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第62話

エメラルドドラゴンの協力を得て、天空宮へと向かったアルディア達。

道中、天空宮より現れた四柱帝ラファエル配下のクリーチャーの群れに遭遇するものの、エメラルドドラゴンの活躍により、難なく駆逐。しかしながら、ラファエルのクリーチャー軍団の数が多く、エメラルドドラゴンの攻撃だけでは駆逐しきれなかった。

そのため、エメラルドドラゴンは高速飛行でクリーチャー軍団を突破。アルディア達を天空宮におろすと、エメラルドドラゴンは再び、ラファエルのクリーチャー軍団駆逐へと向かっていった。

一方、アルディア達はそのまま天空宮を進んでいく。そして、一つの大きな扉を開き、円卓の間へと辿り着くと、そこで四柱帝『妖帝ラファエル』と遭遇したのであった……。


――――天空宮・円卓の間

「はじめまして、私は『妖帝ラファエル』」

「!!」

ラファエルと名乗る女性の自己紹介を聞き、アルディア達は一気に表情を険しくし、戦闘態勢へと入る。

だが、ラファエルと名乗ったその女性は、そんなアルディア達の姿を見て、またしてもクスリと笑う。そして、

「そんなに構えないで。ここは円卓よ? さ、椅子にかけて少し話しましょう」

と、アルディア達に椅子にかけるよう、勧めた。

だが、この場所が敵の居城で、しかも目の前にいる相手は四柱帝。罠である可能性が大いにあると考えたアルディア達は、戦闘態勢を解除せず、その場から動かないでいた。

すると、そんなアルディア達を見たラファエルは、またしても口を開いた。

「ふふ、罠なんか仕掛けていないわよ。さ、掛けて?」

ラファエルの言葉に、アルディア達は横を向き、お互いに顔を見合う。お互い視線で語りかけあうと、アルディア達は戦闘態勢を解き、そのままゆっくりと歩みを進め、恐る恐る椅子に腰掛けたのであった。

アルディア達が椅子にかけると、改めて優しく微笑むラファエル。

一方、アルディア達はというと、辺りを見渡し、とりあえず罠ではないことを確認した。

「改めまして、ようこそ我が天空宮へ」

「我が天空宮って……、元々アンタの物じゃないんじゃあ……」

ラファエルの言葉に、鼻で笑いながらそう返すエスメラルダ。

エスメラルダの返しに、ラファエルはクスリと笑うと、

「あら、辛辣ね」

とエスメラルダに返した。

「……怒らないんだ?」

エスメラルダは目を細め、ラファエルに尋ねる。

「怒る? フフ、でもここが私の造った建物じゃないのは事実だしね」

ラファエルはエスメラルダの問いかけに、優しくそう返した。

そして改めてアルディア達に目を向けると、

「地上からご足労様。本来ならお茶でも出しておもてなしすべきところだけど、生憎部下が不在でね……」

と言った。

「部下が不在、か……」

「わかってて言ってるのかな?」

ザフィーアとエスメラルダは、目を細めたまま、ラファエルにそう返す。

ラファエルは、そんなエスメラルダの返しに、ただ不敵に微笑むだけであった。

そんなラファエルの様子を見て、今度はルービィが、

「アエロ達の敵討ちでもするつもり?」

とラファエルに尋ねた。

「まさか」

ラファエルは鼻で笑いながら、ルービィにそう返す。

そして続けて

「あの子たちが敗れたのは、ただ力不足だったからでしょう? どうして私があの子たちの敵討ちをしなければならないの?」

とルービィに返した。

「それよりも、あの子たちを倒したなんて……。流石、ガブリエルを倒しただけのことはあるわね」

「知ってるんだ、ガブリエルの事」

アルディアは、ガブリエルの件についてラファエルにそう言った。

「フフ、一応他の四柱帝のことも多少、はね……」

ラファエルは少し濁しながらも、そう答えた。

「そう……」

アルディアは、そう返すと特に深く追求することはしなかった。

一方、別の話題をラファエルに投げ掛けた。

「ところで、どうして2年前、アシェル村を襲ったの?」

「アシェル村?」

アルディアの問いかけに、首を傾げるラファエル。

そしてそのまま、少し首を傾げたまま考えると、

「……ごめんなさいね。よくわからないわ」

と、口角を上げて、わざとらしく申し訳なさそうな表情を浮かべてそう返した。

そんなラファエルの反応を見て、アルディアは目を見開き、静かに、それでいて傍からははっきりとわかる程、怒りを露わにした。

そんなアルディアの様子を見て、エスメラルダ、ルービィ、ザフィーアは目を瞑り、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

「……理由なく、町や村を襲ってるの?」

アルディアは怒りを抑えながら、しかしながらいつもよりも低い声でラファエルに尋ねる。

「あなたたちは、生きるための行動をするのに何か理由でもあるの?」

ラファエルは右頬に手のひらをつきながら、クスリと笑いながらアルディアにそう返した。

「生きるための行動?」

ザフィーアは腕を組み、ラファエルに尋ねる。

ザフィーアの問いかけに、ラファエルは目を細めながら、

「……私たちの目的は、"あのお方"の為にこの地上を血で染め上げること。だからこそ、地上の破壊活動に理由なんてないの」

「(あのお方?)」

ラファエルの言葉に、腕を組み、首を傾げるザフィーア。

だが、アルディア達はというと、ザフィーアが引っかかった言葉に気に留めることはなく、口々に反論をした。

「それでアシェル村を……私の故郷を滅ぼしたの!?」

「地上を血で染め上げることが存在理由って……」

「もうさ、あたしたち、完全に馴れ合えないじゃん」

「そう、残念ね……」

アルディア、エスメラルダ、ルービィが口々に反論した言葉に、ラファエルは一言そう言い、目を瞑る。

そして、

「では、お話はここまでかしら?」

と言うと、瞑っていた目を再びゆっくりと開いた。

ラファエルが目を開くと、アルディア達も立ち上がり、各々戦闘態勢へと入る。

一方、ラファエルは幻術で隠していた金色と銀色の鉄扇を空中から出現させる。そして、それぞれの鉄扇を右手、左手に持つと、鉄扇を開き、ゆっくりと空中へと飛び上がった。

ラファエルが飛び上がると、双方見つめ合いながらも一触即発の状態へと入る。

そして、そんな緊張を断つかのように、ラファエルはゆっくりと口を開いた。

「じゃあ、はじめましょうか」

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