表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/66

第60話

 バベルのフロアにて、四柱帝ラファエル配下のクリーチャー、アエロ、オキュペテ、ケライノーと交戦をしているアルディア達。

 ザフィーアの活躍により、アエロを撃破。そして、アルディアのリヒトゾイレでケライノーを撃破。残すところオキュペテのみとなった。

 するとそこに突然、エメラルドドラゴンが乱入。オキュペテが四柱帝配下のクリーチャーであると知ったエメラルドドラゴンは、オキュペテに電撃ブレスの魔法を放ったのであった。


 ――――バベル内部

 エメラルドドラゴンの放った電撃ブレスの魔法で、姿を消したオキュペテ。

 エメラルドドラゴンの突然の乱入に続き、突然のアエロ達との戦いの終わりに、アルディア達は戸惑い、ただその場に立ち尽くしていた。


 すると、先ほどまで上部で飛んでいたエメラルドドラゴンが、フロアに降り立つ。そして、立ち尽くしているアルディア達の方を向くと、

「お前達は何者だ? 我が塔に何をしに来た?」

 と問いかけた。

「あ、え、えっと……」

 突然目の目に降り立つエメラルドドラゴンに驚き、言葉に詰まるアルディア。

 するとそんなアルディアに、エスメラルダが

「アル、聖石アレを」

 と、アルディアに声をかける。

 エスメラルダの声がけに気がついたアルディアは、慌てて聖石サファイアを袋から取り出す。そして、

「はいっ!」

 と叫びながら、サファイアを目の前に掲げた。

 そんなアルディアを見たエスメラルダは、

「(うぉーい! 聖石出しただけじゃ意味ないでしょ!!)」

 と、冷や汗を流しながら心の中で叫んだ。

 だが、エスメラルダの心配とは裏腹に、エメラルドドラゴンはアルディアの掲げたサファイアを、何も言わずじっと見つめる。

 そして、しばらくサファイアを見つめた後、エメラルドドラゴンは

「……そうか」

 と、ゆっくりと呟いた。

 そして続けて、

「サファイアを持っているということは、サファイアドラゴンが認めたということか」

 と言うと、顔を少し上に向け、遠くを見つめるような目をした。

 そんなエメラルドドラゴンの様子を見て、ホッとした表情を浮かべるアルディア達。

 アルディア達が安堵の表情をしていると、エメラルドドラゴンは顔をアルディア達の方へ向けると、

「改めて問おう。我が塔に何用だ?」

 とアルディアに尋ねた。

「えーっと……実は」

 エメラルドドラゴンの問いかけに、しどろもどろになりながら答えるアルディア。

 すると、

「それは私が説明しよう」

 そう言うと、アルディアの横からザフィーアが姿を現し、エメラルドドラゴンの前に立った。

「ザフィ、もう大丈夫なの?」

 立ち上がるザフィーアに、少し心配そうな表情で尋ねるエスメラルダ。

「ああ、お陰様で。動けるようにはなった」

 ザフィーアは軽く微笑むと、エスメラルダに礼を言い、そう返した。

 そして再び、エメラルドドラゴンの方へ顔を向けると、ザフィーアはこれまでの経緯を細かく説明した。

 数年前より冥界から四柱帝が召喚された事、その一柱である妖帝ラファエルを討伐しようとしている事、ラファエルの居城が天空宮である事、天空宮へ行くための手がかりを求めこのバベルへと足を運んだ事……。

 ザフィーアから事の経緯を一通り説明を受けると、エメラルドドラゴンは

「天空宮……、女神の議場か」

 と呟いた。

「女神の議場?」

 エメラルドドラゴンが呟いた単語に引っかかり、オウム返しのように尋ねるザフィーア。

 ザフィーアがそう返すと、エメラルドドラゴンは少し間を置いた後、静かに語り始めた。

「天空宮。かつて神々が世界を分けて戦っていた時代、『光の女神フレイア』とフレイア側についた存在『天使』が、戦争時、円卓会議場として使っていた施設だ」

「光の女神フレイア!? フレイア神も実在するというのか……」

 エメラルドドラゴンの話を聞き、ザフィーアは普段通り、冷静な口調でそう反応した。だが、口調こそ冷静ではあったものの、目は見開いており、その様子から驚きを完全には隠せない様子ではあった。

