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第61話

 バベル内部にてエメラルドドラゴンに遭遇したアルディア達。

 アルディアは持っていた聖石「大海のサファイア」を見せることで、エメラルドドラゴンの協力を得ることに成功した。

 エメラルドドラゴンからの協力を得られたアルディア達は、エメラルドドラゴンからの提案で、エメラルドドラゴンが女神の議場と呼んだ場所「天空宮」を目指し、エメラルドドラゴンの背に乗ってバベルから飛び立ったのであった。


 ――――大空

 バベルを抜けて青く広がる空の上を、エメラルドドラゴンの背中に乗りながら、天空宮へと向かうアルディア達。

 天空宮まで辿り着くまでのしばしの間、アルディア達は休息も兼ねてエメラルドドラゴンの飛行に身を任せていた。

「ところで、どうして直ぐに協力してくれたの?」

 エメラルドドラゴンの背中から、アルディアはエメラルドドラゴンに尋ねる。

「確かに。アル、何も言わずただサファイア見せただけだもんね」

 アルディアの横から、エスメラルダが苦笑いをしながらそう言う。

「そうだな……」

 エメラルドドラゴンは飛行を続けながら、アルディア達の問いかけに対し、口を開き始めた。

「娘から、サファイアの魔力を僅かながら感じたから、だな」

「サファイアの魔力?」

 エメラルドドラゴンの言葉に首を傾げ、そう反応するアルディア。

「サファイアドラゴンに認められ、聖石の主となったのだろう? 聖石の主は聖石の魔力を僅かにだがその魂に持っているからな」

「へぇ~」

「ってことは、今、アルはサファイアの魔力も持っている、って事?」

 エスメラルダは、エメラルドドラゴンに尋ねる。

「そういうことになるな」

 エメラルドドラゴンは飛行を続けながら、そう返した。

「私、全く自覚ないけど……」

 アルディアは腕を組み、首を傾げながらそう言う。

 そんなアルディアの様子を見たエスメラルダは、

「(いや、自覚ないんかい)」

 と、心の中でそう呟く。

 そして、心の中でアルディアへのツッコミを終えた後、

「バベルの塔の入口の扉も、アルが触れたら開いたのって、もしかして同じ理由?」

 と、エメラルドドラゴンに尋ねた。

「……バベルの入口は、エメラルドに反応して開くようにしたつもりだったのだがな。サファイアでも反応したみたいだな」

「やっぱり聖石によるものだったんだ」

 エメラルドドラゴンの回答に、そのように返すエスメラルダ。

 そして続けて、

「でもさ、エメラルド以外の聖石は反応しないようにすることはできたんじゃない?」

 と、エメラルドドラゴンに尋ねた。

「そうだな……。だが、想定よりも上手くできなかったみたいだな」

 エスメラルダの問いかけに、エメラルドドラゴンは言葉を濁しながらそのように返した。

 そんなやりとりをしながら空の旅をしていると、

「!見えたぞ」

 と、突然エメラルドドラゴンが言葉を発する。

 エメラルドドラゴンの言葉に、アルディア達は身体を乗り出し、進行方向へ視線を向ける。

 アルディア達の視線の前には、東の大陸の外海側を囲む山脈、そしてその山脈の頂には乳白色の宮殿がそびえ立っていた。

「あれが……天空宮?」

 頂にそびえ立つ乳白色の宮殿を見て、そう言うアルディア。

「そうだ。あれが女神の議場、天空宮だ」

 アルディアの言葉に、エメラルドドラゴンはそのように返した。

 エメラルドドラゴンがそのまま飛行を続け、天空宮へと近付いていく。

 エメラルドドラゴンが天空宮へ近付くと、天空宮より紋章型や鳥類型の飛行能力を有する無数のクリーチャーが出現。エメラルドドラゴンの進行方向の前に立ちはだかった。

「ラファエルの配下のクリーチャーか」

 現れたクリーチャー軍団を見て、刀に手をかけそう言うザフィーア。

 ザフィーアに続き、アルディア、エスメラルダ、ルービィも戦闘態勢に入る。

 だが、エメラルドドラゴンは、

「ふん、雑魚か」

 と呟き、口に電撃の魔法を溜め始める。そして、口に溜めた電撃の魔法を、拡散させながら発動。襲いかかるクリーチャーを撃沈させた。

「……我々の出る幕ではなかったか?」

 ザフィーアはそう言うと、手にかけてた刀から手を離した。

 だが、目の前にはエメラルドドラゴンの電撃魔法のブレスで駆逐されたものの、変わらず無数のクリーチャーがアルディア達に向かって襲いかかってきていた。

 目の前のクリーチャーの群れを見て、エメラルドドラゴンは

「埒が明かんな」

 と呟く。そして続けてアルディア達に

「このまま連中を突破して天空宮まで向かう。捕まっていろ」

 と言うと、両翼の翼を大きく広げる。

 そして、広げた翼を大きく羽ばたかせると、そのまま飛行速度を上昇。クリーチャーの群れを抜け、一気に天空宮まで近付いた。

