオンはトリーの杯に注いでやった。


トリーは手を震わせながら、

何とか水を飲んだ。


「生き返った……」


レアが小さく笑った。


空気が少しずつ緩んでいった。


食事を終えると、

一行は商業区へ向かった。


露店には人が集まり、

商人たちの声があちこちから流れてくる。


通りでは様々な品物が売られていた。


だが一行はそれらを通り過ぎ、

まっすぐ生活用品を扱う店へ向かった。


レアが最初に手に取ったのは、

一番安そうな外套だった。


「これでいいだろ」


その言葉に、

ベルが首を横に振った。


「駄目です」


レアが目を瞬かせた。


「何が」


ベルは答える代わりに、

外套をレアの肩へ直接当ててみた。


それから袖の長さを見て、

裾を触り、

首を横に振った。


「長く着て歩くんですよ。

ちゃんと合うものを買わないと」


レアは気まずそうな顔をした。


「いや……

安けりゃいいんだけど」


そう言いながら、

司祭の顔色をうかがった。


「駄目です」


ベルはきっぱりと言った。


司祭が小さく笑って言う。


「ベルの言う通りにしなさい。

金なら……

どうにか当てがある」


レアはため息をつき、

ベルの言う通りにしてやった。


ベルは市場を歩き回りながら、

マントや靴まで一つ一つ確かめていった。


足に合っているか。


重すぎないか。


長く歩いても擦れないか。


レアは恐縮していたが、

最後まで断ることはなかった。


次は鞄だった。


食料と水筒、

包帯と薬草、

火打ち石などを詰め込んだ。


そうして一つずつ揃えていくうちに、

レアには何も残っていないのだと、

改めて分かってしまった。


本当に些細な物まで、

すべて買い直さなければならなかった。


レアはしばらく鞄を見下ろした。


「すっかり新しい出発だな」


ベルが鞄の紐を慎重に整えてやった。


「重くないですか?」


「大丈夫」


レアは肩にかけてみて、

少しぎこちなく笑った。


司祭は代金を払うたびに、

懐の金袋を確かめていた。


余裕があるわけではなかった。


それでも、

必要な物は一つずつ揃っていった。


エリオンは途中途中で荷物を持ってやり、


トリーは二日酔いに呻きながらも、

最後までついて回った。


そうして値段と質を比べながら、

一行は長い間、商業区を歩き回った。


夕暮れになる頃になってようやく、

必要な品はほとんど揃っていた。


レアの肩には新しいマントがかかり、

背中には新しい鞄があった。


これで一人で旅立てるだけの準備は整った。


レアは鞄を軽く持ち上げてみた。


「悪くないな」


彼女はそう言って笑った。


身支度を整えた姿は、

以前のレアのように見えた。


本当に……


準備は終わってしまった。


送り出さなければならない時が、

近づいていた。


他の者たちもそれを分かっているのか、

ただ静かにレアを見つめていた。


視線を受けたレアは、

頬を掻きながら言った。


「……穴が開くっての」


そう言って、

わざと宿の方へ先に歩き出した。


一行も彼女の後を追った。


準備は終わった。


送り出さなければならない時が……


少しずつ近づいていた。


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