「光の女神フレイアか~……。……もう僕は何を聞いても驚かないよ」

 一方で、エスメラルダはそう言いながら、乾いた笑いを浮かべていた。四柱帝討伐の旅に出てから数多の神話級の話が実在することを見聞きしてきたエスメラルダにとって、最早神の実在すらも驚くような内容ではなくなってしまったのであった。

 そして、アルディアとルービィはというと、

「光の女神フレイア。聞いたことはあるけど……、ルーちゃん、知ってる?」

「さぁ? あたしは名前も聞いたことないよ」

 と、当然ながら知らない様子であった。

 そんな両者を見て、エスメラルダは

「まぁ、アルとルーは知らなかったと思ってたよ」

 と、冷静に両者に突っ込みを入れたのであった。

 すると、そんなエスメラルダの反応に、アルディアとルービィは少しムッとした表情を浮かべ、

「エスメ君、いつもそう言うよね」

「あたしらが何も知らないと思ってるの?」

 と、エスメラルダに返した。

 両者の返しにエスメラルダは、

「じゃあ今まで出てきたこの手の内容で、知っている事一つでもあった?」

 と、目を細めて返す。

 するとルービィは、腕を組み、上を向きながら少し考えた後、

「うん、ないね!!」

 と、自信満々にそう返した。

 一方アルディアはというと、

「私、今出たフレイアって女神様の名前は知ってたよ?」

 と、得意気な表情を浮かべながら、エスメラルダにそう返した。

 ルービィとアルディアの反応を聞くと、エスメラルダは

「ほら知らないじゃん。っていうかアル、フレイア神の名前知ってるだけとか、何の自慢にもならないよ……」

 と、右手の手のひらを額に当てながら、そう返したのであった。

 三者がそのようなやりとりをしていると、

「光の女神フレイアとは、この世界を創世し、我々地上の者を生み出した存在とされている女神だ。現在使われている年号のフレイア歴も、女神フレイアの名前から名付けられたとされている」

