スキル拡張
「聞きなさい、なんとイベント参加のお礼にスキルを拡張してもらえたのよ、それとヒルコとの融合で力が増してきたわ」
「おお〜!ほんとかイツキさま!」
「というわけでニライアイランドの島が二つ追加されたわよ!」
そこからピタリと止まって先ほどとは打って変わって神妙な顔になって言葉を発した。
「あとなぜかあなたを部屋へ連れてくるよう指示されたわ……」
「なぜ!!」
「なんか噂だけどトヨウケヒメとあなたの追いかけっこの時号泣してたらしいわ……なんか関係あるかもね」
「怖いこと言うなよイツキさま……」
アマテラスさまの部屋の前に二人で立つ。
「さ、入るわよ」
勇気を出して戸を開く。
「皆のもの、心配かけた」
「アマテラスさま、ご機嫌麗しゅう」
「ご、ご機嫌麗しゅうございます……」
僕はイツキさまの真似をして言う。
「一体何があったのか良ければ教えて頂けませんか」
「そうだな、お前たちには話しておこうか」
はあ……とアマテラスさまは溜息を吐く。
「弟のスサノオが西の文化に感化されておる」
「はあ?西の文化ですか……」
「さよう、西の国にはクロス教なる宗教があってな、それに改宗した国は全て侵略された」
「宗教戦争ですか……」
「それは大変まずいですね、スサノオさまが他宗に傾倒するとか、しかもこの国を狙っているやつらに……」
「その通り、妾は再三注意をしたが西のロックミュージックなるものが特に気に入ってしまって、古い考えを壊さなければ新しいものはできないとかぬかしおるのだ」
「なるほど」
「まあ、スサノオさまはアマテラスさまを怨んでおりますものね……」
「…………え?そうなのかの?」
「………まじですか…………まあいいです」
アマテラスさまはこっちを向く。
「お主、スサノオに格闘で勝ったのじゃろ?なんとか言うことを聞かすことはできんか?」
「そんな無茶な!」
「とりあえずお父さまの方にも話を聞きに行ってみます」
「うむよかろう、正直妾の手には余っておる」
というわけでスサノオさまのお部屋に行きましたとさ。
「ゆっくりくつろいで行ってくれ」
「ありがとうございます」
スサノオさまは少しこちらを見つめて口を開く。
「あ、あに…………、あにはからんや」
「どうしたのですお父さま?」
イツキさまは訝しげにスサノオさまを見る。
スサノオさまの目元に光るなにかが見える気がしたけど……気のせいだろう。
僕らはことの成り行きを説明する。
「なるほどな…………だがな、おれは正直言うと姉上に復讐がしたい、そのため西の文化にのめり込んでいる演技をしているのだ」
「そうだったのですか」
「流石に建前無しであの姉上に逆らうなど怖くてできんよ、嫌がらせ程度のつもりだったがけっこう効いているようだな」
「ですがここまで大事になると我々も看過できません」
「うん、そうだな。あの北斗とかいう龍の力でなんとかならないか、植物の遺伝子のデータを読み切る能力など普通の龍にはできんだろう、あれを使って水の邪龍を生み出したりできないか?」
「水の邪龍?」
「ああ、昔ここいら一帯を牛耳っていた多頭の蛇だ、何ならおれの記憶を読み解いて再現できないか?」
「お父さま、簡単に言いますがこの者は相応の試練を越えて龍に認めさせたのですよ、私怨を晴らすくらいのことに使えませんよ」
とイツキさまはおっしゃっているが何せ記憶がないのだ。だからこういう時は、乗っかる!
「面白そうじゃないですか、作りましょうか水の邪龍」
「いいのか?」
「とんでもない伝説が作れそうじゃないですか、この手で伝説の邪竜を再現するなんて心が躍るでしょう、それに北斗も元は手のつけようがないくらいの邪竜だったんですよ」
僕は前から試したかった事がある、ニライアイランドにツタを大繁殖させるのだ。
その時に発生する木の気を北斗に与えたらどんなふうになるのだろう。
新しく増えたニライアイランドで僕はさっそくにでも試してみたかった。
「3ヶ月ください」




