ルチアーナを助けた理由
「まずは今日、私の店の中で見た事を話してくれ。特にベルッチの奴らが攻めて来た時のことだ」
「店の男が、私の服を脱がそうとした時、知らない女の人が助けてくれました。
その人が、店の人を蹴り飛ばした時、はずみで私も飛ばされ、壁かなんかに激突し、気を失いました。気が付いた時はその人と一緒に車の中でした。
それだけしか、分かりません」
ルチアーナは小声でささやくように話した。
少し楽になったとは言え、恐怖から解放された訳ではないルチアーナには、これが精一杯だった。
「車には、もう一人、女がいなかったか?」
「女の人ですか?」
ルチアーナは少し首をかしげた。
「車の中にはいませんでした」
「車は誰が運転していた?
お前を助けた女か?」
ルチアーナは恐怖に震えながらも、黙っている。
ガンビーナは話題を変えた。
「では、次だ。その女が、なぜお前を助けたのか知っているのか?」
「それはお母さんが私を助けてくれるように、頼んでくれたから」
自分の答えにガンビーナの表情が変わったのを、ルチアーナは感じとった。
いけないことを言ったのかしら?
ひどい目にあわされるの?
そう思ったルチアーナはさらに身を縮めた。
ガンビーナのボスはルチアーナに一度微笑むと、落ち着いた口調でたずねた。
「あの女はどこにいる?どうやって頼んだんだ?」
その問いに、カテリーナは目を横にそらし、何も言おうとしない。




