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第11話

統一歴2年4月29日午前7時

リクリス公国国境線地帯 最前線


この日リクリス公国軍の監視の元、聖教十字軍ジルトラン王国侵攻軍は進軍していった

そして国境線を超えて騎馬と馬車やゴーレム車(ゴーレムに曳かせる荷車の事、輸送用と魔導砲を搭載した戦闘車がある)で3時間後、国境線から8キロ地点で侵攻軍先鋒部隊は臨時拠点の設営を開始した

理由は略奪と後続の主力軍の到着を待つ為であった...なんせ指揮官である王侯貴族達はその大半が戦場でも豪勢な生活を送りたい為、各寝室のみならず食堂やサウナまでも天幕を張らせ作らせるからである

そんなこんなで食料や物資確保に軍にありがちな娼婦(本人の合意無し)を確保する為に近隣の村に散っていったが


「クソ! 人っ子1人も居ねぇ! 女抱く事も出来ねぇじゃねぇか!」


「食い物もねぇぞ! 井戸には糞とゴミ投げ込んであって汚れてやがる! こりゃ魔法使い共は水魔法ばかり使う事になりそうだな。」


「食器と薪位しかねえ、毛布も鍋も家畜も無い!」


「畑は収穫期じゃないのに刈り取られてやがる、藁もねえな。 動物の飼料確保に苦労しそうだ。」


既に住民達は避難した後で、重量物以外は粗方持って行った後だった...焦土戦術兼後の生活の為だった

仕方なく彼等はほとんど成果も無く拠点に戻ってきた

そしてそれから2日後、後続の主力軍全てが集結した後惨劇は始まった


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

統一歴2年5月1日午前11時

聖教十字軍臨時拠点 


この日1機の同盟連邦機構軍の哨戒機が雲に隠れながら超超高高度を飛んでいた

そしてその哨戒機は1つの報を前線司令部に発した


『キハジュクセリ、ハナビヲアゲラレタシ。』


この報はすぐさま展開していた全ての砲撃陣地に伝えられ、その砲口を15キロ離れた駐留中の聖教十字軍向けた



同盟連邦機構軍砲兵隊は他の中立連邦や大西洋連邦機構軍の砲兵隊よりも重装備且つ多数の将兵を抱えており、市街戦は考えず全てを灰燼に返す為の強力な編成となっていた

主力は中立連邦の北欧大同盟で開発されたK11 155ミリ榴弾砲とK12 105ミリ軽榴弾砲又はドイツ帝国国営工廠開発のネーヴェルファー4 20連装地対地ロケット砲で、補助に重トーチカ破壊用にドイツ帝国のクルップ社と帝政ロシア連邦のモスクワ砲兵工廠共同開発のKM2 203ミリ重榴弾砲が配備されていた、迫撃砲は射程が短い事から野戦砲兵隊には配備せず通常の歩兵部隊に集中配備されていた

かつては近接戦闘用に76.2ミリクラスの対戦車砲を配備していたが、今では警備部隊の自衛用に8門を残すのみでほぼ全てが榴弾砲に変えられている

その規模は


同盟連邦機構軍 基本防衛用駐屯砲兵連隊編成

砲兵隊 3個大隊

K12 105ミリ軽榴弾砲20門又はネーヴェルファー4 20連装地対地ロケット砲20基(砲兵100人+士官22人)

K11 155ミリ榴弾砲40門(砲兵150人+士官50人)

KM2 203ミリ重榴弾砲10門(砲兵80人+士官18人)

計420名

偵察兼観測中隊 3個小隊 即応1個小隊

1個小隊50名の計200名

警備歩兵1個中隊

200名

補給3個大隊

800人

後方支援1個大隊

300人

総計1920人

またこれとは別に軽榴弾砲大隊を配備されているが、地対地ミサイル発射基をK12 105ミリ軽榴弾砲に代わって装備する事が多い(というか連隊長が切望してほとんどが装備する 軽榴弾砲は正直要らないというか155ミリ榴弾砲が優秀過ぎる)