 だが、ラファエルのクリーチャー軍団もそんなエメラルドドラゴンに追随するかのように、攻撃を仕掛けながら追いかけてきた。

 そんな状況に気づいたエメラルドドラゴンは、天空宮の入口付近に近付くと、

「少し距離はあるが、ここから飛んで天空宮へ行け」

 とアルディア達に言う。

「あの追いかけてきてるクリーチャーは?」

 アルディアはエメラルドドラゴンに尋ねる。

「あの雑魚は我が相手する。お前達は天空宮へ」

 エメラルドドラゴンはアルディアの問いかけに、そう返した。

 エメラルドドラゴンの返答に、エスメラルダは

「アル、ここはエメラルドドラゴンの言葉に甘えよう」

 とアルディアに言う。

 そして、ザフィーアは

「申し訳ない。感謝する」

 そうエメラルドドラゴンに礼を言うと、一同はエメラルドドラゴンの背中から天空宮の入口へ飛び移る。

 一同が天空宮の入口へ飛び移った事を確認すると、エメラルドドラゴンはそのままラファエルのクリーチャー軍団の方へ飛んでいく。

 そんなエメラルドドラゴンの背中を見送ると、アルディア達は天空宮の中へと入っていったのであった。


 ――――天空宮

 エメラルドドラゴンの背中から降り、天空宮の中へと入っていったアルディア達。

 内部はいくつかの部屋があったりはするものの、基本的には一本道のため、アルディア達は道なりに、どんどん内部を進んでいった。

「あんまり、クリーチャーいないね」

 アルディアは天空宮の廊下を歩きながらそう言う。

「外でエメラルドドラゴンが相手をしてくれているお陰かな?」

 アルディアの言葉に、エスメラルダはそう返した。

「ま、ラファエルと戦う前に消耗しないのはラッキーだけどね!」

 アルディアとエスメラルダのやりとりの横から、ルービィはそう言った。

 アルディア達はそんな会話をしながら、クリーチャーのいない内部を更に進んでいった。


「それにしても、綺麗な施設だな」

 天空宮の内部を歩きながら、ザフィーアはそう言う。

 ザフィーアの言うとおり、天空宮は女神の議場とエメラルドドラゴンが言うとおり神話時代の建物にも関わらず、大きな劣化が見られず、内部も目立つような破損等もなく綺麗な状態を保っていた。

「建物構造も、海底城と違って無骨な感じもないよね」

 ザフィーアに続きエスメラルダも、天空宮内部を見ながらそう言った。

 エスメラルダの言うとおり、天空宮の造りは無骨だった海底城と異なり、教会や神殿といった施設に近い、厳かな雰囲気を持ちつつも落ち着いた造りをしていた。

 そのため、クリーチャー不在という点もあり、天空宮の雰囲気からおよそ四柱帝の居城とは思えない場所であった。

 ……尤も、元々四柱帝の居城だった施設ではないため、当然ではあるのだが。

 そのような会話もしながら、アルディア達は更に内部を進んでいった。

 そして、進んだ先の階段を上ると、アルディア達の前に大きな扉が立ちはだかった。

「……」

 アルディアは扉の前に辿り着くと、何も言わずその場で立ち止まる。

 エスメラルダ、ルービィ、ザフィーアも誰が何と言うわけでもなく、アルディア同様、扉の前に立ち止まった。

 一同は立ち止まった扉の奥から、かつて海底城神龍の間の前でも感じたことのある、えにもの言えぬ重苦しいプレッシャーを感じた。

「この感じ……」

 アルディアがぽつりと言葉を漏らす。

「ああ……」

 アルディアの言葉に、ザフィーアも一言、そう言う。

 そしてそれ以降、言葉は何も続かなかった。

 だが、一同の心の中では言葉にしなくてもわかっていた。

 "この先には、四柱帝ラファエルが居る"

 ということを……。

「じゃ、行こうか……」

 しばしの沈黙を打ち破るようにアルディアはそう言うと、扉を開く。

 ゆっくりと開く扉が開ききると、アルディア達はそのまま、ゆっくりと歩みを進めた。


 ――――天空宮・円卓の間

 重苦しいプレッシャーを感じる扉を開き、奥へと歩みを進めるアルディア達。

 扉の先には大きく広がる部屋と円卓、円卓の周りに均一に並べられた椅子、そしてアルディア達から見て向かい合って奥正面の椅子に、若草色の髪の女性が着座していた。

 枯草色の翼を持ち、重苦しいプレッシャーを放つ若草色の髪を持つその女性から、只者ではないことが、容易に覗える。

「ようこそ、我が天空宮へ」

 その女性は優しく微笑み、アルディア達にそう話しかける。

 だが、隠せていない、否、元より隠すつもりすらなさそうなそのプレッシャーから、アルディア達は警戒を続けていた。

「貴女は?」

 警戒をしたまま、ゆっくりと口を開き、椅子に座る女性に尋ねるアルディア。

 アルディアの問いかけに、その女性はクスリと笑う。そしてアルディアに言葉を返した。

「ごめんなさい、自己紹介がまだだったわね。はじめまして、私は『妖帝ラファエル』」

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