瞬殺
アマテラスはダンスイベントが終わると全身に鎧を着て、弓矢、剣を携え槍を構えた。
その体勢で格闘技イベントを見始めた。
「今の戦い方は八百長だろう!舐めているのか!」
狂気じみてはいるが楽しんではいるアマテラス。
「さて、一番の楽しみのタヂカラオの戦いが始まるな」
喧騒に満ちた土俵内に二人分の影が入っていく。
僕はタヂカラオさまの前に立つ。向こうは相撲スタイルだ、僕はそれに対して構えず自然体で立っていた。
「怪我をしても回復はしてくれるそうなので手加減はしなくていいですよ」
「そうか!!じゃあ思い切りぶちかましていくからな、一分持ちこたえてくれよ!」
「了解しました!」
神主がやってきてレフェリーを始める。
「見合って見合って……はっけよい!のこった!」
レフェリーが合図をするとタヂカラオさまは体格に似合わぬ俊敏さで迫ってきた。僕の中心を捉える張り手で真っすぐ押し飛ばそうとしてきた。
少し体を横にずらして肩に当たるようにする。僕は風に舞う紙切れのように武の神さまの手にまとわりつき、脇と肘の間の筋肉を叩き上げる、腕は折れてはいないが心配になる痛みだったらしく、気が逸れている。ノータイムで両こめかみを挟むように打ち抜く、
タヂカラオさまは気絶した。まあ元々忍者スキルに魚人のスキルと合わせて変則的な戦い方になるのは許してほしいところだ。
「やるな弟よ!」
アマテラスはテレビジョンの前ではしゃぎ続ける。
タヂカラオのフィジカルを知っている者からすれば青天の霹靂だっただろう。ここまでが前半戦。
「お前本当に人間か?」
「イツキさまからラーニング能力を頂いたので擬似的に神様の力が行使できるみたいですね」
「な、なるほどな。イツキ経由ならば間接的におれの力を継承することもあるかもしれん」
僕は定位置に戻るとレフェリーが二人の間に立つ。
「見合って見合って……はっけよい!のこった!」
破壊神さまは拳闘スタイルで少しの間離れていた、それに対して僕は左手を突き出した形で構えていた。そしてわざと拳が当たるくらいの距離まで近づいていった。
「シッ!」
破壊神さまはワン・ツーボディの3連撃を撃とうとしたがファーストコンタクトのジャブの瞬間僕は彼の胸を押した。
すると後方へと後ずさった、僕の方はタックルに移行している、右手で破壊神さまの後方の足を止めながら押していくと足が揃う、両足首あたりを抱えてバックドロップ気味に後方へ投げる、これは頭から落として兜をかぶった相手の首を折る技だ。
今回は脳天から落として戦闘不能状態にしておいた。
「まあこれぐらいはしてもらわないとな、先に生まれた者の務めとしては…………とか言っちゃって!!ああ〜!かっこいい!我が弟ながら惚れちまうわ〜!」
太陽神はハッとする。
「まあ心配かけたしみんなに相談するのも悪くないか」




