女神の卓
さっそく大地の女神が用意した惣菜の味見をする。
「あれ?この味付け」
「どうかしましたか?」
「なんか懐かしい、はて、どこで食べたんだったか」
そうだ、いわゆる故郷の味ってやつだ。村の爺さんが作ってくれた煮付け、隣の家に嫁いできた娘さんの実家の煮付け、旅の坊さんが分けてくれた煮付け、幽霊屋敷で迷った時にそこの女主人が出してくれた……煮付け?
何で同じ味を全く別の出自の人間が出せるんだ?今考えてみたらなんか引っかかる。幽霊屋敷に人が住んでて御馳走してくれたのだって明らかにおかしいし。
「よくわかんないけどまあいっか」
大地の女神は少し視線をずらしている。
「どう?勉強になったかしら」
「うん!この珍しい根菜類もいつか再現してみるよ、この植物の種とかあったら分けてくれない?」
「ここにあるものの多くは別の世界から採ってきたものなのでルール違反になります、あくまで自身の国で品種改良をして広めていってください」
「しかたないか、もし作れたら調理の方法だけでも教えてくれよ」
「いいですよ」
話を切ったところで大地の女神さまは聞きづらそうにたずねてきた。
「生まれてこれて幸せですか?」
「え?あたり前じゃん」
なんか当たり前のことを聞かれて拍子抜けした。
「……そうですか」
アマテラスの御前にて、イツキに取り憑いたヒルコが話し出す。
「依頼がある、なあにちょっとした嫌がらせじゃ、あの人間にちょいと試練を与えてやるだけじゃ」