 と、横からザフィーアがアルディアとルービィに説明をした。

 そして続けて、

「尤も、フレイア神の事については私もこれ以上は知らないが」

 と、言葉を続けた。

「まぁ、フレイアについては今はいいだろう」

 一同のやりとりを一通り見た後、横から口を挟むエメラルドドラゴン。

 そして続けて、

「天空宮を目指すなら、地上の者では行けないだろうな」

 と言った。

 それを聞いたエスメラルダは、

「やっぱガド山道からは行けなかったんだね」

 と言った。

「ディア殿のおっしゃる通りだったな」

 ザフィーアもエスメラルダに続き、そう言った。

 エスメラルダとザフィーアがそう言うと、

「天空宮に行くのであれば、我が運んでやろう」

 と、エメラルドドラゴンから天空宮へ行くための助力を提案された。

「え? いいの?」

 エメラルドドラゴンの突然の提案に、驚き、そう尋ねるアルディア。

 エスメラルダ達も、予想外の展開に驚きを隠せない様子であった。

「構わん。サファイアドラゴンが認めた者達だ。それに、我が司る空を、クリーチャー風情に我が物顔で占領されるのは不愉快極まりないしな」

「クリーチャー?」

 エメラルドドラゴンの返しに、疑問を抱きそう言葉を漏らすエスメラルダ。

 エスメラルダの反応を見たエメラルドドラゴンは

「お前達が四柱帝と呼んでいる連中だ。アレらは生物ではなくクリーチャーだ」

「え゛!?」

 四柱帝がクリーチャーであるという事実をエメラルドドラゴンから聞き、先ほど以上に驚くエスメラルダ。

 そして続けて、

「四柱帝って、クリーチャーだったの……」

 と、驚いた表情を浮かべたまま、そう言葉を漏らした。

「クリーチャーは術者以上の能力を有する存在は造れない筈だが……。だとしたら、一体何者があれ程までの存在を造り出したのだ……」

 ザフィーアは腕を組み、考え込み、そう呟いた。

 エスメラルダが驚き、ザフィーアが考え込んでいると、

「ま、どうせ倒す相手なのは変わらないんだし、そこまで深く考えなくてもいいんじゃない?」

 と、ルービィがエスメラルダとザフィーアにそう言う。

「そうだな。今は四柱帝を倒すことを考えるべきだろう」

 ルービィの言葉に同調するかのように、そう言うエメラルドドラゴン。

 そしてフロアに座り、アルディア達に背を向けると、

「さ、我の背中に乗れ。天空宮まで運んでやろう」

 と、アルディア達にそう言った。

 エメラルドドラゴンの言葉に、

「じゃ、失礼しまーす」

 と言い、背中に乗るアルディア。

 続いてエスメラルダ、ルービィもエメラルドドラゴンの背中に乗った。

 一方、ザフィーアはというと、エメラルドドラゴンの方向ではなく、別の方向へと歩き始める。

「どうしたの? ザフィ」

 別の方向へ歩くザフィーアの様子を見て、エメラルドドラゴンの背中から顔を覗かせそう言うエスメラルダ。

 ザフィーアは少し歩いた後、立ち止まり、フロアから何かを拾い上げる。そして、

「これは……魔石か?」

 と、拾い上げたものを見つめ、そう言った。

「魔石?」

 ザフィーアの反応に、エメラルドドラゴンの背中から降りてザフィーアに近寄り、そう言うルービィ。

「倒したアエロの身体から落ちたものが気になったからな。確認してみたが、見る感じ魔石だな」

「え゛! アエロのなの? それ」

 ザフィーアの言葉に、眉を顰め、そう反応するルービィ。

 ザフィーアはそんなルービィを横目に、拾い上げた赤く光る魔石をフロアに落とす。そして、フロアに落下すると、勢いよくその魔石を踏みつけ、粉々にした。

「壊すんだ?」

 魔石を踏みつけ破壊したザフィーアに、そう尋ねるルービィ。

「ま、念のため、な……」

 ルービィの問いかけに、ザフィーアはそう返した。

「そこまで必要はないと思うがな」

 ザフィーアの行動を少し離れた場所で見ていたエメラルドドラゴンは、ザフィーアにそう言う。

 だが、ザフィーアの行動を見たルービィは、今度は別の場所へ移動し、落ちていた黄色く光る魔石を拾い上げる。そして、拾い上げた魔石を放り投げると、右手の拳に炎を纏わせ、放り投げた魔石を思いっきり殴りつけ、粉砕した。

 魔石を粉砕すると、少しスッキリしたような表情を浮かべるルービィ。そして、ザフィーアの方向を見ると、

「これで大丈夫だね!」

 と、にっこりと笑い、そう言った。

 ケライノーだった黄色く光る魔石を火炎拳で粉砕したルービィを見て、ザフィーアは内心

「(オキュペテにやられてた腹いせだな……)」

 と思いつつも、

「そ、そうだな……」

 と、ザフィーアは目を閉じ、苦笑いを浮かべそう返した。

 そして、ルービィと共にエメラルドドアゴンの下へと行くと、

「待たせてしまって申し訳ない。お願いする」

 エメラルドドラゴンにそう言うと、エメラルドドラゴンの背中に乗った。

 全員が背中に乗ったことを確認すると、エメラルドドラゴンは、

「では、行くぞ」

 そう言い、ゆっくりとフロアから飛び立つ。

 そして、塔内へ突入した際に出来た壁面の穴から、外へ飛び立ったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