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巡礼者の道  作者: 잿빛서기관


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33/55

周波 ②

森を抜けた瞬間、


全員が荒い息を吐き始めた。


ベルはその場にへたり込み、


今にも倒れそうになっている。


トリーも膝に手をついたまま、


肩で息をしていた。


エリオンは病人を背負って森を駆け抜けたせいか、


今にも倒れそうなほどふらついていた。


足が震えているのが目に見えて分かる。


レアも全身が汗でびっしょりだった。


胸を激しく上下させながらも、


その視線だけは森の方へ向けられている。


サボり屋もまた、


盾を構えたまま森を警戒していた。


司祭はその様子を見ながら呼吸を整え、


やがてエリオンの状態に気付いて低く言った。


「……ここからは私が背負おう」


エリオンは返事もできず、


ただ司祭を見つめる。


司祭は静かに頷いた。


そしてゆっくりと病人を受け取る。


エリオンは病人を渡した途端、


その場にどさりと座り込んだ。


荒い呼吸はなかなか収まらない。


レアは森とエリオンを交互に見た。


そして苛立ったように呟く。


「……もっと離れないと」


サボり屋も険しい顔で言った。


「そうなんですけどねぇ。


でも皆さんの状態がちょっと……」


彼も簡単には決断できない様子だった。


レアはしばらく考え込む。


そして突然、


大声を張り上げた。


「立って!」


ベルとトリーがびくりと肩を震わせた。


レアの声が鋭く響く。


「まだ終わってない!


甘えてる場合じゃないでしょ! 早く!」


一行の視線が一斉にレアへ向いた。


レアはベルの腕を掴み、


無理やり立たせる。


ベルはよろめいた。


今度はエリオンへ視線を向けた。


「あんたも」


エリオンは歯を食いしばりながら、


どうにか立ち上がる。


トリーは今にも泣きそうな顔をしていた。


それでも何も言わない。


ただ唇を強く結び、


無理やり背筋を伸ばした。


司祭も呼吸を整えながら、


ようやく口を開く。


「……そうだな。


早く移動しよう」


サボり屋が頷いた。


再び盾を前に構え、


ゆっくりと先頭を歩き始める。


一行もふらつきながら、


無理やり足を動かした。


それでもレアの視線だけは、


最後まで森から離れなかった。


森からかなり離れてからようやく、


一行は足を止めることができた。


全員が倒れ込むように、


草原へ座り込む。


荒い息遣いがあちこちから聞こえてきた。


服は土と埃まみれだったが、


そんなことを気にする余裕はない。


トリーは呆然とした顔で息を吐き続け、


ベルは膝を抱えるようにして俯いていた。


エリオンも両手を地面についたまま、


まともに呼吸すら整えられない。


司祭だけが病人を静かに寝かせ、


状態を確認し始めた。


その表情は徐々に険しくなっていく。


無理をして森を抜けたせいだろう。


容態は良くなっていなかった。


司祭は長く息を吐いた。


「薬を飲ませたのに……」


やがて淡い光が、


彼の指先から流れ出す。


聖法だった。


だが、


その力は以前より明らかに弱い。


司祭はしばらく病人を見つめた後、


ゆっくり空を見上げた。


いつの間にか空は暗くなり始めている。


湿った空気が肌にまとわりついた。


雨の匂いが漂ってくる。


司祭が低く呟く。


「……何一つうまくいかないな」


周囲を警戒していたレアも、


苛立たしげに吐き捨てた。


「ほんと最悪ね……」


トリーも顔をしかめながらぼやく。


「ほんと……


ひどすぎるだろ」


ベルは半分閉じた目でトリーを見た。


だが何も言わず、


再び目を閉じる。


返事をする力すら残っていないようだった。


その様子を見ていたサボり屋が、


空を一度見上げる。


そして重い声で言った。


「……本当に大変でしょうけど、


そろそろ動きましょう」


彼は病人へ視線を向けた。


「ここで雨でも降ったら、


あの人は本当に死にます」


司祭は静かに聖法を止めた。


しばらく目を閉じて呼吸を整える。


そして再び病人を背負い上げた。


「……行こう」


トリーは呻き声を漏らしながら立ち上がる。


ベルも泣きそうな顔で、


ふらつきながら立ち上がった。


エリオンも歯を食いしばって身体を起こす。


その時ふと、


レアへ視線を向けた。


ここまで来る間、


最も戦い、


最も動いたのはレアだった。


それなのに、


彼女は一度も弱音を吐かなかった。


エリオンの視線がしばらく彼女に留まる。


レアがそれに気付いた。


草原の向こうを警戒したまま、


ちらりとエリオンを振り返る。


「……何かついてる?」


エリオンの口元が少しだけ緩んだ。


「……おかげで助かりました」


その瞬間、


レアの表情がわずかに揺れた。


そしてほんの少しだけ、


耳が赤くなる。


「……何言ってるのよ」


彼女は照れ隠しのように剣の柄を握り直し、


わざと声を張り上げた。


「さっさと行くよ!


こんな目に遭ったんだから、


何か成果くらい持ち帰らないと!」

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