なお補給隊も後方支援や警備を行う


野戦重砲兵軍団

砲兵隊 3個連隊

K12 105ミリ軽榴弾砲320門又はネーヴェルファー4 20連装地対地ロケット砲(砲兵1600人+士官350人)

K11 155ミリ榴弾砲360門(砲兵1350人+士官450人)

KM2 203ミリ重榴弾砲120門(砲兵960人+士官140人)

計4850人

偵察1個大隊

300人

観測大隊

300人

警備歩兵1個連隊

計3000名

補給4個連隊

計14000名 

後方支援2個連隊

計7000名

総計29450人

これとは別に1個砲兵連隊が独立部隊として配備され駐屯砲兵連隊と同じように軍団長の判断で状況毎に装備を変更する事が多い


この場には8160人の4個砲兵連隊と30650人の1個野戦重砲兵軍団が砲撃陣地を敷いていた

上空には直掩についている制空戦闘機3個大隊が展開しており、空の防備は万全だった

流石に補給の観点から2個は派遣できなかったが1個野戦重砲兵軍団がおり、その直ぐ前方にはロケット砲部隊(射程外ゆえ自走砲として展開する)と1個機甲軍団(同じく補給が間に合わないから1個)が展開し砲撃開始と共に敵軍に対し突撃を開始する予定だった

そして一斉砲撃が始まった...



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「うん? 何の音であるか?」


「どうなさいました閣下?」


聖教十字軍の臨時拠点で1人の貴族指揮官が散歩していたが、空から何か音が聞こえ立ち止まった


「うむ、何か空から音がしたような気がするのである。」


「友軍の飛行騎士団や戦闘騎部隊はまだ到着しておりませんが?(どうせ略奪も出来てないし女が抱けてないからストレスが溜まって聞き間違いでもしたんだろう)」


貴族の疑問に供回りの副官が頭の中に浮かんだ侮蔑を隠しながら答えた

そして爆発が起こった


「ぬお! 何事であるか?」


「閣下お下がりくだ」


副官が言い切る前に盛大に砲弾が着弾しだした

始めは煙幕弾と榴弾数発が着弾観測用に放たれ、着弾地点が拠点内と確認するとその少し後方...リクリス公国側からジルトラン王国に向けて移動弾幕射撃が開始された、1000門を超える榴弾砲から放たれた砲弾の雨は聖教十字軍を地形事粉微塵に消し飛ばしつつあった

中には持ち込んでいる魔道具や従軍魔導士や魔法使いに防御魔法である障壁を使わせた助かろうとしたが、何発も威力が比較的低いとはいえ陸上兵器の中では高火力である105ミリ榴弾の雨を浴びたり対トーチカ用の203ミリ榴弾の砲撃の前では無力であった

そして暫く砲撃は続けられた

無論砲弾を撃ち込んでいる砲撃陣地では、十字軍に砲撃兵器が無いのを良い事に移動せずに砲兵士官の指揮の元砲兵が老若男女問わず軍服を脱ぎ散らかす程の砲撃と装填による暑さによる汗と硝煙に悩まされながらも忙しくぶっ放していた

その余りの砲撃の凄まじさと練度の高さに中立連邦や大西洋連邦の観戦士官達は感服の呟きを漏らし、正教圏からの観戦者達は驚愕の表情で固まっていた

なんせ彼らの常識では砲撃はあくまでも混乱を誘う為に少しぶっ放す位で、敵侵攻軍を文字通り粉砕する火力と圧倒的なまでの投射量に頭が追い付いていなかったのである



そして暫く砲撃が続くと今度は展開が完了したロケット砲部隊の火力支援の下機甲軍団が突撃し、聖教十字軍ジルトラン王国侵攻軍は壊滅した

侵攻軍は10万にも及ぶ軍勢の内約8万が大地に帰り、約1万8000名が復帰不可能な障害を抱え残りは投降し戦闘終了となった

同盟連邦機構軍の被害は掃討戦による負傷者213名のみであった...盛大にぶちかました砲弾が同盟連邦機構軍と扶桑帝国軍の財布に大ダメージを与えた事を除いて


そしてこの3日後、リクリス公国は同盟連邦に条件付き降伏を申し入れリクリス公国はリクリス共和国として正教圏に加盟した

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