モニカの攻撃
あすかが一度入った部屋から再び出てくるとホールの通路を出た近くで、マシンガンを持ったまま横たわる遺体に走り寄り、その手からマシンガンを奪い、通路に戻って行った。
細い通路に銃撃音が、轟きわたる。
ガラスの砕け散る少し高めの音が、銃撃音に交じっている。
細い通路はその明るさを徐々に失い、ホール側から闇に包まれ始めた。
あすかが細い通路の天井の照明やいくつかの部屋の照明を破壊し続けている。
やがて細い通路に闇が訪れた。
ホール側の近い場所から、奥に向かって出来上がった闇のグラデーションの中をあすかが進んでいく。
あすかが再び通路の端まで行き、ホールで暴れているモニカに照準を合わせて、トリガーを引く。
ドババババッ!
あすかのマシンガンが、唸り声をあげてモニカに襲い掛かる。
しかし、離れた距離からの銃弾を避ける事など、モニカにとっては容易なことである。
あすかが放った銃弾はモニカにかすり傷一つ与える事は無かった。
そんな事を気にすることなく、あすかは細く暗い通路の中をあすかが一歩ずつ後退し始めた。
あすかのその手に握られたマシンガンは通路の先のホールの何も無い空間に向かって、銃撃が続けられている。
モニカは武器を持った者を優先的に抹殺していく。その中でも、自分に攻撃してきた者をさらに優先して抹殺する。
モニカは銃撃した者の位置を特定していて、あすかのいる通路をモニカが目指す。
通路の間口が狭く、モニカはあすかが放ち続ける銃弾が飛び交う中、そこに飛び込むのは得策でないと判断し、あすかがいる通路の中を見る事ができ、しかも銃弾をかわすに十分な距離がある場所で立ち止まった。
その場所も当然あすかが放つ銃弾の軸線上であるが、モニカにとってみれば何の問題もない。
あすかはさらに後退し、その姿は薄暗い空間に溶け込んでいく。
そんなあすかの姿を、あすかが持つマシンガンの火花が、離散的に浮かび上がらせている。
あすかは通路に面した一つの部屋の入り口に半身を隠し始めた。
顔だけをのぞかせ、モニカに銃撃を加えていたあすかが、銃撃を止め、部屋に身を隠した。
銃撃さえ止めば、狭い通路と言えど、それほどの障害ではない。
モニカが一気に通路に進入していく。
その速度はいつもより遅い。
銃弾の弾道さえ一瞬の内に計算できるヒューマノイド。
しかし、万能ではなかった。
暗闇で使える赤外撮像素子では高速撮像処理が行えない。
薄暗い空間。
モニカの撮像素子は赤外用に切り替わっていたため、速度が落ちていた。
狭い通路をモニカが真っ直ぐに突き進んで来て、あすかの部屋の前で立ち止まる。
モニカの視界に部屋の中のあすかが映る。
あすかの姿はスカートの下に隠していた新しい武器を手に構えていた。
それは銃よりも銃身が太く、銃口の先に穴はなく、鏡面のようだった。
モニカは一瞬の内にそのあすかめがけて、攻撃に移った。




