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とある一つの物語  作者: 焔夢
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視線

昨日のヨレヨレの服とは違ったYシャツにスラックスだ。

どういう風邪の吹き回しだろう。

クラスメートの視線を一心に受けながら、私の前に進み出ると、

「それ、オレの父親の経営している会社の製品だぜ。ちょっと貸してみろ」

「え?」

私は唖然としながらそれを渡すと、机にどっかと座り吹き始めた。

曲はエーデルワイス。

クラス中、息をのみながら、その光景を目に焼きつけている。

一体私のバースデーはどこにいっちゃったのだろう。

「はい。おしまい」

「キャーステキ」

3人組が拍手喝采。

「とくめい君。それどこで習ったの?」「ん?父親が教えてくれた唯一の曲だ」

「へーすごいのねぇ。オレなんてピアノでネコ踏んじゃったしか弾けないよ」

とくめい希望は爆笑しながら、

「へーそいつはいいや。モナコの為に今度、演奏して貰おうか」

「なんでいつも私ばっかり」

3人組は大笑い。

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