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第10話

統一歴2年4月13日午前11時

レスト王国首都レストリア 空中艦船専用港 扶桑帝国代表団護衛第1飛行艦隊 


首都の一角に整備されている空中艦船専用の港から超大型戦闘空母である扶桑型超大型戦闘空母『扶桑』を中心とした計120隻の大艦隊が飛び立ち、扶桑帝国へ時速80キロで9720キロの11日間の船旅に出発した


「全く酷い目にあった...もうあのバカと付き合うのはご免だね。」


「全くその通りじゃのう...じゃが安心せい、あの後で回復した国王が謝罪に来て『もう二度とこの様な事が起こらない様に継承権を剥奪した後教育しなおす、謝罪として扶桑帝国からの輸出品目の関税を8年間無税にする他採用する兵器類を扶桑帝国から輸入する、他にも優遇策を検討する。』だそうじゃ。」


合流し御召艦である超大型飛行輸送貨客船『はやぶさ丸』の最上級船室でのんびりしながら呟いた直哉の言葉に神楽はそう話した


「いやそれ完全に金で解決するって事じゃないか、まだ俺だから無傷で済んでるけどこれ他の人間だったら間違いなく大怪我か死んでるぞ?」


と少し不機嫌になりながらそう苦言を呈した

神楽はそれに


「まあ初犯じゃし思考の違いで起こった事件じゃ、今回は恩を売っておけ...ほれ、それよりも。」


と話し、手に抱えていた2人の子供を放した


「おとう!」


「抱っこ!」


6歳になり立派に成長した和平とヘレンだった


「おおー、少し見ない内にでっかくなったなぁ! ほれほれ良い子にしてたか?」


すっかり不機嫌さが消え、飛び込んできた2人を抱きしめた

他の3人はクローディアに甘えていた

直哉は2人の頭をワシャワシャと撫でた後、寄ってきた輝夜や茜にフリードリヒの頭を順番に撫でた

そして全員を纏めて抱きしめた

直哉にとって家族との触れ合いが何物にも代え難い物だった、直哉にとってどれだけ金塊が有っても家族の方が大事だった

家族の為に直哉は戦える、直哉自身必要としない名誉を守るのも家族に直哉自身が不名誉な事をすれば被害が及ぶからだった、その事に家族達は気付いていたので彼女達も同じように不名誉な事をしなかった


そんなこんなで触れ合っていると


「失礼します、近衛侍従武官閣下よろしいでしょうか?」


と船室に入ってきた兵士が直哉を呼んだ

直哉は子供達を離し、兵士に続いて別の船室に設けられている戦局分析室に入っていった


「どうした?」


「そこまでの規模ではありませんが攻勢準備を確認されました、地点はリクリス公国の後方支援基地の1つであるグラート要塞です、偵察機からの報告によれば最低でも3万人程の後方支援部隊を中心としたリクリス公国軍と侵攻軍と思われる10万規模の2個軍が確認されております。 侵攻先は国境を接しているジルトラン王国と思われます。」


直哉の問いに戦略図に記号を書き込んでいる情報分析官が答えた

直哉はその情報に唸った


「参ったな、リクリス公国は聖教圏に仕方なく所属している数少ない『融和派』の国だぞ、しかも国境線を接している正教圏の国々からも攻撃しない様に要請もされている...」


「では越境後に攻撃を? 現在4個砲兵連帯を中心とした防衛軍が即応態勢で待機中でありますが。」


聖教圏の国々といえど地理的要因等の様々な要因で仕方なく勢力下にいる国々も少なくなかった

リクリス公国もそういった国の1つだった

元々よくある農業中心の国家運営を行っている中規模国家で、10代前の公王が進めた学園都市の新設と街道整備により食料の輸出で儲けている他多種多様な人々が集まるようになり他種族に融和的な『融和派』が長年政治経済を担っていた

聖教圏の勢力下に居るのもただ単純に正教圏よりたくさんの国々に接しておりそっち側についていないと侵攻される恐れがあったからだった、無論正教圏の国々もその事を把握しており緩衝国兼食料供給国として共存していた


今回の『聖教十字軍』に関しても国民から王族に至るまで『放っておいてくれ! てか帰れ!』という意志で固まっており、侵攻拠点になるのもご免だったが断ると『神の敵』等と呼ばれ略奪される為仕方なく自国内で蛮行が行われない様に自国軍を出動させ目を光らせていた

また正教圏に対しても自国の空中哨戒網の穴を作り聖教圏の侵攻軍が編成された場合即座に情報が入るように手も回していた、要は


聖教圏(゜∀゜)「フーハハハ! このまま正教圏を神の名の元灰にしてくれるわ!(略奪及び蛮族脳)」


リクリス公国(´ー`)「(すげーめんどくせぇ!)あーはいはいわかりました、けどうち軍隊弱いんで戦争には参加しませんよ? 土地はまあ良いとして国民に手を出したら許しませんからね。」


リクリス公国(*'ω'*)「とか言っといて誤魔化しときましたぜ、哨戒網の穴教えときますから攻撃しないでください、直接連絡取り合うとバレた時面倒なんで。」


近隣正教圏(っ・ω・)っ「何回か飢饉起こった時食糧輸出してくれて助かってるしこっちも助けますね。」


世界連邦(‘∀‘)「とか言ってるし実際に哨戒網突破して偵察できてるんで戦場にはしません、反攻で侵攻して占領したとしても現地政府の政府運営保証しますね、民間の被害もめんどくさいので出しませんし出させません。」


という事である

そんなこんなで直哉は


「そうだな、越境を確認し近隣の避難が完了次第無差別攻撃で殲滅する様に統合司令部に計画書を出すか...扶桑帝国空軍の対地制圧部隊を呼べるか?」


陸軍航空隊と海軍基地航空隊を中心に再編成させ設立させた扶桑帝国空軍の対地制圧部隊...対地攻撃機と対地掃射機と呼ばれる大火力支援部隊を派遣できるか直哉は尋ねた


「可能です、飛行場の設営も完了しており護衛戦闘機隊の都合が付けば問題ありません。 陸上部隊は如何しましょう? 時間を掛ければ2個機甲軍団と2個野戦重砲兵軍団が展開可能ですが?」


「2個機甲軍団と2個野戦重砲兵軍団、手元で遊ばせて置く位なら活用する...何の為の連邦軍大規模派遣だ、他の戦線は他の部隊にやらせろ。 敵侵攻軍の殲滅後前進しリクリス公国を無傷で占領した後侵攻させる。」


直哉は情報分析官の提案に頷くと指示を出した

聖教十字軍にとっての敗北の歴史の始まりである『ジルトラン戦域の悪夢』の始まりだった

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