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第1章 第四話 絶望のルール

ノヴァが【ブラスターエクリプス】を強く握りしめる。


「ここから先には、一歩も行かせない」


ルシフェルも【宇宙災厄の一振り コズミックディザスター】の柄に手をかけ、仮面軍の冷酷な刺客を鋭く睨みつけた。


次の瞬間、二人は同時に走り出した。


「はあああぁぁぁ!」


先制を仕掛けたのはノヴァだ。ブラスターエクリプスを鋭く振り下ろし、超熱量の斬撃をクアトロへ飛ばす。


「どうだぁ!」


間髪入れずにルシフェルがクアトロの死角へと回り込み、コズミックディザスターで容赦のない高速の突きを繰り出した。


「捉えた!」


時の使者二人の、完璧な連携攻撃。


しかし――。


キィィィィィン……!


「……なっ?」


ノヴァが目を見開く。


二人の鋭い攻撃は、クアトロの体に届く直前、まるで目に見えない透明な壁に阻まれたかのようにピタリと止められていた。


クアトロは避けるどころか、身じろぎ一つしていない。


あらゆる攻撃が、なぜか全く通用しないのだ。


「良いじゃねぇか!楽しめそうだなぁぁぁあ」


退屈そうだったクアトロは徐々に気持ちが高ぶっていく。


「ノヴァ、一気に決めるわよ! 手加減はなし!」


ルシフェルが叫び、コズミックディザスターに全てのエネルギーを吸収させていく。

刀身がドス黒い輝きを放ち、まるで超新星のような巨大なエネルギー弾が形成されていく。


「えぇ、食らいなさい!」


ノヴァもブラスターエクリプスに限界突破の魔力を込め、何十倍もの超熱量エネルギー波を前方へと解き放った。


キュイイイイイイインン!!


二人の最大最強の必殺技が、同時にクアトロを飲み込んだ。


ズガガガガガガギィィィィーーーーン!!!


街の広場が吹き飛ぶほどの凄まじい大爆発が起き、あたり一面が煙に包まれた。


これだけの威力を食らえば、いかに仮面軍のNo.4といえど、ただでは済まないはず。


しかし、煙の向こうから聞こえてきたのは、あの不気味な笑い声だった。


「くっ、くっくっ……。素晴らしい威力だ。お前たちの力、楽しめそうだ!!」


煙が晴れると、そこには傷一つない姿で、巨大な【黒い大鎌】を肩に担いだクアトロが立っていた。


二人の必殺技を受けて、まさかの無傷。


「さぁ、今度は俺様の番だ。行くぞぉぉお」


クアトロの姿がブレた。


「っ!?」


ルシフェルが叫ぶのと同時に、巨大な大鎌が死神のように二人の首元へと迫る。


ブンッ! バキンッ!


クアトロの容赦ない連続攻撃が始まった。


ルシフェルとノヴァは冷や汗を流しながら、それぞれの剣で必死に大鎌の刃を受け流していく。


しかし、クアトロの攻撃スピードは、打ち合うたびに異常な速度で上がっていく。


残像すら見えない大鎌の嵐に、二人の防戦は限界を迎えつつあった。


「おらおら!どうしたどうした!? ついてこられないのか!!」


クアトロが大きく大鎌を振り上げ、地面に突き立てた。


その瞬間、異様な紫色の魔方陣が、ルシフェルとノヴァの足元に展開される。


周りの空気が一瞬で凍りつき、心臓を掴まれたような強烈なプレッシャーが二人を襲った。


「……っ!? 体が、重い……!」


クアトロは仮面の奥の目を怪しく光らせ、低く冷酷な声で唱えた。


【デス・アビリティクロス】


クアトロの首筋の『4』の数字が赤く発光し、二人の頭上に不気味な4つの×クロスが浮かび上がる。


「これは、俺が定めた4つの『禁止行為』を破った者が即死する、誰にも破られたことがない絶対遵守の結界だ」


クアトロが指を1本立てる。


「1つ目。……発言の禁止(言葉を発してはならない)」


指を2本立てる。


「2つ目。……移動の禁止(その場から動いてはならない)」


指を3本立てる。


「3つ目。……能力の禁止(あらゆる技や能力を発動してはならない)」


そして、クアトロは不敵な笑みを浮かべ、4本目の指を立てた。


「……そして、4つ目は――秘密、だ。自分で考えろ?だが...どれか一つでも破ればその瞬間死ぬぞ」


「っ……!?」


ノヴァが声を上げようとして、とっさに口を手で押さえた。すでに『発言の禁止』のルールは始まっている。


4つ目が分からない。


もし、うっかり何か行動を起こして、それが4つ目の禁止行為だった場合、その瞬間に命を失う。


(4つ目の禁止って……!? 呼吸? 武器を持つこと? それとも……)


ルシフェルは冷や汗を流しながらも、この緊張感の中で笑みを浮かべていた。


絶望的なルールに縛られ、完全に身動きが取れなくなった二人。


発言も、移動も、能力も禁止され、さらに正体不明の「4つ目のルール」に縛られた。


ウカビルが保健室で眠る中、時の使者二人に、過去最大の危機が訪れていた――。

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